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□合併−西東京市□

 2001年1月から西東京市となる地域に引っ越しました.

7月末の住民投票で合併の是非が問われましたが,公職選挙ではないためか,選挙人名簿にも載っていないにわか市民でも投票できました.

市の名前候補は5肢択一だったのですが,西東京市が一番上にありました.ほかには北多摩市とかけやき野市,ひばり野市とか.社会調査でのアンケート項目設定では,上の方に来る選択肢が無意味に選ばれるバイアスについて指摘されるところで,投票前から有力候補と目された「西東京市」を一番上にしたのには作為的なものを感じます.

 田無市と保谷市の賛成・反対の比率は保谷市側では圧倒的に賛成票で,田無市側は数千票の差でした.この結果を見ると,保谷市側が強く合併したかったのがわかります.

 私自身は,現在の地方自治体のサイズは小さすぎるという立場から賛成票を入れました.自民党が宣伝カーで合併賛成を呼びかけているのは気に入りませんでしたが...

 保谷市で賛成比率が高かった理由としては,合併メリットが保谷市側に多いことを示していると思います.保谷市は練馬区の西側に位置して農地もまだまだ多く残る,よく言えば緑豊かな,悪く言えば低開発なベッドタウンです.革新市政が少々長めに続いたために福祉サービスは充実している一方で,財政はあまり良くありません.

 田無市は,従来から工場立地や商業地も多く,税収があって歳入は比較的豊かと言えるでしょう.市政はがちがちの保守でしたので,箱もの行政こそすれ,市民サービスにお金をかけることは少なかったようです.

 たいてい,市町村合併によって市民サービスの水準は高い方に合わせるのが一般的ですので,田無市の福祉も充実すると思います.しかし,田無市側からすると湯水のように市民サービスに歳出を割くスタイルを持ち込まれ,これからは財布も一緒と使われるのはたまらないというのが実状かと思われます. #国際基督教大学の某教授は,サービスが低水準に合わせられる懸念をテレビで表明していましたが,そもそも合併のメリットを自治体職員の自然減に求める首長同士の構想ですからあり得ません.

 今回のようなあつれきを避けるためには,ベッドタウンであったとしても地方税収が上げられるように所得税を地方税にして独自財源が持てるような改革が必要かと思われます.今朝の新聞で,加藤税調会長が任期満了で退任し再任を固持しているとの記事がありました.広く緩やかな意味での学閥を考えるなら,私が属しているところの大ボスにあたりますが,健康問題もあっての退任と思います.それ以上に,政府に関係しながら正面切っての行財政改革への批判ができないという不満も一因かと.国税,地方税の関係について,今後は明快な提言がされると思われます.

 私見としては,これまでの政治的な意味合いを排除した上で,道州制の採用が日本の地方自治を活性化させる手段だと考えています.


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