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交通取り締まり
交通取り締まりにまつわる話を3題。
○原付への取り締まり
原付免許を取得したのは高校を卒業してすぐの18歳,大学受験浪人中の頃です。予備校にも通わずにいた私は身分証明のつもりくらいでとったのでした。手段と目的が入れ替わることくらいよくあることで,肉体労働のアルバイトをして貯めた二十数万円をミッション付き50cc(普通の単車のようなスタイルの原付)に注ぎ込んで乗り回していました。
原付というのは戦後直後の自転車にモーターがついただけのものが元祖で,その頃から交通法規は変わっていませんから30Km/hという法定速度があります。他のクルマが60Km/hであろうとも30Km/hで走れという規則です。今の原付の性能は60Km/hでリミッターを作動させなければもっと出てしまうくらいのもので,時代が変わったと言えるでしょう。しかもずいぶん前になりますが,中高速車の区別が無くなったように技術的向上を理由に速度規制が緩和された例はいくつもあります。
私が交通取り締まりに遭遇したのは60Km/h道路を59Km/hで走行して29Km/h超過,そして転回禁止場所でのUターンの2回です。ちなみに普通自動車免許を取得したのは修士修了が決まってからのことで,教習所がサービスで取得してくれたSDカードには,直近の違反歴として7年前の日付が記されていました。7年間無違反だったのですから,自動車は若葉マークでありながらゴールド免許,SDカードも10年間無事故無違反のゴールドに次ぐシルバーでした。まあ,原付時代に死角に飛び込んでくる白バイのやり口を覚えたせいか,無違反運転というか非検挙運転のテクニックは身に付きました。
○白バイ待ち伏せポイント
西武新宿線の上石神井-上井草間の踏切に時間規制で右折禁止があります。8〜20時はどちら側から来ても踏切を渡ってすぐに右折できないことになっています。実は富士街道という旧街道筋がその右折をしなければつながらない仕組みになっていて,私の持っているカーナビも右折するようにルート案内します。交通量が多くなるときには右折待ちの停車があると流れが滞るので規制の合理性も無いわけではありません。
ただ,このポイントが白バイの待ち伏せポイントになっていることが多々あります。毎日かと思うくらいです。点数稼ぎの取り締まりのために待ち伏せているので,近くの空き地や右折後の数十m先のパーキングメータスペースなどにいるのが,地元民にはよく知られています。交通安全を目的に右折停車を止めさせるなら交通整理にたてば良いことです。どうせずっとカモを待っているくらいなら。
先日,このポイントからカモの追跡を開始し速度違反でも検挙しようとした白バイが,高齢の歩行者をはねるという事故を起こしました。40Km/hの速度制限のところではありますが,道路の両側は枝道もほとんどなく,鉄道用地とゴルフセンターで歩行者もまばらなところです。速度違反取り締まりの必然性さえないところです。新聞記事では,近所の商店主のコメントとして「いつか(白バイが)やるんじゃないかと思っていた」と載せています。私がその次の週末にここを通りかかったとき,あきれたことに同じやり方で3台の白バイがまた待ち伏せ作戦を実行していました。
○覆面パトカー
自動車免許をとって初めてレンタカーを借りて関越道を走っていたときのことです。真横の追い越し車線をフェンダーミラーの白いセダンが抜いていきました。中には青い制服を着た男性が2人乗っています。よく見れば,ホイールもカバーも何もない鉄ホイールです。これが覆面パトカーで,検挙するときにはいきなり赤色灯が屋根の上にせり上がり,サイレンが鳴る仕組みになっています。
覆面パトカーはおおよそクラウンやセドリックあたりのセダンが使われることが多いようですが,高速道路ではスカイラインやソアラ,はたまた外車まであるようです。夜間などは見分けにくいと思います。しかし,昼間ならば一定の注意力で気づくことができます。何となく違和感のあるクルマなのです。フェンダーミラーしかり,鉄ホイールしかりです。車列にまぎれているか,追い越し車線を爆走してくるかといったパターンが多いので,そういった車両に注意を払えば捕まることは無いでしょう。
自宅から藤沢に向かうときにクルマを使うと,東名高速道もしくは第三京浜経由横浜新道が多い経路です。先日,第三京浜で終点の保土ヶ谷ICの手前で覆面パトカーが3車線の真ん中を走っているのを見つけました。私は追い越し車線を制限速度+αで進行していましたので,その数台先で走行車線に戻りました。周囲のクルマは大体気づいているようで,なんとなくぎくしゃくした動きをしていました。そうです,覆面パトカーがいると交通の流れが不自然になるのです。そんな状況だったのに,何も気にしないハイラックスサーフが追い越し車線を飛ばしていき,当然のように覆面パトカーは後ろに張り付きます。かわいそうにと思う間もなく赤色灯が回って,料金所の手前で検挙されていました。
もう亡くなった元警察官の祖父が言っていたことですが,今の交通警察はノルマ主義に走っていて市民から憎まれる存在になっている。本当の交通安全も実現できていないし,その他の刑事警察の活動にも市民の協力が得られにくくなっている現状は直す必要があるとのことでした。刑法犯の検挙率低下は全部つながっているのです。
4/5追記
未確認情報ながら,上記○白バイ待ち伏せポイントで書いた高齢の歩行者は亡くなられたそうで,しかも最初に救急車で搬送されたのは白バイ警官の方だったとのこと。