グリンカ

「ルスランとリュドミラ」序曲
 この曲の作曲者グリンカは、1804年に生まれたロシアの作曲家です。同じ時代の作曲家としては、ベルリオーズやメンデルスゾーン等がいます。19世紀の初めごろは、歌曲や歌劇はイタリア式のものが流行っていて、ドイツでもロシアでもイタリア語の歌曲、イタリアのオペラが演奏されていました。一足早くドイツのウェーバーが歌劇「魔弾の射手」によってドイツオペラを確立しましたが、ロシアではちょっと遅れてこのグリンカがロシア語の歌曲やロシアを舞台にした歌劇を作曲し、ロシア音楽と言える作品を作りはじめました。そのため、グリンカは「ロシア音楽の祖」と呼ばれています。
 歌劇「ルスランとリュドミラ」は、プーシキンが民話に基づいて作った詩をもとにしたものです。キエフ大公の娘リュドミラ姫が悪魔にさらわれてしまい、3人の求婚者のうち姫を助け出した人が結婚できることになりました。悪魔との戦いや3人のライバル同士の争いの末、最後に騎士ルスランが姫を救い、結婚するという物語です。
 序曲は、劇中の音楽を使ってソナタ形式で作られています。劇の最後の結婚式の場面の音楽を使って始まる華やかな第1主題と、ルスランの歌うアリアの朗々と歌うような第2主題を中心にして、非常に速いテンポの曲です。
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