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□GSM海外携帯電話

 2002年7月上旬つまり東南アジア出張に出かける直前のことですが,GSM携帯電話を購入しました。GSMって何?と思われるかも知れません。日本以外の国ではGSMという携帯電話の規格が一般的で,国際ローミングというサービスを受けることができます。正確に言えば,GSMにも使用する周波数の違いから3種類が使われていて,欧州・アジアで2種類,アメリカで1種類となっています。携帯電話の端末によってはデュアルバンド,トライバンド対応ということで,複数の種類に対応しているものが発売されています。

 日本人がGSM携帯電話を使おうと思って利用するときに重要なのは,国際ローミングサービスです。一つの携帯電話端末,一つの電話番号があれば,GSMのネットワークに含まれる国であればどこでも利用することができるサービスです。特定の国にしか行かない人であれば,現地で契約する電話番号を利用すれば良いでしょう。しかし,海外出張の多い日本人は特定の一国よりも様々な国を訪問先にする人が多いように見受けられます。私自身も東南アジアに行けば,2,3カ国ははしごしますし,欧州でも同じことです。飛行機を降りて,携帯電話の端末を入れればすぐに使えるようになる便利さ,そして日本からの連絡を直接受けられる便利さは何にも代え難いものです。

 日本の携帯電話を海外に持っていって使えるサービスもあります。auのやっているcdmaOneなどはアメリカのいくつかの都市,そして香港などで利用できます。但しどこでも使えるGSMの便利さにはとうてい及びません。NTTドコモのやっているWorld Walkerというサービスは,自分の携帯電話にかかってきた通話を海外に持ち出す専用機に転送するというだけです。第三世代携帯と言われるNTTドコモのFOMA,auのCDMA2000などが普及すれば,国際ローミングが可能になるという話ですが,欧州では第三世代携帯電話の運用が始まっていませんし,費用・エリアを含めて問題が山積しています。この話はまた別の機会に。

 箱崎のTCAT内にNokiaの海外携帯電話専門店がオープンしました。ここで3315というモデルを約2万円で購入しました。モノクロ液晶ですし高機能とは言えませんが,日本の携帯電話とはビジネスモデルが違います。通信キャリアと端末メーカとはきっちりと分けられていますから,高いとは言えません。ここではO2という通信キャリアを勧められました。イギリスのNTTにあたるBTの携帯電話会社ですが,本国では後発の日本でもJ-Phoneを傘下におさめたことで有名なVodafoneにしてやられています。O2と契約すると,料金はクレジットカード後払いになり,基本料金無しに電話番号を無期限で保持することができます。携帯電話の料金プランはいくつもありますが,その国の居住者でなければ毎月の基本料+通話料を後払いにすることは困難です。O2の方式は画期的と言えるかも知れません。旅行者などは,プリペイドと言われる料金前払いの契約をすることが多いのです。私はO2の通話料体系がとても高かったので,NokiaのショップでO2を契約しませんでした。

 インターネットで検索を行うと,日本で購入可能なSIMカード(通信キャリアや電話番号の情報が記録されたICチップ)は限られていました。しかも,リチャージという残高追加操作を行わなければ一定期間で電話番号が消滅してしまいますから,その期間が長ければよりよいわけです。そこで見つけたのが,SWISSCOMという会社の日本代理店になっているツナミネットでした。SWISSCOMのSIMは1年間の権利期間がありますので,年に1回海外渡航する人ならば問題ありません。私などはこれに当てはまります。また,残高が無くなってきたときに,ツナミネットはWebページ上からリチャージを注文できたり,代行リチャージするサービスを提供しています。

 7月のカンボジア,ベトナム,タイ,9月のスウェーデン,フィンランド,ノルウェー,乗り継ぎ地のイギリスとフルに活用できました。GSM海外携帯電話の便利さを知ると日本で何故GSMが使えないのだと自分勝手な思いにとらわれてしまいます。

 余談ですが,NokiaのショップでGSM携帯端末を購入したことで,マーケティング調査の対象としてインタビューを受ける機会がありました。NokiaがCEBITなど展示会に出品したことがあり,実際に欧州や米国で発売開始されているモデルの印象を聞かれました。第三世代携帯電話になれば世界中で同じ端末が流通するようになるわけですから,Nokiaとしても日本市場の状況を確認しておきたかったのだと思います。


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