罪華

あぁ
なんて残酷なんだ

忘れたと思っていたような
あの頃の出来事

置いてきたと思ってた
無垢な笑顔に出会う

もう
笑うしかない今を
嘲笑うようなあの幸せの日々


――優しげな

心地よい

あの場所に

ずっとずっと

戻りたかった――


今 あのトキに
全て投げ出して戻れるのなら
何に変えても戻りたい

今度は同じ過ちを犯したりしない
だから


今 此処に砕け散ったのは
あの時の一瞬の出来事

また
今 此処に消え去った
無垢な笑顔は戻らない

でも
今 此処に作り上げた嘘
結局虚しいだけで

そう
今 此処に崩れ去ったモノ
スベテは元に戻らない


赫イ華ガ散ル


染まる色はただ一色
壊してしまったものの代償

遠く散る散華
これは私の償いの証

赦しを請うのではなく
その穢れを背負うために

享ける華は晧々と輝く
天上からの曼珠沙華

罪失くしては舞うことはなく
罪犯して は散ることはない


マタ
赫イ華ガ散ル


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