樋田 和彦

 週刊少年チャンピオンを毎週買っている。もちろん目当てはドカベンプロ野球編では全然ない。毎週読んでいると、自然とおめあてのもの以外も読む。そうすると、本来は絶対にぼくの好みではないのに、面白くて単行本を買ってしまう作品がでてくるものなのだ。この「京四郎」という作品は、樋田和彦のたぶんデビュー作だろう。新連載が始まった時は、「ああ、また不良マンガがはじまったか、絵が下手だなあ」という感想だったんだが、読んでいると面白くて、ついつい単行本を13冊も買ってしまった。
 不良マンガだから、校内でのケンカあり、他校へのなぐり込みあり、暴走族あり、なのは当然だが、その途中に関係ない話が挿入される。いや、挿入されていた。たとえば、主人公が恋人とつりに行く話、山菜をとりにいって山の達人に会う話……。これがまたおもしろい。「挿入されていた」と過去形にしたのは、もう既に挿入という言葉があてはまらないくらい、「脱線」するからである。今回買った13巻など、最初の1週分を除いて脱線部分のみなのだから。

「京四郎」

秋田書店 少年チャンピオンコミックス  13巻 ISBN4-253-03958-8 390円 1998/02/15 (1)
 脱線の巻である。既に主人公の京四郎と親友の緑川は東京の歌舞伎町で風俗に行きたいがために、相撲部に入って東京の全国大会に行っているが、今回は野球である。先輩の女性ピッチャーとともに甲子園でなんと高校野球の決勝戦で1巻使ってしまった。
 かろうじて、最初の1週分が、12巻からの続きで京四郎の恋人が暴走族のレディス相手にケンカしてるだけ(^_^;) 結局、主人公は脇役としてだけ登場しているわけね、この巻は(^_^;)

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