シャブリエ

狂詩曲「スペイン」
 フランスの作曲家シャブリエは、もともと法律を学んで役所に勤めていたサラリーマン(公務員)でした。学生時代から作曲や演奏活動をしてはいましたが、1987年36才のときに発表したオペレッタ「星」が人気を博したため、脱サラして本格的に音楽家としての活動を始めました。脱サラをしてそれまでといちばん変わるのは、時間が自由になることです。シャブリエはいろいろと旅行をしました。ドイツに行ってはワーグナーの熱烈なファンになり、スペインに行ってはスペイン独特のリズムやメロディーに夢中になったのです。
 この曲は、シャブリエがスペイン旅行で得た印象をもとに作曲されたものです。現在ではデュカスの「魔法使いの弟子」とともに19世紀後半のフランスの色彩的な管弦楽曲を代表する曲とされています。そして、スペインを題材にした管弦楽曲としては、その後のドビュッシーの「イベリヤ」、ラヴェルの「スペイン狂詩曲」や「ボレロ」等のさきがけとしての意味も大きいのです。
 この曲をはじめとして、スペインに関する曲でよく見られる特徴的なリズムは、速い3拍子2つ分の6拍(123,456)を3つの2拍子(12,34,56)にとるものです。これがあるときは同時に、またあるときは交互にあらわれて、独特なリズム感が生まれます。本日演奏する3曲には、全て登場するのですが、狂詩曲「スペイン」ではこのリズムが基本的なリズムとして使われています。
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