’99・アメリカ 監督:ウェス・クレイヴン/脚本:パメラ・グレイ/ 出演:メリル・ストリープ/アンジェラ・バセット/グロリア・エステファン/ エイダン・クイン/他 バイオリンと音楽教育を学んだ女性が、20代後半で幼い息子2人を抱えて離婚。 辛いけど、それを機に、ヴァイオリン教師の素質を開き、 ニューヨーク・イースト・ハーレムの公立小学校で、 厳しくも熱心な教師として成長していくお話。 見終わって一番感動したこと。 それは何よりも子どもたちに向けたこのタイトル。 「ミュージック・オブ・ハート」.... 子どもにエネルギーを注ぐって、やっぱり最高! であると同時に、全勢力でぶつかる強い信念!のあったかさ。 現在進行中の実話であることと、丹念な脚本もあって、 真に迫るものがありました。 この先生の厳しさは、この先生の持ち味だって見抜いて、 ヴァイオリンのマスターに取り組む子ども達の顔が素敵です。 決して恵まれていない環境を日常から肌で感じつつ、 だからこそ、何かを獲得して昇華させたい気持ちが下地にある。 ロベルタ先生の 「決して諦めてはダメ。努力すれば弾けるようになる。音楽はハート。」を信じ、 課外授業といえどもいつしか熱心にのめり込む。 その子ども達自身の内部エネルギーとねばりと、 そのはにかんだ笑顔がずっしり響いてくる作品です。 それと、彼女自身の子ども達。 いきなりハーレムで生活していくことを選んだ母と共に、 ヴァイオリンや音楽を放り出すことなく、母の選んだ人生と自分たちの生を共存させて 成長していることがすごい。 ヴァイオリン教室が歩み始めた十年後、 ニューヨーク市からの予算カットで継続が打ち切りになることに。 「私は断固戦う!」とチャリティー活動を音楽家達に要望しながら、 たくさんの賛同者に巡り会っていく。 生ぬるく生きてきたσ(^_^)には 近寄りがたい程強く激しい信念の人を、 メリル・ストリープが、真迫の演技で、過剰になることなく、 「正規の授業と同じくらい、この音楽課外授業の大切さ」の啓蒙にすべてを賭ける ロベルタ先生を好演しています。 2〜3日前の新聞に、たまたまこのロベルタ先生のインタビューが載っていました。 自分の人生がハリウッド映画になることに抵抗はあったけど、 ハーレム地区で自信を持てずに育っている子ども達に、 音楽(ヴァイオリン)が大変な力(忍耐力、達成感)になっている事実を 知ってもらえたら.......。
(’96/豪) 監督&脚本:グレーム・ラティガン/制作脚本:デビット・ジャイルス/ 出演:ジャック・トンプソン/ジャクリーン・マッケンジー/ナオミ・ワッツ/ フィリップ・ホルダー/ゾエ・バートラム/エデン・ジレット/ スザンヌ・コール/ 実話をもとにつくられた映画=大人のラブ・ストーリー。 海の色、海岸線、波、空、島.............。 映像のアングルや色がとっても綺麗!!で、まず引き込まれる。 エマ役のジャクリーンさんの笑顔と麦藁?帽子が無垢な感じを醸し出す。 お腹の出たふてぶてしくも見える中年男、ハリーがエマの恋人。 エマ達を含む、3組の魅力的なカップルは西オーストラリアの美しい孤島= ロットネス島に遊びにやってきた。 ハリーはこの週末に、この美しい島でエマと結婚式を挙げるつもりだという。 しかし、島近くの町の牧師や教会に頼みに行っても、 古いしきたりや宗派の違いもあって 結婚を執り行う手続きに8週もかかるという。 いらつき待てないというハリー。 船の船長役で来た親友に 結婚の儀式を執り行う牧師代わりを頼むハリー。 その焦りが何故なのか、エマの告白で解る。 エマが悪性の癌に冒されていたのだ。。。 どうしても結婚式を挙げたい。 そして、遺していかねばならぬハリーをみんなに託し、 決して病気に負けないで闘うと宣言する。 ショックを受けた仲間は手分けしあちこち電話をして準備を始める。 みんなの喧騒を後目に 底が見えるほど美しい海にぽっかり浮かぶエマの美しさ。 砂のお城を一人つくるエマの静けさ...........。 そして何より、ふてぶてしく見えたはずのハリーの深い慈愛の顔。 悲しみの顔。喜びの顔。 怒りを抑えた笑顔がとっても、とても!ステキでした。 6人で挙げた厳かな儀式。 「波のように穏やかに。星空のように穏やかに。大地のように、 大気のように穏やかに。 キリストと共に穏やかに結婚の儀はつつがなく執り行えた」 こう言った、実はエマに惚れていたらしい船長役の友人の真摯な言葉が 胸に浸みる。。。 ワインを傾けながら、どこまでも心静かに楽しめる作品です。 ![]()
監督:アン・リー/脚色:ジェームズ・シェイマス/ワン・ホエリン/ツァイ・クォジュン/ アクション監督:ユエン・ウーピン/ 出演:チョウ・ユンファ/ミシェル・ヨー/チャン・ツィイー/チャン・チェン/ ラン・シャン/チェン・ペイペイ/他 古典中国武道の世界を美しい映像と、剛でありながらかつ、 しなやかで華麗なアクションで魅せ、 苦悩と忍のラブロマンスをミックスさせた娯楽大作です。 中国版ハリウッド映画って雰囲気かな? かっこいいチョウ・ユンファの理想の武道剣士と、 強くてしなやかな世代の違う二人の女剣士の 魅力が、古代中国の階級社会の中でのロマンとなって描かれている感じです。 なんといってもいきなり 建物の壁や屋根や空中をササッと滑るようになめらかにかけ昇ったり かけ下るチョウ・ユンファとミシェル・ヨーの日本の忍者よりしなやかな感じに吃驚! そして、しなう竹笹の上を滑るように動きながらリアルな剣さばきで戦う チョウ・ユンファとチャン・ツィイーの姿にも中国的な美しさを感じた。 圧巻で爽快だったのはミシェル・ヨーとチャン・ツィイーの女二人の 強くたくましくそれでいて繊細な剣の立ち回り・戦いのシーーン。 全然なよなよしたところが無く、かっこよく、 思わず嬉しくて心の中で拍手していました。 イェン(チャン・ツィイー)の家庭教師で、 実は師を殺しその身を偽って生きていた中年女。 憎しみを持った剣使いをイェンの密かに教え、自分の剣の跡継ぎに育てようとした 悪女役のチェン・ペイペイにも惹かれる悲哀感がありました。 ストーリーはアクションに目を奪われ、ちょっと解らない部分もありましたが、 まぁ、武術の鍛錬の世界に生き、修行していたチョウ・ユンファがその世界を捨て 殺された親友の恋人だったミシェル・ヨーとの愛を選ぼうとし、 「グリーンデスティニー」と呼ばれる名剣を預けたら いたずら心、好奇心の若いチャン・ツィイーに盗まれ、彼女の家庭教師だったおんなが 師の暗殺者でもあった......... チャン・ツィイーにも若い恋人が居たがもう彼らの恋は 忍ぶようなものではなく、果敢に困難に立ち向かいがむしゃらに 立ち向かう。それを助け、チョウ・ユンファらは彼ららしい哀しい愛を成就する。 そんなようなお話です。 |