ショパン

ピアノ協奏曲第1番
 ピアノの詩人と呼ばれるショパンは、本当にほとんどピアノ曲だけを作曲していて、オーケストラにとっては縁の薄い作曲家です。2曲のピアノ協奏曲と数曲のピアノとオーケストラのための曲があるだけなのです。しかも、それらはみな十代か二十そこそこの時に作曲されたものなので、円熟期の作品に較べるとどうしても内容の深さや技巧の点で見劣りがします。とはいえ、ソロピアノに関してはまさに若き天才の輝きが至る所で発せられている名曲です。
 ショパンの母国ポーランドは、プロシア・オーストリア・ロシアによる分割とそれに対する独立運動という不幸な時代であったため、彼は20才でこの協奏曲(2曲の協奏曲は、作曲の順番と逆に出版されたので、今日演奏する第1番の方が後から作曲されている)を作曲した直後から、フランスに移り住みました。フランスではコンサートホールではなく、サロンでの演奏が主な活動場所だったので、作曲するものはピアノ独奏曲がほとんどになったのでした。
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