建築への影響


 建築家・・・と言って誰の名を思い出すだろう。日本
建築界のドン:丹下健三か、旧帝国ホテルのフランク・
ロイド・ライトか、サグラダ・ファミリア教会のアント
ニオ・ガウディか。だがもう一人近代建築史上に忘れて
はならない人物がいる。「ル・コルビジェ」この奇妙な
名前のスイス人(本名はシャルル・エドゥアール・ジャ
ンヌレ)の代表作はフランスのロンシャンの丘の上にあ
るノートルダム・デュ・オー巡礼教会堂である。
写真は「世界のたてもの探検図鑑」 イラスト/パオロ・
ドナティ 文/フィリップ・ウィルキンソン 訳/内田
 加奈子 集文社 P40-41 1993年より。
長らく西洋建築の規範は教会にあった。そしてコルビジェ
は20世紀の教会建築を創造したのだ。曲線への回帰を果たしたこの教会堂以前の建築
の方がよりレゴ的ではあったのだが・・・。
 
彼の言葉「芸術とは・・・偉大なゲームである」が掲げ
られたコンテストがあった。
 1985年パリのポンピドーセンターにおいてヨーロッパ10
ヶ国、30名の建築家の参加を得て「夢の家」をテーマに
したものだった。(ちなみにポンピドーセンターの隣の
ストラビンスキー広場の噴水オブジェは私の大好きなニ
キ・ド・サンファールとティンゲリーの作品である。)
一部の作品については「レゴの本」ヘンリーヴィンセッ
ク著、リブロポート社にも収録されているが、こちらは
全作を納めた作品目録である。LEGO Group (c)1986
ここでは「レゴの本」に掲載されていない作品を幾つか
紹介する予定であるので少々お待ちいただきたい。

 さて、建築もいわんや製鉄も門外漢の私の「建築とは何ぞや?」に答えた本として「
都市と建築の解剖学−形態分析によって設計戦略を読む」:ジェフリー・ベイカー著、
富岡義人翻訳、鹿島出版会 をお勧めしたい。簡潔なイラストと幾何学的特徴を捉える
形態分析の手法は素人にも大変分かり易い。この本で得た私の結論は「建築とは音楽だ
」である。交響曲やロック、BGMといったジャンルやクライアントからの要望は河川敷
や丘陵と言った地形と同様に作品の基礎となり、繰り返し構造がリズムになる。固く動か
ない壁によって規定される人や物、空気の動線は流れとなってメロディーを奏でる。そし
て周囲の景観との調和。そんな目で例えば東京都庁を見上げるとシンセサイザーの矩形
波が埋め尽くすようなアルペジオと転調を繰り返す音楽が聞こえてくるようである。
 この本にも勿論ル・コルビジェの作品の解説もある。「スタイン・デ・モンツイ邸」を
直方体から切り出して再構成する一連のイラストは、かつて上野の近代美術館で見たピカ
ソの雄牛の一連のデッサンによって具象から抽象されていく過程を実感した思い出に重な
る。さらに詳しくは同じくジェフリー・ベイカーの「ル・コルビュジェの建築−その形態
分析」を読まれることをお勧めする。ブロックを積みながら音楽を口ずさむために。

最近ではウォークスルーの3Dグラフィックも多くなってきたが欧米では建築模型に
LEGOを用いることも少なくないらしい。




	 そもそもブロックなのである。煉瓦であり、石積みなのである。建物を作ら
	ずしてなんとしよう。そして初めてレゴを手にした子供らは記念すべき第1作
	「タワー」を作り始めるのである。それがブロックの本能なのである。
	東京都庁を、ランドマークタワー(注1)を作る日も遠くはない。

	注1:実際にはランドマークタワー内には河田のアンテナショップが入っている
	ためダイヤブロック製のランドマークタワーを見ることができる。



関東学院大学工学部建築学科/建築史研究室の関 和明さんからの情報

1)現在進行中ですが、今夏8月25日から9月6日銀座松坂屋7階、松屋デザインギャ
ラリーにて、「建築家とレゴ」展(仮)が開催されます。
主催は日本建築家協会(JIA)関東甲信越支部、アーキテクツ・ガーデン実行委員会
7人の建築家がレゴで90cm立方の空間におさまる「家」を設計し、レゴ・ブロックで
つくります。
(使用するレゴ・ピースの総数48万個)
2)「こどもたちがつくるレゴの家」展も。1)と同時期、東京都中央区で開催され
ます。
3)昨年夏ヨーロッパ(ドイツ、ベルリン)で、"Gate of Future"というタイトルの
建築家たちの考えたレゴ・ブロック展を見ました。そのうち日本にも巡回して来るか
も知れません。

現在、関東学院大学建築学科の製図室では、学生ヴォランティアが作品の組み立
て作業中です。

 この展示会の様子はけん・たっきーさんがレポート しています。「レゴワークス」の「モデリングこらむ」 をご覧下さい。  個人的にはその下の「京急百貨店ジオラマ」の方に 惹かれてしまいます。電車がオーバースケールなのは 鉄道系列のお店と言うことでご愛敬・・・。

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