閑 話…Z  
「わたしはまじめ」
・・・・・

ぅん?‥タイトル見てブッ!っと 吹き出しているのは
 だ・あ・れ?(^^;)
「まじめ」‥ これって「つまらない」なって思う部分もあるけど
自分の「あ○」さを補うのに
一番やっぱり必要なのは誠実であること‥。
私にはそれしかないかな〜って納得している。

さてその私が今一番恋しているのは「宮沢賢治」

(きっかけは ひょんな事から参加した とあるグループ主催の
「宗教学者・笠原良光先生」による文学講座に出たことから‥)

ちょっとずつ作品を読みながらその人となりに
入り込んでみたいなって思ってます。
全集を買えばよいのですが私には難解な言葉(語彙の意味・使い方)が多く
中途で投げだしたらもったいないので
とりあえずwebの青空文庫から無料作品をダウンロードーして、
エキスバンドブック(本のかたちの縦書き)も無料ダウンロードして
ちょこちょこ読んでいる。

なんと、宮沢賢治は140編もの童話を書き残しているそうだ。

生前、賢治の弟(清六さん)が「何故童話を?」と尋ねたところ、
賢治は「わらしをつくる代わりに書いた」と答えたとか。

この答えの通り、賢治は37歳で亡くなる(結核のため)まで
生涯独身でした。
生前、
「体内から精液を1滴も漏らさなかった者は
世界に 自分と あと2人しかいない」と言ったとかいう伝説も残っているらしい。

これって伝説として考えてもすごい。
「清貧と豪奢とは両立せず いい芸術と恋の勝利は一緒に来ない」と言い切ってるように
最初から悩むことなく恋は切り捨てていた?感もある。

だから宇宙や自然と魂の交歓ができたもかもしれない。

恋に悩み文学の肥やしにした詩人や文人が多かった中、
やはり異色ですね。

彼の書いた「農民芸術概論」もやっぱりすごい。
これはある農学校で頼まれた講演のために書かれたらしいのですが
彼はこの考えのまとめと実践のために生きたように思う。

「世界が全体幸福にならないうちは個人の幸福はありえない。…正しく強く生きるとは
銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである。…」

「こういう人に 自分の残り香(華?)をもって
架空の世界で すり寄ってみたい!(笑;;)」

あの有名な「アメニモマケズ…」から連想する「聖人賢者」のイメージで
食わず嫌いの「賢治嫌い」の人も多いようですが、
(実は私もちょっとそうでした‥というほど たいして本を読んでいないけど‥)
実はすごいやつ、変なやつ。
四六時中脳の皺と口(しゃべり)を使っていた人らしい。
岩手の田畑と山の中を始終熱にあえぐ体で歩き回りながら
首からぶら下げた
(あるいはズボンのポケットの中か‥)メモ手帳に
いつも何かを書き付けている賢治だったらしい。

「アメニモマケズ」も いつも発熱し死期を意識している人の 
生への願いをも込めた詩
(彼は決して”詩”とはいわず、”心象スケッチ”といったそうだ)
とわかって読むと
又違った味わいだ。

彼は死ぬまで熱心な法華教信者でありそれを抜きに彼を語れないけれど
多くの人が彼の作品=「農民芸術概論、春と修羅(心象スケッチ)、童話、文語詩」等に
惹かれるのは
大正時代を彩った西洋直輸入の思想と違う、そして、
法華教の教えも超えた独自の世界観(森羅万象への想い)があるから。
混沌とした今の世界観にヒントがある気がするから。
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                一九二六、五、二、
陽が照って鳥が啼き
あちこちの楢の林もけむるとき
おれは
ひらかうとすると壊れた玩具の弾条(ぜんまい)のやうに
ぎちぎちと鳴る 汚い掌を
これから一生もつことになるのか
                        *(春と修羅・三集から)
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まじめでなければとても森羅万象と繋がれないよね。
これから少しずつ重箱の隅を探るように
密かに「か・れ」への恋心を磨こうと思ってるのだけれど?‥。
                  (2003.5.31・記)

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