スメタナ

「わが祖国」より
 チェコの国民楽派の租、スメタナは祖国チェコの姿を6曲の連作交響詩「わが祖国」として作曲しました。これは彼の代表作であるのはもちろん、チェコの音楽の代表ともいえる曲です。毎年5月、スメタナの命日にプラハ市で開幕する「プラハの春」音楽祭では、必ず初日に演奏されています。
 第1番「高い城」は、モルダウ河畔のヴィシェフラト城の栄枯盛衰を回想する曲。
 本日演奏する最初の曲、第2番「モルダウ」は、6曲中最も有名な曲で、「この河は、2つの水源から発し、次第にその幅を増してゆく。両岸には狩の角笛と田舎の踊りの音楽がこだまする。月の光。妖精の踊り。やがて流れは聖ヨハネの急流にさしかかり、波はしぶきをあげて飛び散る。ここから河はプラハ市にながれこみ、ここで河は古く貴いヴィシェフラトに敬意を表する。」という標題にそって作曲されています。
 第3番「シャールカ」は、伝説の英雄、女戦士シャールカの物語。
 演奏の2曲目、第4番「ボヘミアの森と草原から」の標題は、伝説や歴史ではなく、ボヘミアの美しい自然です。「ボヘミアの風景を眺めた時の感情が描かれている。森や草原から楽しげな、時にはさびしげな歌がひびいてくる。ホルンが森を表現し、明るい主題が肥沃な低地を描いている。誰もが自分の幻想に従って風景を描くことができる。……」
 第5番「ターボル」は、15世紀に起こったフス団とカトリック教会との内乱を描いています。
 最後に演奏する第6番「ブラニーク」は、「これはターボルの続編である。フス団の勇士たちは、ブラニークの丘にこもり、機を伺っていた。そこに賛美歌『汝らは神の戦士たれ』が聞こえてくる。やがて勝利の賛美歌が行進曲のリズムで現れ、スフ団は立ち上がり大きな勝利を得た」という標題に基づいて作られています。
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