サクラロータリーに会って来ました♪
2006年6月25日、サクラロータリーに会って来ました!


実は私、偉そうなことを書いていながら、ロータリーに会うのは9年ぶり…(^_^;
ノーザンディクテイターの会(以下ノーザン会)に参加し、今までずっと支援はしてきていましたが、ロータリー本人には会えずにいました。
ロータリーは今、清畠の天羽禮治牧場さん(本場)に繋養されています。

今回、自身初のレンタカー旅ということで、どこへでも好きなところへ行けるという喜びを噛み締めたのが、このロータリーとの再会でした。ほんとに、やっと会えた!と思うとうれしかったです。
この日は放牧地の入れ替えがあるとのことで、放牧は午後からということになっていたそうで(私がお伺いしたのがお昼前くらい)ロータリーは厩舎にいました。
初めて訪れる天羽禮治牧場さん、結構な広さなので場内で迷ってしまい、ロータリーのところへたどり着くのが遅くなってしまいました。(^_^;2回もスタッフさんに場所をお聞きして、やっとのことでたどり着いたロータリーのいる厩舎では、スタッフのSさんがにこやかに出迎えて下さいました。
ロータリーに対面した瞬間、思わず口にしたのが、ロータリーってこんなに可愛い馬だったの!という言葉でした。なんというのでしょう、全身からにじみ出る人懐こさというか(笑)、とにかく一度会えばその魅力にやられてしまうタイプのお馬ちゃんなのです。もうおじいちゃんなんですけどね、ぜーんぜん若々しくて。(シンザンの孫ということで背中はずいぶん落ちてますがお尻はムキムキっと割れてました(笑))
実は今回最初からロータリーに会うことを予定していたわけではなくて、時間的に余裕があったら行ければいいな、くらいのつもりでした。なので、ロータリーへのおみやは静内のピュアで買ったにんじん数本と、りんご2個。さっそくロータリーの前でゴソゴソと袋からにんじんを出しました。すると俄然表情が豊かになるロータリー(笑)。あっという間に数本のにんじんを平らげてしまいました。


もっとくれ〜と必死のアピールのロータリーです(笑)。
馬房の前はきれいに箒で掃かれたようになってしまいました。前掻きがすごくて…(^^)
さて困った、にんじんがなくなってしまったのであとはりんごが残りました。ロータリー、りんごよりもずっとずっとにんじんのほうが好きなようです。Sさんにお借りした包丁でりんごを切って、ロータリーの口元へあげたのですが、右の写真のような状態に…実に器用だと思いませんか?(笑)ロータリー、お育ちがいいのか?ガっつきはしません。ゆったりと私の掌の上に口を持ってきて、おもむろにりんごの上の部分だけを「しゃく…っ」っと齧って、おしまい。二度とりんごに興味をしめすことはありませんでした(笑)。今後ロータリーに会いに行かれる方がいらっしゃったら、是非にんじんだけをお土産にすることをおすすめします(笑)。


にんじんの余韻にひたるロータリー…ヨダレ出てまっせ(^^)
どうでしょう、この愛らしいお顔!とても22歳のおじいちゃんには見えませんよねっ。可愛いロータリーを眺めながら、しばらくSさんとお話させていただいたのですが、このSさんが本当に素晴らしい方で。にじみ出る人徳といいましょうか…こんな人が側に居てもらえたら、ロータリーは安心だな、と思えるような優しさあふれる方でした。ロータリーを見る目は優しく、本当にロータリーをいとおしんでくださっているのがわかりました。そう言うと、「いえいえ、みんなで世話してますから…」と仰っていました。きっと、他のスタッフさん達もみなさんお優しいのでしょう。素敵な牧場です。牧場のみなさんに大切にしてもらい、ロータリーは本当に幸せな馬です。
今度来るときは絶対もっとたくさんのにんじんを持ってくる!と心に固く誓い(笑)、ロータリーとSさんにお別れしてきました。放牧されているロータリーはもっとお茶目なのだそうで、今度は放牧時間にお邪魔できればいいなと思いました。

ちなみにロータリーは去勢していません。おじいさんですが(失礼?!)れっきとした男馬です。なのに、繁殖牝馬の厩舎に住んでいるのです。馬っけが強い馬だったら考えられないことですが…ロータリーは案外のほほんとしているようで、牝馬達も繁殖期以外ではロータリーが側に居ても大丈夫なんだそうです。ロータリーが前のスタリオンからこの牧場さんに移動するとき、「種牡馬が来るのか…」と、最初は戸惑い、心配されたそうです。
しかし、来てみてびっくり。ロータリーの穏やかさに安心されたそうです。いやいやほんとに、可愛い馬です(笑)。

ここで、2006年初頭に届いた、ノーザン会の会報「ロータリー通信」に掲載されていた幌村さん(元静内スタリオンステーション場長夫人で、ノーザン会会計)の文章を引用します。

(前略)
ロータリーも2月の誕生日がくると22歳になりますが、年を取っても、可愛らしさ、優しさと素直さがなくならないのは、皆さんが愛情をかけてくれているからだと思います。
動物というのは、かかわった人間次第で性格は変わります。どんなに大人しかった馬でも、世話をする人がいじめたりすると、どんどん性格が悪くなって行きます。その反対に、荒い性格の馬でも、接する人が優しければ大人しくなるのです。言葉を話すことができなくても、頭では理解していて、人を区別しているのです。私が、静内スタリオンに居た頃、繁殖を連れて来ている牧場の人と、よくお話したのが、馬は言葉がわかるということでした。大多数の人は、動物だからとか畜生だからわかるはずないと言いましたが、馬を命ある生き物として見ている人達は言葉がわかると言い、愛情をかけて話していました。(静内)スタリオンの馬達は、皆、愛嬌があって、個性があって、人間っぽいところもある馬達だったと思っていますが、それは、一頭一頭に対して愛情をかけ、接していたからだと思います。皆さんも、今度、ロータリーに会いに行った時は、あの可愛い瞳を見ながら話しかけてみてください。ちゃんと耳をすませて聞くはずですよ。
(後略)


…この文章を読めば、ロータリーの愛らしさのわけがわかるような気がします。ローレルも、とても個性的で愛らしい性格の持ち主ですが、それは静内スタリオンでの日々で培われたものかもしれません。

ロータリーに会った後、ラウルスの眠るところへ戻る帰り道、私は自分の心があたたかいものでいっぱいに満たされたような気がしていました。多分、世界で有数の幸せな馬に会えたからなのだと思います。
ロータリーはたくさんの人の支援によって幸せな毎日を送っています。私は、自分を引退馬を引き取ることに挫折した人間だと思っています。でも、今もロータリーの支援をさせてもらっていることで、救われている部分も大きいのです。私にもまだ、1頭の馬を幸せにする手伝いができていると感じられるからです。

もし、馬が好きで、引退馬の余生に心を痛められた方がいらっしゃったら、是非一度ロータリーに会いに行ってみてほしいと思います。多分、ロータリーは日本で複数の人達から支援を受けて余生を送る馬の中で、一番の高齢馬ではないかと思うからです。長い間、多くの人から愛され、生きてきた馬がどんなに幸せか、わかると思います。また、幸せな馬が、その周りの人間をどれだけ幸せにしてくれるかも、わかると思うんです。
それが、誰かまた1頭、幸せな余生を送る馬が増えることになれば、きっとロータリーも喜ぶのではないかと思います。もちろん、ロータリーのことが気に入ってもらえたら、ロータリーのご支援もまだまだ募集中ですので、ご検討いただければと思います。(^^)

ロータリーの見学には事前の連絡・牧場さんの許可が必要です。
見学ができるかどうかの問い合わせは、競走馬のふるさと案内所までどうぞ。
ロータリーを支援しているノーザン会について知りたい方は、こちらをご覧下さい。

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