竹本 泉

 竹本泉という人はとっても変な漫画家である。なんというか、書く漫画がとってもヘン。どれくらいヘンかということとを、本の題名で説明してみると……。
 今回買った本は、6編の短編を収録していて、その内3本が「魔法」シリーズ。2本が「世の中な」シリーズ。で、本の題名が「世の中なまほう」(^_^;)
 既刊に、「せ〜ふくもの」「はたらきもの」というものある。「せ〜ふくもの」というのは「制服」シリーズだから、「はたらきもの」は、主人公が働いているから。なんてとんでもない題名をつけるんでしょう。
 わかりやすく本のタイトルで説明してみましたが、どれくらいヘンな漫画家かわかってもらえたでしょうか……。もちろん作品の内容も題名に劣らずヘンです。自信を持ってお勧めできます。
 ぼくが一番好きなのは、魔法使いシリーズです。魔法使いがいる世界のお話ですが、その世界というのが……。
 魔法は小学校の授業で基本的なことをみんなが習う。だからとてもやさしい魔法は誰でも使えるけれど、練習が大変なので大部分の子どもは魔法使いになろうとはしない。魔法の国家試験みたいのがあって、級が制定されている。初級、5級、4級、3級、準2級、2級、1級とあって、ここまでがまあおけいこの世界。それ以上はプロの魔法使いで、男はリトルスター、ダブルスター、トゥインクルスター、ゴールドサンという階級、女はリトルムーン、クレセントムーン、ハーフムーン、シルバームーンという階級がある。つまり、魔法がお茶やお花と同じ次元なわけ。
 魔法使いのお店には、魔法グッズなどとともに、魔法の瓶詰めも売っている。簡単な魔法なら大量生産の缶入りになっていて、自動販売機さえある。
 こんな変な設定の世界なので、一度作ってしまえばシリーズ化は簡単で、ときどき気が向くとこのシリーズのお話を書くのです(^_^;)

「世の中なまほう」

宙出版 ミッシィコミックスDX  ISBN4-87287-223-1 533円 1998/04/10 (1)
 短編集で、魔法もの3編と世の中もの2編、それに単発のゆうれいもの1編が収録されている。魔法ものは、作者のあとがきでは「学園魔法まんが」と書かれている。これは、同じ出版者からでている「ちまりまわるつ」と同じ設定のシリーズだ。「ちまりまわるつ」という題名は、主人公「きいちごちまり」がくるくるとまわってワルツを踊るという意味なのだが、ただ見ただけではわかんないだろうなあ(^_^;)
 今回はちまりと、お母さんのきいちごあおばさんは脇役で登場しているだけ。主人公はたまたま道で拾った子猫が540匹に1匹の使い魔になる才能をもったネコだとあおばさんに言われたため、魔法を勉強しようと思い立った男の子である。いまさら初級から勉強し始めるのも恥ずかしいので、ガールフレンドにも秘密で勉強していたが、実はガールフレンドは魔法を習っていて4級だった。それ以降2人であおばさんが開いている魔法のお店にいりびたっている。
 世の中ものは今回初めて始まった設定のシリーズで、ものすごく長い階段を登った丘の上にある2軒のうちの1軒に引っ越してきた家族のお話。隣のもう1軒には若い男が一人で住んでいて、温室で妖精を飼っていたりする。
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