結果的に福とならなかったトラブルとしては，2000年ストックホルム滞在中の盗難があります．

盗難

　レンタカーを国鉄中央駅前で借りて，さあ荷物を積み込んで出発というときに，手から離れていたショルダーバックを置き引きされました．手口があまりにも鮮やかで，どの方向に逃げていったのかさえわかりませんでした．もちろん，私の不注意というか気のゆるみが原因で，ストックホルムの治安が悪いわけでは全くない．ヨーロッパの中では日本と変わらないくらい安全な生活環境です．

　国際運転免許証が入っていたことで，レンタカーはキャンセルしました．大きな痛手は2つでした．パスポートとノートPCです．

　警察で盗難証明を出してもらってから日本大使館に再発行申請をしました．物々しい警備のアメリカ大使館の隣にある日本大使館はこぢんまりとしていました．ガイドブックには，パスポートの再発行に1週間以上かかるという脅し文句があり，旅程で3日後に予定していたイギリスはキャンセルかと落胆しました．しかし，手続きをするとうまくいけば出国予定の週明け月曜日に再発行できるかもしれないと言われて期待しました．

　この再発行申請手続きをすべて済ませて，夜日本から合流の妻を迎えに空港まで行きました．市内に向かうタクシーの中でことの顛末を話すと，当然のことながら驚いていましたが，その晩の私は妙に落ち着いていたらしいです．開き直っていたのかもしれませんが，打つ手は打ったわけですから，そんなものです．

　運命の月曜日，日本大使館に連絡を取るとOKの知らせに安堵しました．実質的には2日で再発行してもらえたことになります．金曜日の午後に紛失したので，日本は営業終了で，日本時間の月曜日に処理したものがストックホルム時間の月曜日に手続きできたというわけです．そんなわけで，私のパスポートはEmbassy of Japan in Swedenの発行になっています．

　ノートPCは，うかつにも1ヶ月分のデータがバックアップしていなかったため，影響が各方面にありました．しかし，警察に通報してくれたレンタカー屋の女性従業員や処理してくれた警察官等の心遣いには慰められた．大変感謝しています．