new 「マジェスティック」へ 

追憶のかなた(監督:フォンス・ラデメーカーズ)
’86・オランダ

すでにアメリカ軍の手でナチス郡から解放されつつある
ヨーロッパで、
まだ、
ナチス占領下に置かれたオランダの小さな村を
舞台(1945年)に
極限状態の人間の良心、苦しみがそれぞれの立場で
真摯に描かれた、見応えのある作品。
少年の目がとてもいい。

死んでしまったら私のことなんか誰も話さない
(監督:アグスティン・ディアス・ヤネス)’95・スペイン

「ヴィクトリア・アブリル」って女優さんが
失意のどん底(闘牛士であった夫が負傷から意識不明に陥り、疲れから姑に預けて逃げ出した)で
アル中から抜け出せず
情緒不安におののき、孤独に打ちのめされ、それでも必死であがく
「グロリア」という女性を
とっても素敵にリアルに演じておりました。

自分の所へしか帰ってこれない
グロリアをわかって受け入れる姑が
これまた とっても大人で
過去のレジスタンス運動、その時の苦い恋愛が
見え隠れもし、この
二人の対比も スペインの風土をバックに
なかなかよかった。


馬(監督:山本嘉次郎)昭和16年・日本

戦時中で、いろいろ統制もあったと思うのですが、
なかなかおもしろい作品でした。
岩手の山村の貧しい一家族を舞台に、
14歳くらいの少女が馬に魅せられ、軍馬を育てる1年ほどが
凝縮して描かれている。

さもありなんと思われる
祖母、両親、弟2人、妹、そして赤ちゃんという
家族構成、その一人一人が
素朴で懐かしいような雰囲気で生き生きとして
芝居っぽくなくもう絶対現代ではみられない
表情で、観ていて楽しい。
「いね」という少女を演じる高峯秀子と
その母親役の女優さんがとっても素敵でした。
時々映る山の稜線も見事でした。
馬が生まれたとき、
ござで厩を囲ってあったのですが、
その隙間をあけて
子供たち、いね、母がそれぞれの場所から顔を
のぞかせている風景が最高でした。

子供たちにみせたいなあと思った。

(2002.1.NHKBS放送より録画して)


マジェスティック(監督:フランク・ダラボン)
2001年・アメリカ作品
出演:ジム・キャリー/ローリー・ホールディン/
マーティン・ランドー/他

超!久しぶりに出かけた映画館で観てきました。
人との繋がりが目で見える時代にタイムトリップして楽しめる
これぞ元祖ハリウッドという意気込みが嬉しい映画。

1950年代はじめ、ハリウッドで脚本家として
独り立ちをはじめようとしていた、そこそこの野心家青年が
当時のレッドパージにあい、共産主義者としてでっち上げられる。
したたかに酔っぱらって車でハリウッドの町を出た彼は
そのまま川へ転落・・・・気づいたらローソンという
小さな寂れた町の老人に助け出されていた・・・・

ここからこの映画がはじまるのですが、
こんなのありかぁ〜って思うほど、
ローソンの町の住人が魅力的で
時間と共にファンタスティックに加速していくの。

’50年代はじめのアメリカの町を忠実に再現しながら、
あー、俳優もスタッフも監督も楽しんでるなー。
50年代のハリウッドってほんとにステキだったんやなって
感じが めっちゃ、とても伝わって観ていてほんと楽しい。
そのころのジャズもばんばんかかって乗れるよ。

英雄も凡人も悪人も善人も紙一重!
上手く輪が絡まれば
たくさんのものも人も救われるんやなーー。
人が求めているのは英雄というより
ぎりぎりのところで持ちこたえる小さな良心。
そんな気持ちになる。
あのねー、もち、ジム・キャリーの演技も最高でしたが、
第二次世界大戦で死んだ英雄の息子=ルークの
父親役のマーティン・ランドーに
すっごーーーく惹かれる。
保安官も医者も犬を連れた老人も
映画館のおばちゃんもいいけど、
映画とジャズをこよなく愛す映画館で再び働く
黒人の俳優さんも表情もさりげなく年輪を感じて
たまらなくよかった。
ストーリーの詳細は観てのお楽しみに!(*^_^*)
私も何か1つ自分自身にエッセンスが欲しい。(^_^;)


トップへ戻る  シネマ目次へ