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□北欧(3)

 調査ばかりが能ではありませんし,せっかく北欧に来ていますから物見高く出歩きます。当然土日にアポは入れられませんし,それ以前に日本発着のフライトを予約したときにすでに航空会社と発着日の選択肢は限られていました。北欧へのフライトは白夜の6月から夏の終わり9月までがピークで,往復20万弱を見込みます。冬場はさすがに極寒の地を訪れる観光客はオーロラツアー以外には見あたりませんので,10万程度になるようです。

 北欧に行くならば,最短飛行時間はフィンエアーです。北極海を横切れば,メルカトル図法の地図で見ているよりずっと早く着きます。正距方位図法の地図で見るとよく分かります。但し,料金があまりお安くないのと日本発着が週2便で曜日指定になってしまう点が難点です。しかし座席数が少ないために早々に売り切れます。スウェーデンやノルウェーに行きたければヘルシンキ経由になるわけです。

 スカンジナビア航空SASも人気のあるキャリアです。デンマーク,スウェーデン,ノルウェーのフラッグキャリア(日本で言うところの日本航空)ですが,コペンハーゲンをハブ空港にしていますので,スウェーデンなどに行こうと思うと必ずコペンハーゲン経由になります。毎日発着という便利さに料金もまあまあリーズナブル,そして顧客サービスがフレンドリーでリピーターが多いキャリアです。当然のように真っ先に席が埋まってしまい,3ヶ月前の予約ですら夏場は通らないかも知れません。

 ロンドンなどに就航している日系の日本航空・全日空などは提携会社とのコードシェアなどを利用して,欧州各都市まで行けるパッケージを出していますので,日本人のサービスが欲しければこのような選択もできます。ちなみに,私はマイレージ絡みで往路フランクフルト経由ストックホルム,復路ロンドン経由で成田という全日空とSASのコンビネーションを利用しました。なお,欧州路線で最後まで席が残っているのは,少々お値段高めで1日に複数便を運行している英国航空(BA)です。

 フィンエアー,SASも含めて欧州系のキャリアは,一般的に北回り便と言われます。まあ欧州直行便という表示がされている格安航空券はこの類です。北回りがあれば,当然南回りがあります。ストックホルムに就航しているのは,タイ国際航空です。夏場でも10万程度という料金が受けて,体力と時間をもてあましている学部学生などはよく利用するようです。バンコクまで約6時間,さらにストックホルムまで約13時間,ここには乗り換え時間は含まれていないというハードさです。関空発では多少乗り継ぎ時間は少ないのですが,成田発で乗り継ごうとすると8時間もあるという過酷さです。これを逆手にとって,バンコクにストップオーバーすれば,一つの旅でアジアもヨーロッパも楽しめるというすばらしさです。

 現地フライトについて現地手配を行ったのですが,ヘルシンキからベルゲンへの移動に飛行機を使おうとするとなかなか安くできませんでした。そのため,ストックホルムを起点に往復する格安運賃を利用しました。ベルゲン往復は土曜日の夜をはさむという週末価格が適用できましたが,ヘルシンキ往復は条件を満たしませんでした。そこで,往路をシリヤラインという夜行フェリーを組み合わせることで,安くなるパッケージを利用できました。もともと6万トン級の豪華客船に乗りたいと思っていただけに,これこそ渡りに船でした。同行者は,私がタイタニック号生存者の子孫と知っていましたので嫌な顔をしていたかなぁ。

 北欧(1)にロンドン・ヒースロー空港のビジネスラウンジで書いていると冒頭に記しましたが,今現在これを書いているのは成田行きの全日空ビジネスクラスClub ANAです。もちろんビジネス料金を払うほどの余裕は研究費でも個人的にもありません。こつこつ3年ほどかけて貯めてきたマイレージが,欧州片道アップグレードできるだけ貯まったのでした。7月のアジア調査では提携のタイ国際航空を利用しましたので,事後登録のマイルが早く積算されないかやきもきしていました。積算分でやっとアップグレードを申し込めたからです。積算されて晴れて電話申し込みしたときには,既にロンドン便は空席待ち状態でした。全日空ビジネスクラスの中でもロンドン便は最も設備が充実しているということでした。出発のチェックイン時にも未だ空席待ち状態のままで,帰国4日前のベルゲンで自分のマイレージ残高を確認して初めてリクエストが通ったことを知りました。待遇も設備も娯楽もやはりビジネスクラスは良いなと思わされました。以前の英国航空オーバーブッキング&ラッキーアップグレード以来のビジネスクラスでした。


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