アルビノーニ

オーボエ協奏曲
 作曲者のアルビノーニは、ヴィヴァルディと同じ時期に同じヴェネツィアで活躍した作曲家です。なにしろ、ヴィヴァルディとアルビノーニは、同じ教師についていた兄弟弟子の間柄だったのです。しかし、この2人には大きく違うところがありました。ヴィヴァルディはもともとプロの作曲家、アルビノーニはアマチュアの作曲家だったことです。
 アルビノーニは大きな製紙工場の若旦那だったため、音楽で生活する必要はありませんでした。もっとも父親が亡くなって、音楽で身を立てていかなくなってからは、立派にプロとして人気を博したことですし、その曲はイタリア以外にもオランダ、ドイツ等でも有名で、バッハも彼の作品を編曲しているほどですから、アマチュアといっても単に音楽で生計を立てていなかったというだけだったのですが。
 アルビノーニは50曲以上のオペラを作曲していますが、すっかり忘れられて、現在では主に協奏曲の作曲家として認められています。
 彼の協奏曲の、作品番号で2番、5番、7番、9番、10番は「五声の協奏曲集」として出版されていて、それぞれに12曲の協奏曲が含まれています。その名のとおり、各協奏曲には全部で5つのパートがあり、12曲のうち4曲ずつ、ヴァイオリン、オーボエ、2本のオーボエの3種類の楽器がソロを受け持っています。(初期のものでは、独奏ヴァイオリンが独立しておらず、協奏曲ではなくシンフォニアと名付けられています。また、独奏の場合は残りの4声が弦楽合奏ですが、2本のオーボエ独奏の場合は残りが3声なので弦楽合奏が3声部になっています。)
 某オーボエ奏者がたばこのCMに出たせいで、なにか情熱的な印象が濃くなってしまった感もありますが、バロックの典雅な雰囲気とともにオーボエの美しい音色をお楽しみください。
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MAN man@leaf.email.ne.jp