岡本太郎って凄い人だったんだ!
本との出会いも、
人との出会いと同じでひょんな、偶然のような、
ちょっぴり必然も混じっているような面白さがある。
お盆前、銀行に行った帰り、
本当にただ何気なく覗いた小さな本屋のちょっぴりの時間で
出会ったこの一冊。

カバーの裏側に書かれた紹介文の
「原始からの鼓動に耳を傾け、中世の色彩に心動かされ、
現代世界について深く思考する」って部分に反応して迷わず買った。

開いていった24ページ目の
「イヌクシュク」
何かほんとに大切なものを見せてもらったようで、
おぼろげだけど、自分が出会いたいもの、欲しいものの先にこれがあるって感じ。
幼い頃、毎日触れていた自然の風景、風。
石。道ばたにも家の石垣にも近くの神社にもあった不揃いさ、色具合、手触り。
そんなものに繋がる感覚なのかもしれない。
里山歩きや山岳霊場に惹かれるのもそういうものかもしれない。
イヌクシュク 松藤庄平撮影
*(カナダに見られた不思議な石の積み上げ。生活の中の神聖な像。呪術的役割。守護神)

上手く言えないけど、
太古の人と繋がるようなこのデフォルメにすごく惹かれる。

わかりにくいところはとばしつつ、一気に読んだ岡本哲学。
(幼い頃から芸術家の両親に干渉されず、だからこそ、自分の感性を研ぐことが出来たと思う。
それを根底にフランスで培った抽象芸術、民俗学、哲学。)

フランス留学、徴兵、敗戦をくぐり、高度成長期のほんの入口で
今に深く通じる人間文化の根源の提示そして実践をされていたことを知り、
表面しか知らなかった私はこれを読んで、本当に凄い人だったとつくづく思う。

*(人間の生活はいつも全体であり、ふくらんでいるはずなのに、
その一部だけ引き抜いて形式化して味わうのは白々しい。)
*(儀式があり祭りがあった。歌も踊りも食事も性の営みも....全体が絡み合って
一つの有機体となっている。ものとして残されたものは
その生きた全体のほんの一部なのだ。)

岡本太郎はこういうものを大切にあっためてた人だったのかと、
俄然興味が湧き、

作品と文が一緒に掲載されている↑↑この本もネットで注文、時々大切に眺めている。
写真で見る作品たちだけど
少し理解出来るような気になって(笑;;) ちょっと嬉しい。

*(人間はその数だけ、それぞれ、その姿のまま、
誇らしくなければならない。)

まだまだ知りたい部分のほんの入口に立っただけだけど、
少しずつ、知ることが出来たらこれも楽しみの一つになりそう。
ミーハー気分で、太郎の記念館や美術館にも行ってみたい。
太郎のパートナーであった(戸籍上は養女)岡本敏子さんにも
心の奥で是非出会いたい。

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