サン・サーンス

組曲「動物の謝肉祭」
 「謝肉祭」というよりも「カーニバル」と言った方が通りがいいようです。ブラジルのカーニバルは有名ですね。日本ではお祭の代名詞のように使われていますが、もともとはキリスト教の「謝肉祭」で、この期間はお祭さわぎが許されていたのです。この曲は別に動物がお祭をしているというわけではなく、謝肉祭の音楽会のために作られたためにこの名前がついています。
序奏と獅子王の行進曲
 序奏の後、ピアノのファンファーレでライオンの王様の行進が始まります。行進の途中で、王様は何回か低い声で吠えているようです。
めんどりとおんどり
 にわとりがコッコッコッコッ言っています。日本のにわとりは「コケコッコー」と鳴きますが、フランスでは微妙に違っているようです。
ろば
 野性のろばが跳び跳ねている様子を表わした曲です。2台のピアノだけで演奏します。
かめ
 かめがのろのろとあるいています。この旋律はオッフェンバックの「天国と地獄」の旋律で、忙しい原曲をとてもゆっくりと演奏しているわけです。
ぞう
 ぞうのワルツです。これも原曲はベルリオーズ「ファウストの刧罰」の中に登場する妖精のメロディーです。
カンガルー
 カンガルーが跳び跳ねています。
水族館
 揺れ動く水の中を魚が泳いでいます。
耳の長い登場人物
 変な題名ですが、どうもろばのようです。3曲目で跳び跳ねていた野性のとは違っておとなしいろば。鞭で打たれては低く鳴いています。
森の奥のカッコー
 静かな森の奥のほうからカッコーの鳴き声が聞こえてきます。

 大きな鳥かごの中で鳥たちがさえずっています。
ピアニスト
 たしかに人間も動物の一種ではありますが、わざわざピアニストとご指名です。チェルニーの練習曲を弾いてばかりいる無能なピアニストを皮肉った曲です。
化石
 最初に木琴が弾く旋律は自作の交響詩「死の舞踏」の骸骨のメロディーです。この曲にはフランス民謡やロッシーニのアリアなどが出てきます。聞きあきた旋律を音楽の化石と皮肉っているのです。
白鳥
 水の上を優雅に泳ぐ白鳥です。チェロの独奏曲として最も有名な曲ですね。
終曲
 「天国と地獄」フィナーレのメロディーに乗って今まで登場した動物が勢ぞろいします。
(465)


トップへ   曲目解説目次のページへ  

MAN man@leaf.email.ne.jp