ドビュッシー

小組曲
 この小組曲は、ドビュッシーがピアノ連弾のために作曲した曲を、ビュッセルが管弦楽用に編曲したものです。ドビュッシーのピアノ曲の中では初期のもので、全部の曲が前後の主部と対照的な中間部という複合三部形式の伝統的な形式で作られています。
 第1曲「小舟にて」は、静かな水面に浮かぶ小舟を思わせるフルートの旋律ではじまり、中間部では水が流れるような躍動が、そして、川の流れのせせらぎのような伴奏を伴って主部に戻ってきます。
 第2曲「行列」は、人間の行列という感じではなく、たとえばサーカスのいろいろな動物たちがちょろちょろ、ぴょこぴょこ、悠々と、連なって行進していくような曲です。中間部ではすこしゆっくりとなって、シンコペーションと3連符の旋律が優雅に演奏されます。
 第3曲「メヌエット」は、ゆっくりとした3拍子で、昔の宮殿での優雅な踊りを見ているかのような曲です。
 第4曲「バレエ」は、2拍子で行進曲のようですが、実際にこの曲で行進すると踊りながら歩くことになるだろう、はずむような踊りの曲です。中間部は3拍子に変ってワルツです。
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