偽りの時が過ぎる

辛い
そう、泣き続けた

離れて

往かないで……

偽りの時が過ぎる

perish*helpish

いつもそうだ。
勝手な言い分ばかりを連ねて他人を責める。
言ったあとに後悔ばかりして…

「バカだな、俺……」

今更遅すぎるのに
そしていつまでも引きずっているんだ。
変わらない心の幼稚さに反吐が出た。

いつも独りになっている。
多分、そう思っているだけなんだと思う。
心を開こうとはしないから、開いてくれる人もいなくて…
浅はかな言葉で罵って、そして自分も傷ついていく。
幼い魂を抱えて彷徨って、泣きながらいつも過ごしてる。

「……………」

寂しいと 独りになって涙を零す。
ただ、寂しいと 温もりがほしいと涙を零す。
幼い頃に与えられるはずの愛情。
それが当時は、与えられると自分が惨めになりそうで拒否した。
今は後悔ばかり…
幼いときにもらえなかった分を、今はもらえない。

「もう、どうでもいいさ」

泣いて泣いて泣いて 後悔が終わるといつも呟く言葉。
だんだんと感情は消えていった。
必要がないものだと認識し始めた。
暗い思考は何も与えてくれやしなかった。
ただ、堕ちていくだけだった。
他人になんてぶつけられやしない。
だから閉じ込めて、そして堕ちていく。

「……悪循環……」

わかっていて呟く。
救いなどないのだからいいだろうと思う。
独りに、独りになっていく。
なりたくはないのに……

「俺は、救いを求めてる?」

言葉を後悔した。
知ってしまったから、そうなのだとわかってしまう。
また涙が溢れてくる。
救ってほしいのだ。誰でもいい、誰かに
ただ、温もりが…それがほしいだけなんだ。

無償の愛は注げない
けれど
無償の愛を注いでほしい

愛するコトを知らない自分
愛しカタを教えてほしい

自分に嘘を吐いて、生きてきた。
救われてはいけないと、自分を戒めてきた。
無意味な行動。
体中に溜め込んだストレスが、一気に血を吹いて溢れだす。

「……どうして ?」

目を見開いたまま
             >呟いた
空を見つめたまま

体を抱え込んで、全身で後悔する。
懺悔の言葉すら、届かない気がする。
許されることが、ないような気がする。

それでも……

ふわりと 柔らかな風が吹いた。
あまりの心地よさに目を閉じる。
また、涙が溢れた。

「……………」

最期の最後
それが救いだったのかもしれない。

「……………」

ただ、身を任せ
俺はその身を投げ出した。

「……………ごめん」

この言葉を、全ての人に送れなかったこと。
それが唯一の心残りだった。

fin.


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