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□欧州出張2

 LondonからFrankfurtへと移動するときに,日本発着+乗り継ぎ2便を使い果たしていたため,格安航空会社を試してみました。欧州では英国航空,ルフトハンザ航空といったフラッグキャリア以外に,低コストを売りにした格安航空会社が台頭しています。ネットで早く予約すれば安く,当日が最も高いという料金設定です。しかし,予約変更手数料が高かったり,返金しなかったりと制約条件も多いので,ビジネス利用では使いにくいかもしれません。

 LondonからFrankfurtというルートでは,Ryanairが選択肢となります。ミュンヘンまで行くのならEasyjetというのもありました。ちなみに,格安航空会社はコストを下げるために着陸料の安いへんぴなところにある空港を利用します。ですから,詐欺的だとの批判もあります。Londonについてもヒースローやガトウィック,ルートンといった市内からアクセスの良い場所ではなく,Stansted(スタンステッド)空港という急行列車で45分所要の郊外になります。Frankfurtについても,Hahn(ハーン)空港という市内から約100km離れた空港です。在独米軍から返還を受けた空軍基地を民間利用にして,Ryanairがハブ空港として使っているそうです。

 予約は1ヶ月前にネットで済ませました。各国語のローカライズ画面はあるのですが,日本語はありませんでした。28日以上前の予約が最安価格のようです。出発時間帯によっても価格が違い,早朝便が安かったです。ちなみに1人2.99GBP≒\580です。信じられない価格ですが,税金やらクレジットカード決済手数料などが含めると1人当たり\3500くらいになります。それでもルフトハンザ航空のレジャー価格でさえ\15000くらいすることを考えれば,驚くべき安さです。返金しない規定があるせいか,予約してからすぐにカード決済の引き落としがありました。

 予約コードの表示を印刷して,パスポートなど写真付きIDとともにカウンターで提示すれば乗れます。しかもPriority Seatingというシステムを採用しており,つまり自由席です。しかし,格安航空会社の中でRyanairのみがリコンファームを必要としています。72時間前から24時間前までに電話しなければなりません。実際にLondonに移動するためにいたArlanda空港で電話したのですが,結構やっかいでした。予約コードはアルファベットの組み合わせなのですが,AppleのA,BananaのBのように言えとのことであえなくギブアップでした。ネイティブや英語圏で生活していればともかくも無理です。とっさに電話口では出てきません。結局,連絡先電話番号とフライトナンバーで照会してもらいました。

 Londonのホテルを午前4時半にチェックアウトし,Paddington駅からタクシーでLiverpool Street駅に向かいました。空港までのStansted ExpressはLiverpool Street駅発なのですが,地下鉄の始発は5時13分ということでタクシーになりました。5時半発の列車に乗ろうと思ったのですが,5時発に間に合ってしまったので,ラッキーということで飛び乗りました。タクシー料金が20GBP,急行料金が13GBPでした。

 早朝のStansted空港は混み混みでした。Ryanair以外にもEasyjet他の格安航空会社がベースとして使っているためです。Ryanairを使うときに注意しなければならないのは,預ける手荷物の制限が15kgになっていることです。通常の国際線であれば20kgですから,5kg分については超過料金の対象にされる恐れがあるのです。ルフトハンザ航空の料金に比べれば超過料金を払っても割安という考え方もあります。ちなみにRyanairはやたらとルフトハンザ航空をプロモーションで挑発しています。サッカーワールドカップのときにも,ドイツチームが勝ったら一日全便無料とか,いろいろやっています。なお,Ryanairの年間旅客数は,英国航空をしのぐ英国一までに成長しています。

 チェックインが済むと出国審査を通り,ゲートまで進みます。63番だったか68番だったかの先着番号を持っている人が先に機内に案内されて座ります。その後,残りの番号の人が座る仕組みです。機内サービスは基本的に有料ですが,皆が飲み物・食料を持ち込んでいるので,売り子は誰も買わないと決めつけるかのような速さでカートを押していきます。

 安さを追求した高速移動ということでは,格安航空会社を選択できるメリットは十分にあります。真似して日本で運航しているスカイマークエアラインズ,エアドゥ,スカイネットエイジア等が成功しているとは言い難い状況は,規制の多い日本ならではの現象なのかもしれません。思い切った格安料金を提示できないのは,保安を理由にした規制の数々に寄っているのでしょうから。


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