微熱

微熱に浮かされた躰 ぼんやりと感じ取る外の空気

周りには何もないはずなのに 聴こえてくるのは沈んでいく音 聴こえてくるのは自分の泣きいりそうな想い

何で私を支えてくれた貴方は居ないの? 追いかけても追いかけても届かない背中 一度だけ振り返ってくれて でも それだけだった

卑怯だ 一度だけの優しさなんて… 告白をしたその日だけの優しさなんて

――卑怯だ

微熱に浮かされた躰 ぼんやりと感じ取る外の空気

貴方は今どこに居るの?

遠くで聴こえた祭囃子 そうか、今日はお祭りだったとぼんやりと思う 太鼓の音が賑やかになる 大輪の花が空に描かれるだろう

何故か溢れてくる涙 止まらないのを熱のせいにする

モウ 嫌ダヨ

泣き言を声にはせず呑み込む 感じない温もりの代わりに上がる体温

深く 深ク

今は眠ってしまおう


熱を言い訳にして……


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