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□IT調査の真実□

「18・19歳の98%がネット経験」(読売新聞)

 上の記事は,経済企画庁が主婦連合会に委託して行った消費者意識調査の結果を報じた読売新聞のものです.同様の記事は朝日新聞でも取り上げられていましたが,URLが固定されていなかったために参照不能になってました.

 新聞社は,経済企画庁が記者クラブで発表したから吟味せずに記事にしたと言うところでしょうか.ネット人口は多く見積もっても数千万人クラスですから,まゆつばな数字です.

 そもそも経済企画庁自身ではなくて主婦連合会に委託したあたりで失敗している気がします.7月27日付の日本経済新聞夕刊に「主婦連に規約改正で男性の加入が可能になり,4人が入った」と報じられていました.読売記事でネガティブ面としてとりあげられている「目が悪くなった」,「睡眠不足になった」という点が,どうも浅はかというか,悪い意味での短視眼的な主婦感覚に基づいているようにしか見えません.18歳と19歳しかいないのに10代という分類をすること自体がふざけてます.千人にも満たない調査対象者数でありながら,1999年11月から2000年3月までの5ヶ月も調査期間にかけていて,ITのパイ自体も急拡大している時期に不適切なほど長期間であることが指摘できます.

 まあ,私自身も官庁の委託調査のお先棒をかついだ経験もありますので,お役所仕事としてこのような調査は少なからず行われていることに対して批判できる立場ではないのかも知れません.地方有力者のみへのモニター調査が,さも客観的なアンケート調査結果であるかのような体裁をとることを要求されたら,良心が許しません.おそらく官庁の担当者は十分に分かっていながら体裁を整えることを要求するのでしょう.

 しかし,新聞社は掲載する記事に対して責任を感じて欲しいと思います.まあ,無責任は当たり前で,そんなことを期待するだけ無駄なのかも知れませんが.


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