閑 話…W  

その7話落ち着く場所は?

 宇治散策 (with hus.)
京阪宇治線・三室戸駅で降り、まずは1キロほど東の三室戸寺から。
観光時期には季節はずれ、
梅は少し咲いているものの、
境内いっぱいの紫陽花やハスの花すべてが 先の季節待ちということもあって
札所参りの信者の人を除き、ヒヨドリや雀の鳴き声しか聞こえない静けさ。
やっぱり私も 内緒のお願い事をしての 各賽銭箱めぐり。
特に行き先を決めず、ぶらぶら住宅街の中を歩く。
人が住んでいないかのように、物音ひとつしない新興住宅地。
カラフルな壁の色が積み木のようにも感じる。


源氏物語ミュージアムを通り過ぎ、
川沿いに近くなるほど旧家が多くなり、茶房ののれんがあちこち、
ひらひらゆったりはためいている。
おっ、さすが宇治。
抹茶アイス、抹茶ソフト、抹茶ぜんざいがいっぱいだ。
誘惑を流し目で通り過ぎ、宇治川中州の塔ノ島にかかる 朝霧橋を渡る。



朱色の橋、大きく静かな川の流れ、緑の山。
残念ながらかっこよくここで 源氏物語の句は浮かばないけど、
胸一杯の息を吸い込みながらふぅ〜、いいな〜、やっぱり東京より
ここがいいわ。(笑)
好景気の頃、宴会で入ったことのある鉄板焼きの料理屋が
まだ健在で頑張っていたので 昼食のコースをサンテミリオンのハーフボトルと
一緒に注文。
ラストオーダ−に近い時間だったので客もなくここも静かだ。
何処も一緒だが、客足の悪さは去年より更に今年の方がきついとおっしゃっていた。
客もシェフもオーナーも 寒風が身に沁みる。
それでもよいもてなしを受け、心地よく、
世界遺産に登録されてからは はじめて行く 平等院へ。


外門と鳳凰殿の入場券


鳳凰殿の木造弥勒菩薩。
上塗りの金箔がかなり剥げ落ち、その端正な顔に950年という月日の流れが重なり
数年前訪れたときより さらに仏顔が 澄んできたように感じた。
帰り道、同じく世界遺産の宇治山神社もお参り、
駅近くの 茶道具・古代藍染裂・趣味の店に入り、
趣味でぼちぼちやってんねん!というおいちゃんに
とっても美味しく温かなほうじ番茶を 古いお茶碗でごちそうになり、
申し訳ないから古代布に包まれた匂い袋を1つ買った。
2003.2.23記

源氏物語和歌より↓
亡きものに身をも人をも思ひつつ棄ててし世をぞさらに捨てつる
(薫と匂宮との狭間で悩み苦しんだ浮舟は、
宇治川に身を投げて自殺をはかる。
助けられて小野の里に住むが、憂き世を捨て出家して詠んだ歌)

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