市政フォーラム「今考えよう学校給食」〜学校給食の改善と民間委託を考える
2000年2月25日(金)、岡山市勤労者福祉センター

 パネラー  長 尾 榮二郎 氏(岡山市教育委員会教育次長)       
         山 本 義 治 氏(興除中学校PTA役員)       
         谷 殿 茂 明 氏(全教八尾執行委員・八尾市立用和小学校教諭)       
         服 部 一 美 氏(岡山市立小学校栄養士)
 主  催   豊かな学校給食をめざす市民運動実行委員会
         岡山市の学校給食をみんなで良くする会
         県労おかやま
         岡山市職員労働組合


開会挨拶
長尾教育次長の報告
興除中山本PTA会長の報告
谷殿八尾市立用和小教諭の報告
服部岡山市立内山下小栄養士の報告
会場からの発言
まとめの発言

○司会
 「今考えよう学校給食」と題しましてフォーラムを始めさせていただきます。
 今日のこのフォーラムの司会進行を担当させていただきます市職労の副委員長の花田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 今日は本当に朝早くからさまざまな行動をされた方も含めまして、日中のお仕事でお疲れの後、このフォーラムに駆けつけていただき、ありがとうございました。岡山市では学校給食のことが市民の皆様の間でも大きな関心事となっていると思います。今日はしっかりいろんなご意見を出していただいて、みんなで語り合いたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、早速ではございますが、主催者を代表いたしまして岡山市職労の長ア委員長からあいさつを申し上げます。よろしくお願いします。

長ア
 こんばんは。大変お忙しい中、ご参加をいただきましてありがとうございます。
 また、今日4人の先生方にはご報告をお願いするということでご無理を申しました。ありがとうございます、よろしくお願いいたします。
 最初に、お詫びといいますかお礼といいますか、申し上げます。岡山市の学校給食を子どもたちのためにということで、私ども岡山市の学校給食関係者が努力をしてきたわけですけれども、残念ながら幾つかの不十分さも残す中で、今日大変学校給食のありようについての議論がなされています。そうした中で大変なご心配をおかけしており、申しわけなく思うし、特にたくさんの応援をしていただいていることに対しても心から、最初にまずお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
 さて今、学校給食を考えていくときに、まず第1に何よりも大事なことは子どもたちの食の問題が今どうなっているのか、家庭での食はどうなっているのかというものを考えたときに、今率直に言って大変危機的な状況にあります。このことは多分どなたもご異論のないとこであろうかと思います。そして、まさに心と栄養のゆきとどいた給食を食べるとともに、日本の食文化をしっかりと子どもたちが学び継承していく、子どもたちの成長の豊かな過程に食というものがあることを伝えていくという意味での学校給食の役割というのは大事になっていると思うわけです。
 そこで、2番目の問題としてはそういう今の子どもの育ちを含めて食の問題が大変な中で、じゃあ岡山市の学校給食はどうなのかということでいうと、私は制度としては大変充実をしているけれども、内容面では幾つかの不十分さを残したというふうに言わざるを得ないと思うんです。全校に栄養士が配置をされ、ほとんどが単独校で学校給食をし、そして小学校、中学校ともに給食をやってるという点でいえば、まさに全国に誇れる制度なのです。問題は、その中身がどうなのかというのが今問われてると思うんですが、その点では幾つかの不十分さを残していると言わざるを得ません。全校に栄養士がいながら、統一献立で単独校で献立が立てられていない。また、そのこととの関連で地域における食材などというものも使用されない。また、例えば子どもたちのアレルギーの問題が大変だ言われている中で、一人ひとりの子どもたちのアレルギーの実態調査すらない。したがってそこから除去食というふうなことに至っていないなどなど幾つかの不十分さを、努力はしてきたんだけども、残してきたというふうに言わざるを得ないと私は思います。
 3番目は、同時にもう一つ今言われてることの中で、例えば職員の働きぶりの問題でも三期休暇の問題などの過ごし方で、確かに出勤して仕事はしているわけですが、研修や学校給食施設などの掃除も含めていろいろやってるんだけれども、じゃあ学校給食をつくってない時間は本当にどうしてるんだという点で、本人ご参加の皆さんを含めて合意形成ができるような努力をしてきたかというと、やっぱり不十分さを残してきたのではないかと思っています。
 問題は、こういう中で今岡山市の学校給食の懇談会の方から、また市教委の方から民間委託試行であるとかPTAへの委託試行というようなことが出され、その根底は5年間で20億円を削減する、つまり同じ食なら安い方がいいんだ、その製造原価を下げる方がいいんだという懇談会の議論が出されていることだと思うんです。私どもは、単に1食の弁当というふうなことで考えるならそれは安い方がいいけれども、ではその学校給食の担い手たちにどういう役割を担わせるのか、そこを私はとらえてほしいと思うんです。
 そういう意味でいうと、今私どもがしなければならないことは3つだと思うんです。1つは、岡山市の学校給食を制度として全国の先進のものを、内容的にも全国に誇れる学校給食をつくっていく。2つ目は確かに学校給食の単価というのは、それは下げた方がいい部分もあるわけですから、学校給食の単価の引き下げについても努力をする。そして3番目は本当にそういうことを市民と職員が一緒になって作り上げていく、これからも豊かな学校給食ができる方向を作っていくことが大事だろうと思っています。
 今私どもは懇談会ができて市民の皆さんがいろんなことをご議論していただいていることを嬉しく思っています。今日でもこれだけたくさんの方がご来場いただいたというのは、岡山市の学校給食を良くすることができる、私はある意味では最後のチャンスではないのかとすら考えています。21世紀に向かって今この時にみんなが声を合わせたら、岡山市の学校給食は飛躍的に良くできる、つまり経費もそれなりに下げながらしかも内容的にも十分充実したものができると思っています。その方向をどう作り上げていくのか、そのことが今私どもにとって問われてるのではないのかと思います。
 先ほど申し上げた弱点を克服して、それぞれの学校で献立を立てていく。そして地域の食材なども十分利用していく。そして食器についても2つだけに限定をしないで、必要な食器についてはその献立との関係では使っていく。そしてそういう学校給食の運営に当たってはPTAの方についても運営に参加をしていただく。そして地域での食の問題で言えば、例えば休耕田を使ってお年寄りの方々に野菜などを作っていただいて、その収集体制も確立して、学校給食の食材に使っていく。独り暮らしのお年寄りのために給食サービスのためのお弁当も作る。一方では空き教室なども利用して地域のひとり暮らしの方などに来ていただいて「レストラン」を開催をする。そしてアレルギーの問題では実態調査をして除去食もやるし、同時にそのことを通して学校給食の関係職員がその専門的な知識を発揮して父母の方々とご一緒に子どもの食の問題を考えていく。もっともっと地域の食の豊かさのためにも、公民館や学校給食の現場を使って父母の方へ、日本の伝統食などについても継承して発展をしていくような方向でご一緒に学び考える。そういうことをもしやられたら、それは子どもたちの何よりも大切な食の問題で豊かになると同時に地域が豊かになる。学校給食というものをキーワードにしながら、私は岡山市というまちが豊かになっていくんではないのか、そんなふうに考えています。
 そう考えるときに、私は今の時期に民間委託がいいのか悪いのかという議論ではなくて、どういう学校給食を私どもが作っていくのか、その場合それが民間業者の方でできるのかということだと思うんです。私たちは安くするということはもちろんその努力をしなければなりませんし、そのためにも努力をしたいと思います。同時に問題はやっぱり何よりも大事な子どもたちのために豊かな学校給食を作るということ。そして学校給食、食と言うものをキーワードにしながらその地域でも食の専門家としての役割を果たすようにしていくなら、私は岡山というまちはすばらしいまちになっていくんではないのか、それを今やらなければいけないと思うんです。
 私は何度か申し上げていると思いますが、これだけ学校給食に関心が高まっているこの時期は、ある意味では最後のチャンスだろうと思ってるんです。今日お見えをいただいた、とりわけ市民の方々にお願いしたいのですが、遠慮なく岡山市の学校給食にこうしてほしいという声を出していただく。そして職員の側もしっかり受けとめていただく。そして市民と職員とそして行政が力を合わせて、この時期に新しい学校給食を作ろうではありませんか。21世紀というのは単に時代が変わるというだけではなくて、その中身が変わっていく。岡山市の行政の一つ一つが問い直されて、新しい子どもたちのための学校給食ができていく。そんな時代にならなきゃいけないと思うんです。そういう意味で、今日これだけたくさんの方がお集まりいただいたということは私ども大変力強うございますし、先ほどお願いしたようにたくさんの声を出していただいて、その声を力にしながら、本当に学校給食を良くするために私どもも精いっぱい頑張っていきたいと考えます。そうした決意も少しだけ申し上げまして、きょうのこのフォーラムの開催に当たりましてのごあいさつとさせていただきます。
 どうかひとつ、大変ご迷惑をかけて申しわけございませんが、何とぞお力添え、そしてご指導ご支援を心からお願いを申し上げましてごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。 ○司会  ありがとうございました。 ただいま長崎岡山市職労委員長からごあいさつを申し上げました。大体きょうのフォーラムのあり方といいますか、趣旨といいますか、そういうようになったらいいなというようなことも感じていただいたのではないかと思いますが、委員長のごあいさつの趣旨を受けた中から、きょうのフォーラムで岡山市の学校給食についてしっかりと話し合っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、これから前にいらっしゃる4名の方からまず最初に10分から15分程度のご報告をいただいて、そしてその後会場の皆さんと一緒に話し合っていく形で進めたいと思います。皆さん方のお手元にホッチキスでとめた資料、それから今日の日程等を書いたものがありますので、それらをご覧いただきながら報告を聞いていただき、皆さん方の忌憚のないご意見をまた後で出していただきたいと思います。
 それでは、報告者の方を最初にご紹介をし、順次ご報告をお願いしたいと思います。
 最初に岡山市教育委員会の長尾教育次長でございます。そして、そのお隣が興除中学校のPTA会長をされています山本さんです。よろしくお願いします。そして、そのお隣が、きょうはちょっと遠いところをご無理を言って来ていただきました、大阪の八尾というところがあるんですが、全教の八尾で執行委員をされ、八尾市立用和小学校の教員をされています谷殿さんです。よろしくお願いします。そして、最後になりますが、岡山市の内山下小学校で栄養士をし、市職員労働組合の役員もしています服部さんです。
 それでは、順次ご報告をお願いいたします。最初は、教育委員会の長尾次長さんの方からお手元に書いてありますように中間報告の内容とか、あるいはその後の岡山市の取り組みなどを少し触れながら紹介をしていただけると思いますけれど、どのようにしていこうと考えているのかなどのご報告をお願いします。では、よろしくお願いします。

長尾
 こんばんは。ただいまご紹介いただきました教育委員会の長尾でございます。よろしくお願いいたします。今日は寒さが少し和らいだといいましても、寒い中を大勢の方ご苦労さまでございます。それでは、早速審議会の中間報告の概要とこれからの取り組みにつきまして簡単にご紹介させていただきます。
 昨年の2月議会のころから学校給食の見直しの議論が始まりまして、岡山市議会で市長が議会の答弁の中で総合的な見直しを行うということが言われました。その主な理由といたしましては、市の財政的な状況が非常に厳しい中で教育費の年間250億円程度の、その5分の1ないし6分の1に当たる約40億円余を市が負担している。いわゆる公費負担部分であるということで、またその半分以上が人件費で占められていることがしきりに言われ始めまして、見直しに真剣に取り組むことが始まったわけでございます。
 一方、市長の口からもあらゆる場所で、市庁舎の地下の食堂が民間で運営されているわけですけども、昼定食が400円、そこが学校給食が当時710円ということで、710円は高過ぎるということをあちこちで市長が話をすることが多くなりました。そういったことから、昨年の6月定例市議会で岡山市学校給食運営審議会の条例を作っていただきました。この審議会は教育委員会の諮問機関として設置されたもので、20人の学識経験者、それから経済界、学校関係者、PTAの代表の方、それから組合の代表者などで構成され、その20人が10人ずつの第1部会と第2部会に分かれまして、健康教育、安全衛生などを議題とした第1部会と、それから効率的運営を中心の議題にしました第2部会で集中的に審議をすることとなりました。
 今年の秋までの期間としましては、昨年8月5日にスタートし、審議は年末までに土曜、日曜、祭日も行い、計10回に及びました。その状況を市民の方々にできるだけ多く理解していただくために会議はもちろん公開としましたが、会議録や資料をインターネットのホームページで掲載し、市民の方にもその議論の状況を見ていただくということにしました。この審議会の大きな論点といたしましては、今の飽食の時代と言われる今日、給食制度の開始当時と社会環境が大きく変化した中で学校給食の役割は終わったという指摘もあります。一方でまた今日的背景の中でさまざまな新たな課題が出てきていることで、学校給食の存廃の審議が行われ、健康作りや食文化について基礎的な知識を身につけたり、集団生活のマナーやルールを取得するという教育的意義は依然として大きなものがあるという認識に至りました。
 これまでも岡山市の学校給食は幾つかの改善や見直しを行ってきたところでございますけれども、社会的要請との格差が生じまして運営方法そのものに制度疲労が来たしていると言わざるを得ないという意見が多く出ました。第1部会の観点から言うと、健康教育の観点や安全管理、衛生管理面からの今後の学校給食のあり方について検討する必要があるとの指摘がありました。第2部会では、教育予算全体の5分の1から6分の1を占める学校給食に係る公費負担を何とか縮減できないものか、そのために現在の給食の質を確保するという前提のもとで、効率的運営がどこまで可能かなどを総合的に検討する必要があることなどが論議になりました。
 そして、次のような中間報告が昨年の12月24日に教育委員会教育長に報告をされまして、できるものから新年度から執行をしなさいという提言がされました。その中間報告の概要をちょっと読ましていただきますと、1としまして、健康教育の観点からの学校給食のあり方、献立に見合った食器具を使用すること、地場産食材の使用促進、米飯給食日の増加を図るとともに自校献立や自校炊飯方式についても検討すること。2としまして、安全管理、衛生管理面からの学校給食のあり方、給食センターにおいては保温保冷車等の導入を促進すること、ドライシステムによる給食場の整備を促進すること、学校栄養職員のチェック機能と指導性の発揮及び保健所機能との連携強化を図ること。3としまして、学校給食業務の効率的運営としまして、職員の賃金体系及び定年年齢を見直すこと、学校栄養職員の配置を国基準並みに見直すこと、パートタイム職員など加配職員の配置を見直すこと、パートタイム職員への切りかえを検討すること、可能な業務は民間委託すること、第三セクターの活用を検討すること、共同調理場運営体制の見直し及び施設整備の集約化について検討すること、現体制下で可能な学校給食の多機能化について可能性を検討すること。4としまして、その他学校給食の運営改善の上で必要な事項としまして、学校行事に合わせた献立や弁当持参日などを導入し弾力性のある学校給食にすること、食材や献立の制約原因を見直し改善をすること、ランチルームの整備を促進すること、献立を工夫し残菜を少なくすること、PTA組織による学校給食運営の方途を検討すること、コスト評価システムを検討すること、共同購入方式を改め食材購入システムを見直すこと、削減できた経費については教育施設設備等の充実に還元することということが義務づけられ、そしてその実施についての目標値と目標年度ということで、次のことが言われております。
 効率的運営の目標設定に当たっては民間の同様業種と同等の経費水準にする中期目標として設定すること、具体的には売り上げに対する製造原価の構成比を民間の同様業種と同じ水準にすればこの数値目標を達成できる。この考え方に基づいて積算すれば岡山市の学校給食1食当たりの経費731円、これは10年度で1年度ずれていますが、731円が200円軽減され531円となり、目標を達成した時点の1年間の経費削減額は5年後までで21億円程度となる。この中期目標達成には人件費削減が中心的課題であり、退職者不補充とした上で可能な業務について民間委託やPTA組織の参画など、今回取りまとめた中間報告に沿って来年度から実施もしくは実行され、目標年度における目標値に向かって着実な成果を上げられることを期待するということでございます。
 今後は見直しや改善に向けた具体的方策についてさらに調査審議を深めていくとともに、この中間報告に基づいて来年度から施行されるものについての検証を当審議会で行い、来年秋、というのは今年になるわけですが、来年秋までに取りまとめる予定の最終報告に反映していくというのが中間報告で示された概要でございます。  それが12月24日に示されまして、その後、年内に調理員が加入している現業労働組合や栄養士さんなどが加入しておられます市職員労働組合と12月27日、1月13日、2月9日と団体交渉を持ちまして協議を深めましたが、現在もその協議を続けているところでございます。
 一方、1月18日、2月18日、2月13日と市議会の文教委員会で自校献立の作成や自校単独食材購入、自校炊飯、米飯給食日の拡大、市給食会を通じての購入価格の決定方法の見直し、調理業務の民間委託、PTAの参画、部活動、学童保育、地域高齢者への昼食サービスなどの多機能化などの14項目を4月から試行するということを打ち出してきたところでございます。組合や学校、PTAなどと協議に現在も時間がかかっておりまして、時間的には非常に厳しい現在となっておりますが、精力的に詰めを行いまして、できるものから理解を得ながら市民に十分情報公開を行い、意見をいただきながらその実現に向けて今後努力していきたいと考えております。  以上でございます。

○司会
 ありがとうございました。一瞬ちょっとしーんとなったんですが、今日は報告ということで来ていただきまして、また後から、皆さん方からも是非ご意見をお願いしたいと思います。
 それでは、次に進めさせていただきます。今ご報告の中にありましたPTAも参加するという問題で随分議論をされていますが、今日は先ほどご紹介いたしましたようにPTAとしてこの学校給食へどのような期待をもっているか、どのようにかかわるといいのかというような点を中心に山本さんの方からご報告をお願いいたします。よろしくお願いします。

山本
 ご紹介にあずかりました興除中学校のPTAの会長をしております山本です。ここにも何人もPTAの会長さんが来ておられるんで余り私の意見ばかり言っても何だと思うんですが、まず私は小学校のPTA連合会の方はよくわかりません。また、これは私どもの中学校PTAの総意ではありません。私の考えですが、中学校のPTAの流れとしては、昨日うちの中学校のPTA評議会がございまして、その中で1月18日に開かれた文教委員会で出された中間報告についての検討の内容の資料を皆さんに配付し、その内容について説明したという程度です。
 その中で、昨日の場合は説明をして、その中から質問されるかと思ったんですが、どなたもありません。中学校PTA連合会の意向は、役員会ではその都度話をしておりますが、末端まではまだまだわかっておられない。役員さんもその程度だし一般の会員さんは全く知られないというような状況が今現在だと思います。ほかの学校については私の学校と同じというようなことじゃないかと思います。
 昨年6月の給食審議会の設置から、中学校のPTAの中では給食について非常に関心が高まっております。特に役員会、会長会という会がございまして、今まで5回会長会がございました。その中でほとんどのテーマが学校給食についてです。小・中の連合会の会長さん、前中学校の会長さんがPTAの代表者として審議会の委員になるという関係で、給食について考えるための会、給食特別委員会という会を中学校PTA連合会でも作りまして、そのメンバーを募って、審議会に先行するというような格好で話を皆さんやられたんです。 私もたまたま会長ということでその給食委員会に入りました。私は男で給食については考える機会も今までありませんでした。給食試食会に参加した中で、味つけがどうとか、アンケートに答えてくれとか、子どもが持ち帰る献立を見る程度で、食材だとか給食会がどうだとか、そんなことは全く知りませんでした。例えば御飯もまさかパン屋さんが炊いているなんて事も全然知りませんでした。ところが、中学校給食運営委員会などでかかわっていく中でいろんな問題が次々あるんだなと思いました。
 「今このままで行けば民間業者に委託になるんじゃないか。とにかくコストが高過ぎるということなんで、人件費の問題ということで業者委託になるんだ。今何とかPTAの方で給食をしよう」と言われました。PTAといいますと保護者と教職員の会ですが、保護者の会で何とかせんと、このまま行ったら業者が学校内に入ってくるぞ。学校へ業者が入ったらどうなるかというたら、もうこれは治外法権の場といいますか、学校の中のある空間に手が出せない、口出しができないような状況になってしまうんではないか。親が子どもの食事の世話をするというのは当たり前の話だ。親が面倒を見るのが筋なんだ。業者しかないという考え方をせられるんならこの対案としてPTAで給食調理をやろうじゃないかと、そういうことで子どもたちにかかわっていく、学校にもかかわっていくと、そういうやり方はどうだろうかという意見が11月ごろの委員会で出ました。それはメンバーの方もおられますので、聞かれたらわかると思います。そういう意見から、とにかく民間業者委託しかないという考え方からPTAの委託という話が出てきました。
 この中で、皆さんもそういうどちらかにとれというんならPTAだろう、その方が筋じゃないか。私らもどっちかとれ言われたらその方がいいかな。でも、よく考えてみるときに今のPTAの組織そのものについて考えたらどんな状況かなと思う。私は小学校、中学校で会長を7年しています。うちは興除地区という純農村で、小さな小学校と、中学校も450人の生徒数です。その中である小学校区については団地化された地域もありまして、いろんな保護者の方もおられます。親が子どもの面倒を見るというのは、皆さん考えて常識だと思いますが、今そのような当たり前の話ができんというような状況も社会問題の中であるんじゃないかな。
 ただ、PTAで受託をして子どもに食事を与えていく、調理をしていくという段階になりまして、今のPTAの組織そのもので講習ができて、いろんな方々がとにかく手を挙げてくれて、参加・協力してくれるかなと、長年の経験からいってそんなに思います。会長・役員の改選時期になりますが、PTAに協力してくれとお願いして、人選し、役員の選挙をするときに会長のなり手がいない。役員のなり手がいない。何をするといっても私はくじ引きで当たれば仕方がない。そういうような頭を持っておられる方が非常に多いです。というのが、私が子どものころ母親が家にいつもいてくれたんですが、こういう方がなかなかいなくて、今はとにかく女性でもパートなり自分の仕事を持っている時代になっております。その中で考える親は当然母親意識も変わってないと思いますが、ただそういう余裕ができるかどうか。単なるPTAの今の活動と同じで一生懸命やってくれる方は限られている。お願いができる人は何人かしかいない。何百、何千食の食事ができるかな。これも1年だけのボランティアなら、だれでも何とかしようという気はあります。これが延々と10年、20年、30年やるということになったら、PTAだけでいけるのかな。そういう疑問を私は持っております。
 2月19日の時点で、PTAの会長会をやりました。夜の11時までやったんです。私は最後まで何も言いませんでした。というのが、今の熱意に燃えた方、当然私は間違ってないと思います。親が食事を作るという愛情というのは非常に大切だと思います。ただ、もうこれしかないんで、これを受けてくれなかったら私らの執行ができないというような頭で、PTAを会社にするというような話が出ております。私もはっきりはよく理解していませんが、NPO方式という非営利法人組織というような格好で会社を、PTAは本当言うたら親と先生の会ですが、そのPTAが会社を設立し、運営して、そこからいわゆるパートで出られるお母さんさんたちに給与を払ってもらうやり方の会社をつくるそうです。それで、準備委託費とかで事務員とかの経費を捻出していこう。会員には負担をささないというご説明でした。あの段階では非常に熱意を持っておられた会長さんが何人おられたか、何人か形式的にやられていましたけど、一応拍手という格好だけで認めて皆さん帰っていました。11時過ぎですから、もうしまいには元気もありません。帰れんからそのままで、私は何も言いません。もうこれ以上やったって無理だろうというようなことで、私は会議で一言も言いませんでした。
 そういう考え方で、PTAがかかわるのは調理だけかな。まあ彼らも確かにPTA調理とかいろんな熱意で頑張っておられたんで理解できます。でも、ただこれだけしかないという頭の考え方に私は間違っているんじゃないかな。子どものためというのは非常に皆さん思っておられると思うんですが、調理を最初にかかわっていって、それから順番に学校全体にもかかわろうじゃないかというような話は、余りにもうま過ぎるんじゃないかなと思います。
 学校の栄養士さん調理員さんの配置については今の状況でいいんじゃないかなと思っております。というのは、私の仕事は建築の板金屋でして、建築の職人です。24年の経験がありますが、毎年毎年いろんな新工法も出てきます。一から十まで、とにかく初めてのことを手探りでやっています。でも、経験だけで今まで何とか乗り越えてきたつもりです。失敗すればはっきり答えが出まして、雨が漏ります。すぐ電話がかかってきて、雨が漏って何しよんならというおしかりがきます。給食については、いろんな衛生面についてもしくじった場合に非常に人命にかかわってきます。例えばしくじりをした場合、手直しということはもうこの短時間の間に取り返しがつかんのじゃないかな。きょうの12時半の給食には、ちょっとしくじりましたから3時にしますという話は絶対ないと思います。そういうようなことで、やはりプロの方、栄養士さんや調理員さんの方はいわゆる私で言えば熟練職人だと思います。同じ考えでいくならばプロの方は素人の全く知らん方よりは非常に安心ができるんじゃないかな。今の衛生面、管理面についても何も知らない人間がするよりははるかにいいんじゃないかな。
 退職不補充というような話も出ていましたけど、PTAがもしかかわれるような話になるんなら、いわゆる調理部門については今までのようなパートでやれるんじゃないかと思うんです。小学校でPTA会長をしていたときに、校長先生から保護者の方でパートで協力できる方おられませんかというお話がございました。そういう作業補助の場合を含むことを審議会の方で決められて、議会でも通るならばそういうやり方の参画、調理についての参画は別に保護者の方が協力体制で持っていけばいいと思うんです。ただ、全部をPTAで受託してやっていくということは非常に私は負担な面があるんじゃないかなと思います。PTAは給食だけで会を作っとるわけでないと思っとります。ですから、PTA受託については私はクエスチョンマークに三重丸ぐらいつけたいと思っております。
 PTAで何がとにかく一番言いたいのかなと、これからお願いすることは何だろうかなということを考えてみますと、今給食の献立そのものも、私ら代表者から行かれとんか、栄養士さんの代表である教育委員会が行かれとんか、作られとんか知りません。いつの間にか子どもが献立表を持って帰ってきとります。そこそこの学校、つまり中学校33校、小学校83校ございますが、その中で、例えばさっき言いました私のところではいわゆる田園地帯で米麦を中心としたようなお百姓さんもたくさんあります。何年か前のように米がなくなったと言うたら、外米を食べるぐらいならうちの保護者、地域のおじさんからの米を食え、それで足りなかったらまた持っていってやろうか、そういうような地域です。米は給食会、県の方から回って出るのかどうか知りませんけど、興除の朝日米とかひのひかりという米が多分入ってないんじゃないかなと思っております。せっかく作った米があるのに、どこかよくわからん米を食べとる。そういう状況じゃないかなと思うております。うちも米を作っていますが、自分方の米が一番最高だと思います。子どもに毎日食べさせることがわかりやすいんかな。そういうこともいろいろ僕は言ってます。野菜も当然興除という地域ではつくっておられる方たくさんおられます。そういう食材も当然使っていただければ、別に給食会で買わなくてもいい。だれか言われましたけど、高い食材を買ってんじゃなかろうと、自分方で作ったやつを安全に消毒していけば十分使える。ひん曲がったキュウリでも切りようによったら真っすぐ切れると、そういう頭で対応されたらなという考えを持っています。
 それと、さっき言いました献立が何カ月前から決まっているのか知りませんけれど、自校で献立を地域の方も含めて、それから関係者と保護者の方も一緒になって子どもが一番いいという献立、食材を選ぶことがじゃないかなという気がしております。
 長い話で取りとめもなく話しましたが、私が一番言いたいことは、コストが云々、民間委託・PTA委託とか言われていますが、私は市が責任をもって、専門家の栄養士さんと調理員さんを配置している今の体制が一番安全でよいということです。今の体制でもっとよい給食をつくってほしい。例えば、地元の食材が使える、子どもたちがつくった野菜を給食にとりいれるなど、内容をもっと充実してほしいと思っています。

○司会
 ありがとうございました。PTAの役員会での議論やお話の状況や、親御さんとして、またPTAの役員として学校給食へのかかわり方、こういうふうにしていったらどうかというご意見をいただき、大変いいことだなと思っています。
 それでは、次の方に移らさせていただきますが、皆さんのお手元に資料がありますので資料も見ながらお話を聞いていただければと思います。
 次は、大阪の八尾から来ていただきました。八尾というのは生駒山麓で、隣は奈良県というようなところですが、そこの学校給食に民間委託が導入されているわけです。今日は学校の先生に来ていただいていまして、教師から見た学校給食と、どういうことを期待しているのかということ、あるいは八尾の状況などについてご報告をいただく予定です。どうぞよろしくお願いいたします。

谷殿
大阪の八尾から来ました谷殿です。
 レジメの方に資料を綴じていただいていますが、1枚目は「全国教研レポート」、2枚目は八尾に給食の会がありまして、その会の「事務局通信」というものです。これは、先にちょっと説明しますと「民間委託実施1カ月後の状況」と書いてありますよね。控え目には書いているんやけど、入ったころいろいろ混乱があったんで、その様子を話し合ってまとめたものです。今民間委託は7校なんですけれども、全部で30校給食実施校がありまして、そのうち7校の中の3校が先駆けで委託されまして、その様子をまとめたものです。
 それから、その裏に1年後に反省いうか考えてみたことで幾つかまとめたのがあります。そして、1カ月ぐらいのこと何で書いてんねやと思われるでしょうが、実は民間委託にした場合は常にこの1カ月ぐらいの状態があらわれる可能性があるということなんです。というのは、全国の経験を聞いても業者自身が入れかわることがあるし、それからパートさんや業者の職員が入れかわるということが必ずついて回ります。だから、必ず不安定なことが起こってくるという意味で、この1カ月の動きというのは、導入して10年たったからもうないということではなくって、10年たってもこの1カ月後の状態というのが起こってくると見てるんです。それで、この資料をちょっと古くさいんですけど、つけてます。  その次は、民間業者が入ってもう大分になる東京の足立区での調査ですけれど、すごくリアルなんです。この95年の時点でもう10年過ぎていたから今15年ぐらいたってるところなんですけれど、そこで栄養士さんを中心にアンケート調査されまして、1年後と、それから何年かたってのこと、これとってもリアルで、栄養士の立場からですけれども、問題点がわかるかなということでよく使わせていただいております。
 それで、戻っていただいて、初めの「全国教研レポート」というやつをごらんになっていただきたいなと思います。調理員さんもおられるし栄養士さんもおられて、まあいうたらそっちの方は素人の私がこんなことをしゃべっていいんかなという、ちょっと恥ずかしいんですけれど、僕も教師をやって19年になるんです、小学校ですけれども。大阪は中学校の給食はほとんどありませんで、割合が10%ぐらいなんです。小学校はほとんど全部でやっているということで小学校の給食しか知りませんが、「食べたらええやん」と、何か食べとったら「残すなよ」、そういう指導をもうほとんど十数年続けてきて、「残すな残すな」と、「うまいか」というぐらいな話でその辺のおっちゃんと同じようなことをやってたんです。  ところが、民間委託の話が降ってわいてくるころからやっぱり給食の問題をどうしても考えなあかんようになりまして、考えてみるとなかなか給食は奥が深いとかいうことがわかったんで、うちらの会で大体共通認識してることなんです、この部分は。それまでも調理員さんとは仲ようしてたんです、御飯の残りもろたり。そんなことだけのかかわりで、給食のことをほとんど真面目に考えてなかったんですが、考えてみると学校給食は大変意義がある。それで1番は大げさに「学校給食のあるべき姿を語るには子ども、人間にとって食の持つ意味を問い直すことが不可欠である」というふうに思っています。
 それで、(1)で安全で豊かな食事のことを書いてるんですが、全部言うてると時間がありませんので、@、体は食べ物でできている、だから何を食べるかが人間の体や健康や心にとってすごく大きな問題であるということです。
 2番目、食事は人間の文化であるから「えさ」とは違う。だからつまりそれまで僕が考えていた何か食べさしとけばええやんかというのは「えさ」の発想やわね。今ごろになって、やや反省しております。しかも、それが民族に固有であると、また地方に固有であるし、家庭の味もあるでしょう。おもしろいのは、正月明けまして顔を会わしたらいろんな人と会うでしょう。ぼくはだれと会っても、自分(あんた)とこの雑煮どういうもんなんやとか、おせちどんなんやとしゃべるんです。みんな違いますねん、出身地が違うかったらもう決定的に違って、場所によったらあんころもちを入れるいうようなとことか、雑煮あれへんで御飯を入れるねんというようなとこまで大阪にありました。本当に文化なんです、これ。これは何か全国ネットだけでは補い切れません。この問題、我々は普段最もないがしろにして今生きてるから、ちょっと真剣に考えてみやなあかんのと違うかなと、子どもらにどういう給食を出すのかとかかわりがあると思います。
 それから3番目、この辺は割と一つ一つ学校給食の場面に出てきますが、信頼している人が食べている姿に接して嫌なものも食べてみようという気持ち、食べてるだけじゃなくって作ってる場面もあるんですけれども、一生懸命作ってくれてはるのを見たら食べてみよかなという気になる。今の子ども固いものが嫌いで、豆が出てきたら、それも乾いた豆が出てきますね、ピーナッツいうかナッツ類、いっぱい残しますねん。袋ごと落ってたりする。ひどいときには。それをどう食べさせるかってなかなか難しいんやけども、結局先生(信頼されてなかったら難しいんやけど、)先生がうまいでと言うて音をぽりっとさして食べるんですって。「割れる音がええ音するな、これがうまいやん」とかいうて言うてるわけですわ。大人は言いますやろ、酸っぱいものがこれがうまいんやとかいうて、家で、子どものときは酸っぱいもの嫌いやし固いものはもう一つ好かんと。だけども、ああ言うとったな親父はと、こりっとするのうまいなと、それがわかってくる。やっぱり、こういう関係を作ってる段階、それから食べてる段階とかが大事やというあたりが3です。人間関係がなかったらあきませんねん、信頼しているっちゅうね。
 4番目は、ところが今の子どもの食生活とか食習慣、食嗜好はなかなかピンチです。今列挙してみると集団的な食事の場面があると、ただし家庭の食事は大分破壊されている。それから外食産業とかかわってきてると、これは全国ネットです。マクドナルドなんかやと世界ネットでつくってるわけです、日清なんかもそうやけども。広告の影響がすごく大きい。はやったら食う。大人もそうですわな、栄養がある言うたら、骨太になるいうから骨太を飲んだりしているわけです。これほんまに単純ですわ。
 次行って、それで給食が何で大事やという話ですが、@で今もたくさんレジメにも出てきて、ほかの文書にも出てきてる、孤独食とか夜食文化、一緒に食べる団らんの破壊とか、もうよろしな、この辺。
 薬漬け、学校給食の食材は、薬の問題や添加物については大変注意を払って作られています。冷凍食品とかも極力使わないように。だから家庭では当たり前になってるような固形のカレーありますよね。入れたらカレーになるやつ。あれは給食ではそういう形では使わない。ちゃんといためはんねやね。ずうっと、そういうことからやってるというのを僕は知りませんでしたけど、聞いてみたらそうやねんて。ほんで、子どもは学校のカレーの方がうまいと言うんですが、それは何でかいうたらやっぱり調理員さんが子どもに合わして、野菜の切る大きさまで違いますよね。家は大人に合わせてますけども、給食は子どもに合わすわけやからね。というようなことと遺伝子組みかえなんかも問題です。ただこれは、緩めていく方向、こんなん規制緩和というんかもしれませんけども、まあええやん、冷凍もと、まあええやん、ちょっとぐらい添加物もという話になっていくのは怖いです。健康食品がはやってますので、例えばカロリーメイトを別にうらんでるわけじゃないんですけども、バランス栄養食品という売り方はよくない。なぜかというと大体中身は炭水化物と脂質でできているからバランスは良くないです。
 2番目、こういう状況で学校給食本当に大事やなという話です。一方で、給食は要らんという話がたくさん出てきます。子どもはもう十分食べ物があるやないかと、それは「えさ」があるという話で、食事があるということとはまた別の問題だ。偏食も多いし。それから、愛情弁当を親がさぼってるという。親は大概一日しんどい目をしてる。大変やなというふうに見てます。
 それから、一番問題は財政効率至上主義です。金がないから、同じであれば安い方がいいと。ところが、「同じであれば」がくせ者で、ほんまに同じかというところがやっぱり問われないかんと思います。大企業製品の安全性は、このごろ新幹線の壁は落ちるし原子力発電所は事故を起こすし、余り信頼性がなくなってますけども、何かメーカー品やったら大丈夫というのは、これは出てきます、食材に。袋物がすごくふえてるんです、民間委託で。袋やったら安全やというので。そんなものかなと、添加物ほんまに大丈夫とか、いろいろ思ってくる。
 あるメーカーのヨーグルトを入れさしてたんですけど、段ボール箱にかびがびしっとついてたんです。うちの学校で起こったんですけど、そのメーカー、問い合わせると手順を間違えて早く箱に詰めて置いといたらしい。それでかびがはえて、それが回ってきました。有名なメーカーです。そんなことが何ぼでも起こり得る。大規模工場から遠く離れたところへ運んでますからそういうピンチが多い、可能性が高いというふうに見てます。
 それで、もう時間が余り長ないですが、一番右ですが、よい学校給食の条件でこんなことを考えてます。季節の食材、季節感やね。それから地方色がないとあきませんよね。トウガラシは韓国が一番うまい、ジャガイモは北海道のイモがうまい、これは一緒ですわ。岡山は何かよう知りません、きびだんごがうまいとか、そんなんと一緒です。
 それから、子どもに合わせた献立で、これは全体の子どもにということがあるんですけど、個々の子どもに合わせた献立というのもあります。偏食児童がおったら、本当に栄養士さん余裕が出てきたら、その子に合わせたメニューをつくれると、別に迎合するという意味ではありません。  それから、そのためには独自献立、独自購入がどうしても必要になってくる。栄養士の全校配置、ここはされてますけども、うちは民間委託校から配置ですからこれは別の理由なんです。独自献立をするためいうんじゃなくって、業者との対応で要るということなんです。地場食材の活用。先ほどもPTA会長さんが言われてますけど、うちの米が一番うまいんやという話。
 食べる人−僕も食べてますから教師も入れてあるんですけど−子どもとつくる人−調理員、栄養士ですけど−実はこのつくる人のもうちょっと先には農家の人とか漁師さんとかが、工場のおばちゃんとかが入ってくる。この人との交流がある。田舎は、岡山はおりて都会やなと、ビルいっぱいやなと思ってたんですけど、田舎は子どもを大事にしますやろ。子どもが山ほどおったら何か掃いて捨ててもいいような気になってくるけど、少ないから大事にしますやん。過疎でおれへんようになるし。この子らどうしようというて、校舎は木造やし給食はもう地元のもので作って、あそこの山田さんが作ったキュウリやでいうて食べてるわけです。実践してるとこありますよね。おわんは輪島塗り、輪島やったらね。別のとこやったら木のおわんでおみそ汁食べてる。そういうところがあるというのは子どもを大事にしてると思うんやけど、そういういろんな関係、生産現場とのつながりというのがあって、しかも一番直接には調理員さんと子どもらとの関係が出てくるような、そのためにはやっぱり直営というのが要るんだなと思ってます。この子が食べてくれると、この人が作ってくれたんやと、このイモはどこそこのおっちゃんが作ってくれたんやという関係を作りたいなというふうに思ってます。
 あと、民間委託の話でちょっとだけ、あと1分ぐらいしゃべりたいんですけど、僕、教育委員会がとりあえず試行するというふうに出された文書をいただきましたんでざっと見せていただきました。岡山の話に口を挟んでいちゃもんをつける気はありませんから、そうですかというふうに素直に聞いたらいいんですが、八尾は民間委託で先駆けてますので、特に考えてきたことで言います。いいことがたくさん提言されていて、ドライシステムに変えていくというのはええなとか、残渣処理システムてええなとか。
 それで、PTAが参加してつくるというやつ、これはやばいですわ。危険やと思います。民間の業者さんをけなすつもりは全然ないんですが、食を作る上での発想が違いますね。学校給食はできたてを安全に、惣菜もなるべく手作りでやりますやろ。僕もかかわってから知ったんやけど、10時半ぐらいまではずっと下ごしらえばっかりやってるわけです。調理は絶対しないです。配缶が12時やとしたら、それにちょうど上がるように調理に入るわけです。300人やったら300人、600人やったら600人分をぱっとつくり上げるわけで、そんなら熱々のができたてで出てくる。そういうことを調理員さんや栄養士さんはやっておられるわけです。そんなん知らんかって、もう時間ないから先に作っとくのかとか思うてたんです。家やとそうでしょう、僕らは、普段ジャーへ入れとけ、それからチンしたらええやんとかいうてやってるわけやね。
 違うねんね。10時半に必ず調理を始めるわけでもない、10時半から始めるやつと11時に始めるやつと、11時半から始めるやつとがあるらしいです。それらをうまくコンビネーションしながら、最後12時に上げて、それで上へ上げたら熱々で子どもが喜んでおいしく食べれる。だからセンターはもうはっきり言うて問題外です。運ぶねんもん、まずなんの決まったる。
 弁当屋さんは先に作ってさましとくわけやから、だから弁当屋さんが優秀やからいうて弁当屋さんの職人が給食調理ができるかいうたら全然違うから、これ畑違いのとこへ行って一から勉強するのと一緒やねんね。家で飯作ってるから作れるやんというねんけど、そんなもの300人分家で作る人はおれへんわけやから、しかも今みたいな条件でね。だから、その辺の問題が大事にされなあかんのと違うかなと。
 うちらもまだまだ足りないところがあって、これ(パンフレット)見せてもろて僕も岡山はすごいな、めちゃめちゃよろしいなと来てからずって言うてるんやけど。ええところは何かいうと、人件費が高過ぎるていう話について、今はリストラいうたらやめさせる話ばかりでしょう。しかし、スクラップアンドビルドやから、考えて作り直すわけやね。ビルドがあるわけやから。だから、人を有効に使うということで学童保育の御飯を作ってくれはったらうれしいな。うちの子どもも学童保育へ行ってたからええなと思って、そういう提案してはるし。それでこそ人を生かす道かなと思って聞いていました。済みません、取りとめもないんですけど、一応終わらせていただきます。

○司会
 ありがとうございました。
 遠いとこを来ていただいて本当に短時間で申しわけなかったんで、また後でもぜひいろいろお願いします。それでは、報告の最後になりますが、栄養士の服部さんから今の岡山市の給食制度をいかにしたいかというようなことでご報告をお願いいたします。

服部
 内山下小学校の服部と申します。
 今日の主催者あいさつとか、皆さんの話を聞いてて、じゃあ私は何をしゃべろうか。やはり、現場からどんな給食作ってきたのか、今それを変える充実改善のチャンスなんだっていうことをお伝えできればなと思っています。
 お米のない家庭、御飯はコンビニで買うもの、そして運動会の弁当はお弁当屋さんに注文して学校に届けてもらう。これは私が実際に体験した話です。以前勤めた学校でそういうことがありました。これは、かなりひどい例としても、今、朝食を食べてない子が増えています。遅刻をしてくる子に時々「御飯食べてきた」って聞くと、「食べてない」。それでもその中に時々御飯を食べたから遅刻してきたという子がいます。そういう子の声を聞くと、本当は遅刻は良くないんですけど、食にかかわってる者としては、ああよかった、御飯を食べてきている、遅刻しても食べてきていてよかったなと思います。
 例えば、私の通勤途中でも、今コンビニが大変増えています。その前で中学生や高校生たち、中には小学生もいるんでしょうか、前で食べていますよね。ファーストフードを食べたり、お菓子を食べたりしています。そういう子どもを見ていて、家でどんな食事をしてるんだろう、こんな時間に食べてたら、夕食はきっと食べられないんだろうなと思います。
 ある新聞に、給食のある日とない日の栄養摂取量を比べた調査で、給食のある日の方がバランスがとれていて栄養摂取がいいという結果が出ていました。このことを試食会などで紹介してお母さん方と話すと、家では自分が嫌いなものは作らないし、どうしても作りにくくなるというような話、そしてほとんど買うこともないんだということを聞きます。どうしても家では子どもたちの好きなものになってしまう。やはり、作る者としては残すよりは食べてほしいっていう気持ちが強いですから、好きなものになってしまう。でも、友達や先生と一緒に食べることで、学校では嫌いだったものも食べれるようになることもあります。
 私の学校でも、2年生の時絶対ニンジンが食べれなかった子が今4年生になっていますけど、今は「今日も全部食べたよ」っていうように報告に来てくれます。そういう子どもたちも日を重ね友達と食べる、そして一緒にニンジンの栄養とか、いろんなことを話すうちに食べていくということもあり、それはいいことではないかなと思います。農家の方から根菜類が売れなくなったとか、それからスーパーでお総菜が夕方になるとすべて売れてしまってる状況もあります。大学生なんかが部屋を探すときは、コンビニが一番近いということが条件になってるということも聞きました。
 私たちも目の前でそういう子どもたちを見ていて、食環境は本当に大変。こういう食環境のもとで学校給食を考えると、たかが1食ではないと思います。育ち盛りの子どもたちの心と体を作る学校給食は、単なるお昼御飯ではなく、教育としての役割、そしてその機能を一層豊かにして、地域と結びついた学校給食として本当に充実していかないといけないというように思います。
 私たちは今まで岡山のすぐれた制度を十分に生かしてなかったことについて自分たちの仕事を見直すことで、行政の責任やシステムの責任にしてなかったか、充実改善はできないとあきらめていたのではなかったか、すぐれた制度に甘えていたんではないかとの反省をしながら、もう一度学校給食について見直し、そしてなぜ「公」でする学校給食が必要なのかということを考えてきました。
 学校給食で豊かな食を子どもたちに提供する。そして食について学びの場として保障し、学校給食を通じて家庭、地域の食や食習慣を望ましいものに変え、地域まちづくりにも貢献していくことが行政としての役割じゃないかというふうに思います。
 だからこそ、子どもたちの1日の食、そして地域の状況なども含めて、子どもたちのために豊かな給食、地域に根差した学校給食を実現しようということで、先ほどご紹介がありましたが、このパンフレットに17項目の改善提案をまとめました。これは、教育委員会の方にも要求書として提出しています。そして、給食現場で働く職員として、子どもたちのために豊かな学校給食にしていこう、できる改善は今すぐにでもしよう、そして目に見えて給食がよくなっていくことを実感できるようにしていこうと取り組んでいます。
 先ほどから出ていますが、一部の地域では岡山市学校給食会に加入してなく、学校独自で地元から食材を買っています。学校独自で地元から食材を買って、統一献立をそのまま使わずに学校に合わせた献立内容にしています。行事に合わせて巻きずしを作ったり、弁当箱に詰めて屋外給食をしたり、そして統一献立の中では大量に使うということで、青みのために冷凍のインゲンとか、サヤエンドウを使っていますけど、その時期にある野菜を使うことも可能です。そういうことを聞くたびに、同じ栄養士として私たちは栄養士としての働きをさせてもらってない。本当にそういう意味では悔しい思いです。私も学校独自の給食をしたい、できる学校に対して悔しいなというねたみみたいなそんなことも覚えたこともありました。それが本当に当たり前のようにできる学校給食にしていきたいと思います。
 私も新採用の4月に、1ヶ月だけ自分で献立を立てました。そして、食材の注文をしました。採用されてすぐですから、何もわからないまま献立を立てたんですけど、例えばお釜の使用のこと、食器にどのようにもりつけるとか、どういう段取りでするかということもわからなかったんですが、調理員さんに教えてもらいながら、1カ月やりました。どこに注文していいかもわからなくって、本当に無我夢中でしたんですが、本当にその1カ月は今でもすごく印象に残っています。 もうその時には給食会に加入っていうことが既に決まっていたので、その後は人数だけ報告すれば給食会から来るということになりました。実質的に楽になったかなという思いもあったんですけど、でもその地域は地元に野菜があって、山のようにキュウリをいただいたり、果物とかいろんなものがある地域だったので、それが使えないっていうことは何でだろうということを思いました。本当に自由がきかないんです。
 そして献立に対しても、何か送られてくるだけの献立っていうのは愛着がないんですよね。そういうことも不満に感じるようになりました。一時期、統一献立や共同購入に私も慣れてしまっていたということは、本当に反省しています。
 やはり自分で考えてみて、献立を立てるっていうのは栄養士の仕事の基本的なことだと思います。献立に合った食材を購入する。そして、学校独自の給食を作ることが本当の意味での生きた教材としての給食につながっていって、子どもたちに食指導をして、おいしい安全なものを提供することにつながるんじゃないかと思います。栄養士が自校で献立を立てて食材も地元から購入する、そして熟練を積んだ調理員さんが、正規の調理員さんがやるっていうことは本当に心強いことだと思います。
 また、岡山市ではアレルギーを持った子どもたちの除去食もしていません。今、私の学校でも牛乳が飲めない子がいます。お母さんと一度話をして欲しいと担任の先生から言われ一緒に話したんですけど、「牛乳は飲めないので牛乳はとめてほしい、でもほかの食品についてはほかの子と同じように食べさせてほしい、除去食まではして欲しくないんだ、少しずつ慣れさしていきたい」ということで、本人が量を調整しながら食べるということを話しあいました。食べれるものと食べれないもの、火を通せば食べれるものなど、一覧表をもらいました。毎日の献立を見ながら、時々教室に様子を見に行くんですが、シチューなんかのように牛乳を入れても火を通したものは食べます。でも、チーズとか、そういうものは食べれないんです。そういうことが、だんだんわかってきて、ピザトーストなんかを作るときはチーズを乗せないものをその子には出してやります。
 1月の給食週間にセレクト給食をしたんですけど、その時は私の考えがちょっと甘かったんです。デザートもセレクトにしたんですが、プリンとヨーグルトにしちゃったんです。後で考えると、その子はプリンもヨーグルトも食べれないんです。悪いことをしました。セレクト給食っていうのは子どもたちが楽しみにしているものなのに、デザートの注文がどちらもその子からは出てなかったんです。当日、たまたま残ってた果物があったので、担任の先生にそれをその子だけに出してもいいかっていう話をすると、先生の方がそこまで気を使っていただいてうれしいわ、多分喜ぶと思うからそうしてっていうことで果物を出したんです。その子はきれいに食べて、うれしそうに返しに来てくれました。これは、特別に除去食をしてることではないんですけど、ちょっとしたことでそういうこともできるんです。アレルギーを持った子の実態調査をしていく。今学校ですでに調査用紙を作ってるよっていう学校もありますけど、そういうことをしていくことが子どもたちにとっていいことではないでしょうか。先ほどの先生も偏食の子に対する特別食っていうのを言われてましたけど、個々にわがままをさすんじゃなく、その子に個に応じた食をするというのは、今私たちがいるからできることじゃないかなと思っています。
 そして、今問題になってる三期休業も、今までは夏休み、冬休み、春休みは当たり前のことのように思ってきましたけど、「給食がない時は何をしてるの、休んでるの」っていうふうに声をかけられます。そういうことを今まで、「いや学校は当然なんよ」「学校へ行っていろんな仕事をしてるよ」だけで済ませてきたことは、本当に私たちにとっても反省すべきことだと思います。
 学童保育のお母さんから夏は腐りやすいから弁当づくりに気を使うし、やはり働いてるお母さんですから、作るのが大変だから弁当を業者に頼んでいるということも聞きました。そういう子どもたちにも温かいバランスのとれた栄養豊かな安全な食を提供していくことが必要でないかと考え、今でも学童の子には給食がだせるんじゃないかな、どうしたらできるようになるんだろうと考えています。指導員の人とまず話してみよう、学童の子どもたちが何人いてどんなお弁当を食べてるのか、業者に頼んでいるのか、そういうこともやはりもっと調べないといけない。そういうところから始めようとしているところです。
 また、中学校のPTAの方たちからは部活の子に補助食とか、給食をしてほしいなということを言われています。実際子どもたちは部活の前にファーストフードやお菓子を買いに行っています。本当は、コンビニなんかに出ちゃいけないんだけど、部活の前とか、先生も見て見ないふりをしたりとかという状況もあると聞いています。そういう子どもたちに補助食を出せば買い食いをしないで済むので、保護者のそういう強い要望にも私たちはしっかりこたえていかないといけないなというふうに思っています。
 私の学校でチキンライスをしてほしいなという声があったんですけど、今は御飯は業者委託ですからできないんですね。今の業者委託の御飯を、地元のお米を使って自校で炊くようにすれば、そういう子どもたちの希望もかなえることができるだろうし、日本の主食である御飯の回数をもっと増やすこともできるなと思います。
 そして、ひとり暮らしの高齢者への配食サービスも今1食1,050円かかっているということも聞きました。食材は400円だそうなので、それを私たち栄養士、調理員、そして今ある給食施設を使えば、もっと効率的に安くできるんじゃないか。またそういう配食サービスも全部の地域ではできてませんので、そういうこともしていきたい。食器も材質とか種類もふやしていきたい。言ってたら時間がないので、後でこのパンフレットの方を見てください。
 そういう本当にさまざまなことをやっていくことが今私たちに課せられていること。17項目を私たちが栄養士として、調理員として、現場で給食に携わっている者として、子どもたちにやっていきたいと思っています。
 その17項目の改善提案について、既に改善を進めているところもあります。例えば、パンの日に食べやすいように食器の枚数を増やすとか、リンゴの皮むきをする。そして郷土料理や伝統食を伝えるっていうことで、昨年の冬にはおせち料理の料理教室を開くことなどもしました。私の学校では、来年度からおはしを出そうということで、今現場の調理員さんと一緒に話をして教頭先生にも話を持ちかけて、「それはええことじゃ、出してくれるんならありがたいな」という声もいただいて、12年度からできるように学校の中で話を進めているところです。
 岡山市のすぐれた制度、栄養士がいて、正規の調理員がいて、ほとんどのところが自校でしてる、そういうことを最大限に生かして、子どもたちの心と体の発達のために、いい給食にしていくこと、そういうための、今改善のチャンスだと思います。
 先ほど主催者あいさつでも、「最後のチャンスだ」というふうに言われましたけど、本当にそうだと思います。今日、長尾次長さんが来られてますけど、市民や職員の改善努力をさせてほしいという声に耳を傾け、直営のままでもコストの削減を図れる、多機能化と内容の改善に通じる施行、そういうことを是非してほしいと思います。
 この間、地域のPTA訪問をしたんですが、野菜どころには出荷するキャベツがたくさんありました。そういうキャベツが学校で使えたら、おいしくって安全で、先ほど先生も言われましたけど、作ってくれる人たちの顔が見え交流ができる、本当に生きた給食になっていくんじゃないかなと思います。そういうことをPTAの人と一緒に話し合いを進め、地元のことを教えていただき、子どもたちの様子を伝えながら、一緒に給食を作っていきたい。子どもや市民の期待にこたえて、より豊かな給食にするために、私たちは本当に頑張りたいと思います。制度だけでなく、内容でも全国に誇れる岡山市の学校給食にしていきたいと思います。そのために、まだまだあんたらこんなとこ足らんよとか、こういうことをしてほしいとかという声も聞かせていただきながら、現場として本当に子どもの方を向いて頑張っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

司会
 ありがとうございました。現場から栄養士さんの服部さんの報告をいただきました。会場に来ていらっしゃる方から多くのご意見をいただきたいと思います。17項目の改善点というのは、本当に画期的な内容だろうと思っています。是非皆さん方のご意見もお寄せいただきたいと思います。
 さて、ここまでは私も割と随分楽に進行ができるんですけど、ここから是非会場の皆さん方のご協力もいただいて、もう私が悩まないで済むようにどんどんとご意見を出していただきたいなというふうに思います。今4名の方のお話で、岡山市の学校給食が置かれてる現状、あるいは学校給食の役割、大切さ、そして子どもたちの状況とか、あるいは岡山市の学校給食をこう改善していきたいとか、本当にこういうことを伝えたいなということが出ていると思うんですが、こういうふうに考えていったらどうかなとか、随時ご発言をいただきたいなと思います。もちろん質問もあれば、是非お願いをしたいと思いますが、どういうふうに改善できたらどうかな、こんなことはどうかなとかとかいうような積極的なご意見をできればお願いしたいなというふうに思ってますので、よろしくお願いいたします。
 ご発言、ご質問等ある方は手を挙げていただいて、お手元にマイクをお持ちしますので、その場でご発言をお願いできればと思います。よろしくお願いします。

○男性
 失礼します。途中から参加しましたので次長さんの話を聞いていないのですが職場は福祉の旭川荘で働いております。岡北中学校のPTAの役員をしておりまして、役員会ではこのような話はしたことがないんですけれども、いろいろ昔から僕は給食に対して疑問であったのは、たとえば春休みが明けて授業が始まるのに、しばらくは給食がないとか、それから休みになる前に何日間か前になったらもう給食なくなるとか、何かおかしいなと前から思ってました。余り期待してなかったんで、言おうとも思ってませんでしたけども、やっぱり怠慢だろうと思います。
 今回のこういう17項目、詳しく見てませんが部活なんかでも軽食出すなど非常にいいこと書いてある。こういうことができれば、子どもがコンビの買い食いで先生の目を盗まないといけないこともくなると思います。僕の職場は、福祉の職場ですから当然給食というのをやってまして、自校方式で基本的にやってますから調理場があり栄養士さんがおります。障害者の施設ですけども、昼の御飯なんかだったら、栄養士さんも実際に食べる現場に来て食事の介助なんかもしてくれます。一緒に介助しながらしゃべったりとか、障害者の人の文句なんかも直に聞いて、それを献立に反映をさせています。
 それから給食委員会がありまして、施設の僕たち職員と、それから栄養士と、障害者の代表の方と、月1回程度集まっていろいろ希望等を聞いてやっております。そういう中で、鍋物をしたいなという話が出れば鍋物をするとか、割と栄養士さんはそういう意味で柔軟に料理に対応して食事を出しています。
 昼ホテルからとってパーティのようなことをやって、夜は軽くお茶漬けですますとか、そういう工夫をしています。
 学校給食は昼しかやってないわけですから、相当熱を入れて愛情を注ぎ込んでいいもんができるはずだと思うんです。その辺もどういう仕事ぶりになっているのかなあというふうに非常に素朴な疑問で、これは栄養士さんとか、調理員の人が責任にあるというより、教育委員会とか、そういう行政の責任者が怠慢なんじゃないかと思ってます。
 食べるという楽しいことを利用してなんで子どもを元気付けたり、友達関係を豊かにしたりということにつなげていくような教育的な場面としてもっと活用しないのかなあと思います。食べるという場面には、もうだれでも好きですから、これを利用していろんなことが大人としてたくらめる場だと思うんですよね。だから、もうどんどんやる気で頑張るよう応援しますんで、応援しますと同時に一緒に頑張りますんでよろしくお願いいたします。以上です。

○司会
 ありがとうございました。また、途中でまとめて、前の報告者の方についてはお話をしていただきますので、会場からの発言をどんどんいただいて、私たちの耳の痛いところもありましても、ご注文をどんどんお願いしたいと思います。それじゃあ、次の方、今日は何を聞いていただいても構いませんので、日ごろ思われることをどうぞ。

○女性
 私は親の立場から意見を言わせていただきます。私、学校給食の民間委託になりました場合は、これは大変なことだというように思いました。萩原市長が当選されてから一番に言われたのが行政の効率化だということで、これはものすごく大変なことになるんじゃないかという心配をしていました。それで目的は学校給食を民営化にしていくということだと思うんですけれども、PTAの連合会の中でそうなるんだったらPTAで請けようという話が審議会に出ている会長さんから具体的に聞けたんです。親が食事を作るのは当たり前だというその論理は、ちょっとおかしいと思うんです。それは、当たり前なんですけど、昔親が作っていた学校給食。これ私が自分が子どものころ、同級生のお母さんが給食のおばちゃんをしていました。その時代のことをよく知っています。それは、それこそ戦後私が23年生まれですから、本当に学校給食が始まって間もないころ、本当に子どもたちにちゃんと食事を保障していこうということから始まったのかもわかりませんけれども、それが調理員の人たちの身分保障がされて、そしてより安全な学校給食をということで前進してきたことであって、その当時がよかったという発想は私はおかしいんではないかというふうに思います。親が作って当たり前というのは、これは確かにそうなんですけれども、親が作って当たり前だからPTAが子どもたちに給食を作ろうというのは、ちょっとやっぱりそういう意味ではおかしいんじゃないかと思います。それは、それしかないと思っているからと言われましたけれども、お金がないから民間委託をしても仕方がないんだというその前提をくつがえさないといけないと思うんです。
 私は、人件費がすごくたくさんかかっているというこの資料も市政だよりにありましたし、ここの資料にも出ていますけれども、学校給食が教育であるということはずっと繰り返し言われてきています。その点で学校給食が教育であれば、当然お金がかかって当たり前であって、安全で安心で、本当に子どもたちの命や健康を守るための食事を学校給食で実施してるということは本当に重要なことであって、それを作っている人たちの人件費が高いからといって、それを削ってそれをほかの教育費に流すというような、そういう何かふりかえるために民間委託がされるということについては異議を申し立てたいと思うんです。本当に教育の一環だと言われるんでしたら、民間委託にして給食としての向上を図るということがまずありえないと皆さんおっしゃってましたけれども、私もそう思います。
 この間、ずっと学校給食の食中毒の問題も岡山でも実際にありましたけれども、岡山市は本当に幸いなことに出ませんでした。1校一名の栄養士さんの配置で、本当に気を使って、子どもたちになぜ給食に果物が食べれないのかという、生の野菜が食べれないのかという、そういう状況がしばらく続く中で、物すごく神経すり減らしながら努力してくださったんですね。これが、じゃあ業者に巻かされたりPTAが作るとなると、一体この基準っていうのはどうなるのかと思うんです。本当に、そういうことが業者に任されたときにできるのかどうか、またそれを求めていくのかどうかというふうなことも、ちょっと聞きたいところだと思うんです。
 本当に命や健康の責任を持つ学校教育という立場から、私は見直しの目的は民間委託だと思ってますので、PTAの皆さんの中でも是非あきらめないで、もっと保護者にもちゃんと伝えて頑張っていただきたいと思うんです。4月から実施するというのが先にあるというところがやはりおかしいと思うんです。市民に十分情報公開しながら理解を得ていきたいというふうに先ほど言われましたけれども、本当に情報を開示して理解を得ていきたいと思われているんでしたら、中間報告、即次の年度から試行という形でされていくということ自体がおかしいと思うんです。
 みんながよくわからないとか、それがいいと思うという意見は出なかったという、ご自分の学校のことを言われましたけれども、本当に事の重大さがよくわからない、本当に学校給食を親が作るということが実感としてわからないし、自分が作らないから人ごとかなというぐらいに思ってるかもしれないと思うんです。だから、本当に学校の親が今の時点でできるなんていうことはありませんので、私なんかとてもそんなふうに思えませんので、もしPTAでするとすれば、今の子どもたちの食事はおかしいと、それは親の責任だという、もしそうPTAが思われてるんでしたら、学校の先生とか、教育委員会の方もそう思われてるのかなと思うんですけど、学校で、PTAで是非親たちの啓蒙、そういうことを是非したい。
 学校の先生と一緒になって、やっぱり子どもたちの健康を守るのは一番に家庭の食事だし、やっぱりこんなにして例えば学校の中で一緒に保護者の人と普段はなかなか作れない料理を作るとか、こんなにすれば簡単に料理ができるというのを親子で作ったりとか、やっぱり作ることの楽しさだとか、これだけは子どもに作ってやるということが大切なんだとか、そういう実践の場を学校のPTAが企画してくださったり、そういうやっぱり場をPTAで作っていただきたい。
 給食を作ることをPTAがするのは難しいと思うんですけど、そこは私できると思うんです。そういう意味で、私はPTAが本当に何をするところかなということを是非もう一回PTAの保護者の方と一緒に考えていただきたいなと思いますし、学校の先生も本当に教育としての給食、子どもたちに業者の作ったお弁当、いくら材料は市が提供するものだとかいろいろ言われてますけれども、私は経費削減という点でいつまでそれがもつかなという心配をしています。材料にしても先ほどおっしゃってましたけど、一たん上がってしまえば、本当に経費を削減することが目的ですから、どこまでそれが保障されるかどうかという心配があります。ですから、本当に学校給食を教育の一環として位置づけてくださるんでしたら、少なくとも今の状況を何も変える必要はないというふうに思っています。守っていただきたい。そのための努力を是非お願いしたいと思うんです。  教育費は、次の世代を担う子どもたちを本当に命も健康もはぐくみながら、本当に社会の担い手を作るということですので、教育予算そのものが私は本当にどの自治体の予算においても多くあって当たり前だと思います。1つだけ教育委員会の次長さんに是非頑張っていただきたいなと思うのは、申しわけないんですけど、私は三丁目劇場の件ですけれども、ああいうお金をぽんと使える、そして学校給食を民営化にする、この発想がどこから出てきたのかなというふうに、納得いかないんです。本当に市長さん、土曜日の午後に吉本の番組を見られたことあります。私の子どもが見てるのを私も何回か見たんですけど、もうとても見せられたもんではありません。岡山に来る吉本がどんなものかわかりませんけれども、私は岡山の文化をどうしようと思っているのか、子どもたちにどういう文化を与えようと思っていらっしゃるのかなというふうに、非常に疑問を持ちます。そういうことにぽんとお金を出して、何かそれがいかにも商店街の活性化に財政を組み込んでいくという、何かすごい良い顔してらっしゃるんですけれども、私は学校給食の民営化と比較したときに、とても何かこれは訴えるものがないというふうに思います。本当に教育の現場で頑張ってくださる方は、頑張ってくださる方にお願いしたいんですけど、本当に教育のための予算を削らないでほしいということで、是非頑張っていただきたいんです。
 私は、栄養士さんとか、調理員の先生たちに本当に感謝しています。子どもたちは、学校給食がおいしくて、うちの子もおかわり何回もするそうですけれども、本当に今の子どもたちの給食がもっと続くように本当に是非お願いしたいし、私たちはずっと地場産のお米だとか、野菜だとかを使ってほしいっていう要求を何回も何回も繰り返しお願いしてきました。そういうことも改めて今できるんだという方向を審議会でも出されたようですので、より良い方向での改善が私たちにとってはお願いしたいことです。それが予算を削るという状況の中ではできないということだけははっきりしてますので、是非今の学校給食の基本的な制度を守っていただいて、学校給食を民営化するという点については、もう是非少なくとも4月から実施ということについては反対したいと思います。

○司会
 それでは次の方どなたか。前にいらっしゃる方については、また後で皆さん方から出さされた意見に対して、一人ずつコメントをいただこうと思います。

○男性
 17項目の中で、僕が一番根底にあると思うのは統一献立を改めることだと思います。一献立をやっていたんでは学校給食が教育の一環だなんていうことは、これは冗談でしか言えないことだと思います。こんなことは即刻やめて、各学校で立てて子どもの顔を見ながら給食を提供する方式にすぐ切りかえるということ。だから、17項目の中で15、16のお年寄りに対しての配食サービスとか入ってますが、15、16あたりを即刻ああいう設備を利用して取り組んだらいいと思います。ただ、17項目のうちの目玉商品というか、目玉をきちんと決めて、それを早速やっていくということで重点を絞ってやっていった方が、17項目全部一気には無理だと思います。
 もう一点、衛生管理です。旭川荘の中に厨房があります。学校給食も一緒だと思うんですが、玄人の方はすごいもう家庭での感覚なんかは、全然違うレベルで衛生管理やっておられますから、そういうことは素人にはわからない分野だと思うんです。それが市長とか、教育長なんかも素人なんで知らないと思うんですよ。だからPTAへの委託なんていうアホなことが出てくると思うんです。(拍手)専門家の意見をちょっとでも聞いていただいたら、恐らく手が出せないだろうと思うんです。以上です。

○司会
 ありがとうございます。途中で拍手も起こっていますが、それでは次の方。

○女性(保護者)
 保護者の立場です。私の近くは自校方式でずっと来ているところです。先日も子どもたちが「わーい、今日はいいにおいがしてるんだよ」と言ってるんですよね。それが本当に私たちが聞いても自校方式のよさっていうか、先生たちで作ってくださってるっていう、本当にすごいことだなと思いました。学校給食民間委託、業者委託みたいな話が出てましたから、業者が入ってくることは営利を目的とするわけですから、全体一時的には低くなるかもしれませんけど、もう絶対それは利潤追求もありきですから、それは高くなる。私たち保護者からすれば、とても今の給食代だって、安いっていうには思ってませんから、2人、3人いたら大変なことでしょう。そういう意味で言えば、大変なことになるなと。
 それから、PTAの会合の中でって言う話がありましたけど、地域でもうお話があっちこっちで盛り上がってるというか、不安な材料で、ちまたであふれるという状況が出てます。お話の後で、その時は出ないんですね。だけど、次の日にはどういう形で出てくるかといったら、足守中学校PTAがしようかしら、時間給も出たらという話も出たりするから、私は行きたいという話が出たりする。それから冷凍食品がやっぱり小学校なんかで出てくるんだという話も出てるんですよね。やっぱりお母さんたちの不安がいっぱいあるなというのは、もうすごく実感がするんです。そういう意味では公的なところを、やめるということを私たち物すごく危惧するんですね。
 昭和34年ですか、私たち勉強する中で、清輝小学校で赤痢が発生したという話から、やっぱしこれは自校の中に栄養士の先生、調理員がきちっとしていないということで、岡山市は本当に先進を切って、1校に1人の栄養士の先生を置いた。私たちは邑久とか、新見の事件があったでしょう。そのときに、ああよかったなっていうお母さんの気持ちいっぱいあるんです。だから、そういう意味でやっぱり責任を持つ自治体にしっかりしてほしいというふうに思うんです。4月の実施はしてほしくないし、やめていただきたい。自校方式を守るというのを自治体として、やっぱりしっかり守っていきたいと思うし、次代を担う子どもたちですから、しっかりそれにはやっぱりお金をしっかり使ってほしいというふうに思っています。よろしくお願いします。

○司会
 ありがとうございます。では、真ん中の男性の方。

○男性
 私小学校のPTAの役員をしておりますが、1つだけお願いをしておきたいのが、PTAが委託するというふうなことの問題はだめだと言うのはやめていただきたいと思います。もちろん日程的に見れば、この審議会が設置されて12月の20何日だったか中間報告が出ましたが、どうもそういうこと自体が性急過ぎるという問題の中で、ならどうやってストップさせるかということのぎりぎりの選択をした。もちろんPTAは行政とは違うわけですから、どうしたらいいかというぎりぎりの選択の中で出てきたというふうに思います。その中で、こういうより良い学校給食をという運動、とてもいいことだと思います。
 ただ、方法論としてPTAももちろんより良い学校教育の一環という立場でありますから、もちろん労働組合の運動も同じだろうというふうに思います。ただ、そういうの中で行政とPTAが別に動いていては進んでいかないわけですから、そこらあたりも愛情をもっていかなきゃならないというふうに思ってるんです。ですから、もちろんPTA委託の話が出てはおりますが、固執する方向ではないと思ってます。ですが、とりあえず4月からもう民間委託なりが進むわけですが、今後そこらあたりも含めて、これPTAの運動のあり方にかかわってくると思います。
 僕も先ほどの山本さんと同じセンター給食ですから、自校調達も話が進んでないですね。これが現状なんですね。ですから、そこらあたりで運動上考えている行き先が子どものためという点では一致しているわけです。今PTAの運動とこういう会の運動と、何とかいい方向で連携できないものかなというふうに考えております。ですから、民間のPTA委託の件、ぜひとも悪く言わないでよろしくお願いします。

○司会
 ありがとうございます。本当に、みんなで力を合わせていくっていうことを考えていくことは随分大切じゃないかなと思います。今のPTAの問題も、私も最初聞いたころはさっきもお話があったように、民間委託になるならその前にPTAで何とかしようじゃないかみたいなことがあったようで、そういうことから発想も出ていたと思いますが、是非いろんな人たちが知恵を集めてといいますか、いい方向に持っていけるようにいろんな話もしながら進めていければいいなと思いますが、今のご意見等も踏まえながらどうぞ。

○田畑市議会議員
 田畑でございます。岡山市議会の文教委員は私だけのようですので、ちょっと市議会の議論の模様をご報告をしたいなと思います。
 文教委員会では1月18日、2月18日、そして2月23日、この3回連続をして学校給食の問題の審議がありました。その中で、正直をいいますと、文教委員会の中では特に学校給食の民間委託の部分とPTA委託の部分についてですが、これについてはやっぱり両論になっております。両論と言いますのが、試4月1日施行というのを余りかたくなに考えないで、みんなの意見をよく聞いてやったらどうかという意見と、決めて出したからには必ずやれと、もう民間委託を4月から実施をしろという意見と、今現在は対立をしているようになっております。こういう中で、教育委員会がどういうふうに最終的にされるのか、ここが今の段階としては非常に重要になってきた。そういう中で今教育長さんの最終的なご答弁では諸般の事情があって、その事情がクリアできないものについては強行はしないというところまでの状況ですが、しかし4月1日施行は守りたいというところで、非常にわかりにくいんじゃないかという議論も出て、長尾次長さんも大変苦しいところなんでしょうけども、そういうのが今岡山市議会の文教委員会の状況です。
 そこで、今日パネラーの方からお話を聞いて大変参考になりました。ありがとうございました。実は、昨日私の長男が柔道しておるんですけども、武道館へ練習に行きましたら、何か理大のネームの入った男の子とちょっと練習をしたそうなんですけど、うちの長男に足払いをその子がかけて、かけたその子が何か足をくじいて、それで帰ってきて言うのは、お父さんどうしたんじゃろうか、こええことじゃな。何か練習もできんなと、そう言う。やっぱり食の問題というのが今の子にとって非常に大切なんだなと。多分その子は中学校3年生だということで、理大のネームの入った柔道着を来ていたということは推薦でもう入ることが予定してるんだろというふうには思うんですが、しかしそういう子であってもやっぱりくじいたり、骨折をするような状況だというのが、やっぱり今の子どもの状況なんだろうなというふうに思いますので、私教育委員会あるいはまた栄養士さんに是非お願いしたいのは、やっぱり今地域の方々についても、子どもについても、保護者の方についても、食の教育がこれが一番やっぱり大事なんじゃないかな。やっぱり食文化の継承ということもあります。そういった点で、やっぱりもっともっと力を出していただいたらいいんじゃないかなというふうに思った次第です。
 また、文教委員会では私は先ほど非常にいいお話を聞きましたので、そういったご意見も反映をさせながら頑張っていきたいと思います。今日は、どうもありがとうございました。 ○司会  ありがとうございました。  文教委員会でのご報告ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。
 
○母親
 失礼いたします。私は、子どもがまただ小学校に行ってないんですが、上の子が大元幼稚園の、今年の春1年生に上がる母親です。民間委託のことは、2週間ぐらい前に同じ幼稚園のお母さんから聞いて今日来たんですけど、今日のことに関係あるかどうかわからないんですけど、ほかのお母さんから給食の献立表を見せてもらったときに、御飯の日でも牛乳がついてるんです。御飯のときはやっぱり牛乳じゃなくて、日本人はやっぱりお茶だと思うんです。牛乳は完全給食では絶対入れないといけないから、どうしようもないと言われてたんです。それは法律で決まっているからだめなんだと言われたんですけど、今岡山で給食をたて直すこの時期に、岡山だけでも給食に牛乳をなくす。私は子どもがすごいアトピーになったもんで、牛乳は幼稚園でも10時のおやつの時間には牛乳が出るんですけど、飲ませていません。牛乳は、そんなに私は栄養があるものだとは思っていないので、子どもの生後3カ月のころから食のことをいろいろ勉強してきましたけど、牛乳はやっぱり牛から出るお乳で、牛が飲むものであって人間が飲むものではないと思っいるんです。こんなことを言ったら、ほかの人は変だと思われるかもしれないんですけど、やっぱり牛が食べるえさっていうのに抗生物質とかすごい怖いものが牛乳の中には含まれていると思っていますから、少なくても米飯給食のときだけでも牛乳をお茶変えていいと思うし、それは子どもに水筒を持たせても良いと思うし、学校で出してくれてもいいし、そういうことは岡山市だけでも変えられないのか、ちょっと聞きたいと思います。

○司会
 ありがとうございました。私も米飯が行われるときに牛乳飲みましたけど、やっぱりちょっと違和感があります。それじゃあ、8時半を目途ということで考えています。途中で報告者の方にコメントをいただいてまた討論しようかなと思っていたんですが、少し8時を過ぎましたんで、あと何人かご発言したい方がいらっしゃいますか。
 じゃあ、済いませんがお二人の方にご発言いただいて、あと報告者の方に一言ずついただいて終わらさしていただくという方向で進めさしていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

○男性
 学校給食の食材が一番今高いわけですけど、これはやはり統一献立で岡山市内の全部の学校が一斉にやれば、市場で仕入れるわけですけど、やはり市場というとこは少し仕入れるのは安いんですけど大量に仕入れるとなると岡山の市場だけでは足らないわけで、どうしても一番高くなる。この前もどっかのお便り等にも書いてありましたけど、市場の場長さんが言われるのは、やっぱりあの方式がようねえんじゃということで、ああいうことになるとやっぱり食材はもう一番高いわけですね。ですから、このような高いものを使えば、どうしても当然単価も高くなってきます。また岡山ですと、本当に日本一農家が多いということで、面積も広いし、また気候もいいとこで、何でも本当にとれるわけですけど、やはりその地場のものがなかなか使えない。先ほど米でも言ってましたけど、やはり岡山は南部で米どころですけど、地場のものがなかなか使えない。やはりそれも統一の献立、または学校給食会とか、そういうところから回ってくるからだと思うわけで、やはり単独方式にすれば、1校ごとは大変でしょうが、ブロックごとにやれば、食材等もあるものを近くから仕入れていけば安くなるわけですから、そのようにやっていけば、少しでも単価は下がっていくんじゃないかと思いますんで、その辺を検討していただくようによろしくお願いします。

○司会
 ありがとうございました。献立の食材の購入費が高くついておることについて、そういう仕組みがあったのかなというふうに思います。じゃあ、もうお一方。

○男性(PTA役員)
 小学校のPTAの役員をしとります。ここでこんな質問をするのはどうかと思うんですけども、先ほどパネリストの斎藤さんのお話にあったことなんですけども、12時半なら12時半に子どもたちが温かい給食を食べられるようにというとこから逆算して調理にかかってるという話がありました。私もそこら辺は申しわけないんですけども、ある意味栄養士さんや調理員さんが非常に骨を追っておられるとこだと思うんです。そこら辺の状況について、まず私にもわかるように、今日は栄養士さん方も中にいらっしゃることだと思いますし、様子を教えていただければということで、質問になってしまうんですけども、よろしくお願いします。

司会
 じゃ、これは少し後で、服部さんなどから少しふれていただきたいと思います。 ここで今日いろいろな角度からいろいろご意見、皆さんでいただきました。この方にこれというのもあるわけですが、今日の会場からの皆さんのご発言等を聞いて、今思っておられることとか、こういうようにしてみたいとか、そういうようなことを報告をいただいたみなさんに、5分以内ぐらいで申しわけないんですが、順次お話をしていただければと思います。

○長尾
 たくさんのご意見いただきまして、皆さん方にお答えがいくかどうかはわかりませんが、気がついたところでお答えをさしていただけたらと思います。
 まず、人件費の問題ですが、人件費をどんなに注ぎ込んでも改善すべきチャンスなんだから豊かな給食をすべきだというご意見がございましたですけれども、客観的な数値を申し上げますと、年間365日、学校で給食が実施されておるのはその半分の160日から180日、昼食のみ。それも副食のみを調理をしていただいておるということでございますけれども、教育費の5分の1に当たる四十数億円が給食の公費負担としてつぎ込まれております。
 この実態をよしとするかあしとするかは皆さん方にお考えいただくとしまして、これが高いからといって、それじゃあ民間委託かということになりますけれども、中間報告でもできるものから民間委託をというふうになっておりますので、それがいつの間にか調理の民間委託だけに限られたようなことになっておりますけれども、民間委託をできるものは、配送であるとかというのも民間委託できるんならしようというようなことで考えております。今は調理の民間委託も課題に上っておりますから、その点では民間委託はイコールコストだというふうな観点でとらまえられがちな面は十分にあると思います。しかしながら、私ども作っております仕様書では、安全であるとか安心であるとか継続性であるとか、そういったことが十分担保される内容で民間の方で応じていただきたいということで、今仕様書を練り直している。そういう条件のもとに参加していただく業者の方に委託できればということで考えております。
 それでは、その委託が4月実施というのはなぜやるのかということでございますが、4月は実施というふうには私ども考えておりませんで、あくまでも試行したい。PTAも試行してみたいし、民間委託も試行してみたいし、今自校方式でやってるのを集約化、いわゆるセンター化ですけども、そういったのも試行してみたいし、自校献立、自校炊飯、米飯給食の拡大もあらゆることを試行してみたいと考えておりまして、それを今年の秋ごろまでに検証していただきまして、これはいいもんだということになれば、13年度から実施したいという考えを持っております。
 しかしながら、4月実施につきましてここでご紹介をしておきたいのですが、昨日も市長が2月定例市議会の提案説明の中で、その実施につきましてこんなふうに言われております。「現時点においては、給食現場等の同意が不十分であり、また市の方針も必ずしも市民の方々に十分浸透しているとは言えない状況であると存じております。問題の解決をいたずらに先延ばしすべきではありませんが、拙速な行動も慎まなければならないと考えております。基本に立ち返り、情報の積極的な公開、提供等を通じてじっくり市民の方々の理解を深める努力をするとともに、そのためにも理解を得られたところから試行を行い、その結果をまた情報公開していくというふうな地道な取り組みが必要であると考えております」というようなことでございまして、皆さん方の理解が得られたところから試行をしていきたいというふうな考えを述べておるところでございます。
 それから、PTAの参画等の問題ですけども、これは給食運営審議会の中でPTAに関係されている委員さんが3人入っておられまして、その方々から意見としまして親の学校への関与、親の心を学校給食へ入れてはどうかというふうなことで、この時は必ずしも調理だけをとらまえたんではなくて、献立であるとか、パートの職員としての参画であるとか、人材バンクであるとか、そういった発想があったと思うんですけども、今はこれもPTAの調理のということで、PTAの方々が調理部門への参画ということだけが随分前を走っておりますけども、これはPTAの給食全般への参画の可能性を探るということが私どもに課せられた中間報告の内容だと思っております。
 それから、統一献立で給食会からの仕入れによって高くついてるんじゃないかという声がございますけれども、これは4月から自校献立と自校食材購入の方式を工夫したいと考えておりますので、給食会から買うよりは安くつくと思われますので、給食費に反映できるものでないかと考えております。それぞれ以上でございます。

○司会
 じゃ、山本さん。

○山本
 最後ということなんで、先ほど教育次長さんが言われましたけど、最初の話はPTAの審議委員の方がPTAの調理という話をもってこられて、現在の条件をとってみても、私のところはやるとはっきり名乗られた2校がおられまして、実際にやるから対策をというような話が出ております。調理だけが給食ではないんで、その辺がどうもおかしいなという気が私はしています。
 先ほど私と同じ小学校区の2人の会長さんのお話があったんですけども、今の段階では、私の中学校PTA全員にはまだその内容がきちっとはっきりわかってないということもあります。まず、これはもう出遅れなんで、非常に情けない話なんですけど、まず保護者の方全員に内容を知っていただく。先ほどの方が言われましたけど、次の日にどういう話が回っていくとか、井戸端会議で話が出てくるとか、そういうようなことでも結構です。そういうようなやり方で、とにかく皆さんにこういうふうな学校給食になっていくと伝える場を作っていく。うちの中学校区、小学校含めて4校あります。栄養士さん、調理員さんがおられまして、今各栄養士さんとコミュニケーションとってますけど、現場の方、学校の方、特に学校の校長等まったく知られん人が多いんです。
 そういうことも含めて余り言いたくはないんですけど、学校で上の人が知られんという話はどこにもない。PTAも保護者が聞いておって、先生、校長先生がこれを知らんというばかなことはないと思うんで、お互いに学校のことじゃったら、保護者も先生も、それから関係者も知っとるのが当然なんですけど、どうもその辺が連絡がうまく取れてない。
 そういうことで、中学校区のPTAでもこうしたらという話を出そうとは思うんです。保護者の中学校が中心になるか小学校が中心になるか知りませんけど、うちの場合は私がリーダーシップをとって中学校区で話し合いをしたいと思っております。  先ほど人件費が云々の話をしておられましたけど、私はさっき言いました建築の職人です。1日日当が2万円です。単純計算しても250日、約500万円ほどある。うちに39歳の職人がいます。彼は25日丸々、時間外も含めて1日二万円で、50万円持って帰ります。年間に600万円。ボーナス含めて、39歳で今700万円ほどです。もう私も非常に痛いところで困るんですけど、動いてくれれば払わにゃいけん。調理員の方でも日数については160日と言われますが、それは私が考えても、それは確かに給食の調理員さんええ給料もらようるなあと思います。ただ、先ほどの論議にも学童給食とか地域への給食の配布とか、いろんな仕事が今まで何でできなんだんかなという気がします。
 部活の話も、うちの特別委員会の中で集まる役員の方がこういうことをお願いしたことがあると話をされたんです。ところが、それがどうも上の方で受けてもらえなかったというお話ですね。何でできなんだんかな。別にそういうチャンスがあったのにしなかったのが悪かったんか、言わなかったのが悪かったんかなという気もします。
 1食当たりの単価の話をしているのなら、プロの栄養士なり調理員さんがおられるんだったら、給料に見合うだけのいろんな効率のいい仕事を与えてあげればいい。それから、私はうちの職人ではないですが、動く人間には払いたい。そういう気でおりますんで、高いのは確かかもしれん。今の日数ぐらいで考えてみても。ですけど、そういう有効な使われ方をされる調理員だったら本望だと思う。給料が物すごく高い、最初はびっくりします、日数からいえば。そういう仕事を与えていく中で、一緒になってやっていけるような形で進めていく。800万円、平均50万円ぐらいだと言われますけど、プロの職人がもらう給料よりはるかにもらっているというふうに、私の考えではそういうことです。
 うちの中学校区では、保護者の皆さんにもこういった学校給食に対してわかっていただこうという努力をしようとしております。うちの中学校だけじゃなしに、他の学校にも今審議会でしょうられることが恐らくまだ末端までは知られてないところがあるんじゃないかなという気もします。皆さんにわかってもらえるまで、4月試行といったような話じゃなしに、末端までわかるまで、その内容ぐらいはわかっていって、理解できるぐらいのレベルまでにはしていくべきじゃないかなという気がします。

○司会
 どういうサービスができるんかということが問題なのかなという気がします。それじゃ、すいません、谷殿さん。

○谷殿
 話したいことはたくさんあるんですが。民間が能力が低いとかPTAは熱意がないとか、そんなことは全然思うてないんです。問題は、やっぱり畑が違うんですね。だから、スイカつくるのうまいお百姓さんが米作りがうまいちゅうことはないわけです。これの問題やと思います。
 民間も同じように食べ物作ってるようなんやけども、民間が作る作り方作る食べ物と、給食で子どもに食べさせてる食べ物とは、作り方も内容も違っている。できたら一緒みたいなんやけども、違うということを知っとかないかんていうことだと思います。それは家庭でも当然作ってるんですけども、これは考えていただければわかるように、全然道具も何もかも違う。家庭が給食に学ぶ部分とかはあるんですけれども、そういうところを言うてるんで、個人ではPTAにせよ民間にせよ、委託することがすごく危険性を伴ってるというふうに考えています。
 それから、委託の話ちょっと先ほどできませんでしたから、お金のことなんですが、人件費ね、これはこちらの会の方で言うてはるのに僕が口出ししてうだうだ言うことはないんですが、八尾でも計算しまして、実は八尾市も50歳過ぎた調理員さんがもうほとんどという状態の中で年間の人件費計算されて、平均何ぼやと、多過ぎるということで、それを民間にしたらこんだけ浮いてくるよという、八尾市の場合は22億円、10年間ですけど、22億円浮いてくるという計算をされたんです。
 僕らの方も計算したんですけども、若手の18歳の子を雇うと年間人件費ちゅうのは390万円。今働いておられてる、もう退職間近という方は800万円とかそれ以上取っておられるわけです。だから、そういう実態を無視した話はちょっと冷静じゃないというか、もうちょっと資料がちゃんと出されるべきじゃないかな。
 当然給食調理員さんノウハウも伝承してきてたわけやから、若い子とうまく組み合わせていく必要があるんで、直営の若い人ということになる。八尾の基準で採用して10年後に年間人件費560万円ぐらいかかるというんで計算してるんです。
 それと、もう一つは委託料なんですが、これも民間の方が安いやないかというお話を市長さんがされておられるということで、同じ業種でこんだけのもん作っててこんだけ安い、差を比べてチェックするんやという話を聞きましたけれど、一つは作るもんの質が違うということと、もう一つは民間委託した場合に、恐らく初め必ず安くなると思います。これは先ほどから発言も出てましたけど、八尾は余り安くないんです、割に。でも、東京の高いところの3分の1ぐらいです、ざっと言うてね。食数によって大分違いますけども、八尾は東京からいうと3分の1ぐらいやと思います。  それを堺、大阪の堺ですね、民間委託が入ってますけど、堺で入ったということは驚いたんですが、堺は委託料が八尾市のそのまた半分ぐらいです。やっぱり仕事欲しいですから入札で仕事とりにいかないといけないということで、初めはもう安さはすごいですわ。
 ただ、問題もものすごく出てます。八尾以上に安い分、堺はものすごい問題が出ています。先ほど仕様書の話が出ていて、契約書と同時に仕様書ということで、こんなふうにやっていくんやというのを、ずっと詳しいやつを結ぶんです。八尾で2,500万円ぐらいの契約をしている規模の学校を、そうですね、1,900万円ぐらいで請け負うてる会社なんやけど、2校落札しはってね。ここは市教委、市教育委員会から見ての認識が、「調理担当は無理」という認識なんです。応援に行ってきますって会社のベテランが「応援者が調理してる」「マニュアルを徹底指導」せないかん。これが市教委の認識なんやね。もう一つの学校は、「調理担当は単独では難しい」、そういう認識をしてるんです、教育委員会が。これ何ちゅうことを言ってるんだろうと思うようなね。
 それで、実態はどんなんかというと、配膳が遅れるんです。段取りが難しいでしょう、さっきも言うたように。ぎりぎりまで待ってて調理やるからね。だから、できへん。人はおってもぼさっとしてたりするわけですわ、慣れてなかったらね。だから「検食20分遅れ」でね。スライスって切るやつの「刃のとめねじが入っていた」。それから「ナイロンたわし、毛、糸が混入」「1クラスは食べるのをやめた」。堺では慣れてない、でも慣れてないからいうてたわしが入っとったら困りますよね。「社員教育ができていない」「段取りがわからない」「衛生マニュアルが守られてない」。守れないというよりも、まず読んでないと思います。
 何でかというたら、あのマニュアルむちゃくちゃ詳しいんですわ、教育委員会でやってはるの、もう泣きそうなぐらい。ようやっとるなあこんなんて、僕らが見ても思います。それのマニュアルがあるんですけど、そんなん読めというても、きちんと読みますか、また読んだだけでわかりますか。
 だから、結局栄養士、このチーフがしっかりしとったらチーフが指示するわけよね。チーフというのは向こうの会社の責任者ですね。それで頼りないチーフやったら地獄ですねん。それが足立の報告に書いてあるからまた見てください。
 うちのチーフは器用でして、サブチーフは若い子で男の子で結構できたんです。入ってきたときにね。ところが、八尾市は委託校を広げましたから、次の年に委託した学校にサブチーフが転勤してもうたわけですよ。これ市は関与できへんから、勝手に転勤しよったわけですわ。そこにパート入れてね。ほな途端にうちの学校は食器の洗いが悪うなって、ある日うちのクラスでスプーンが汚いなあって、子どもが言いに来たんやね食べ始めたら。見してみいていうたら、何か油がべちゃってついてます。ほんで、ほんなら汚れてる子言うてごらんていうたらクラスほとんど手上げるねん。えらいこっちゃもう食べとる。集めて持っていかしたら、実はそのとき3クラスぐらいそんなん出たんよね。
 ほんで、何かいうと、それは危険なものではなかったんやけども、先週の終わりに出たハヤシライスの油がこびりついてたんを、マニュアルどおりにやらなかった。マニュアルは1本ずつきっちり洗う。ところが、邪魔くさいからというより人手が足らんからまとめてばばーっと洗ったわけやね。ほんで、始末書をとりましたけどね。始末書とったって、事故があったら取り返しつかないことですわ。
 これはうちの話ですけどね。堺のある学校では「食器の汚れ続いている」「栄養士が目を離せない」「チーフは3日でやめて交代した」「今は課長級の人が来てるから落ちついてる」。  もう一校は、「栄養士が1週間でやめた」「6月7日には調理員全員が総入れかえ」、市の保健給食課が「衛生上重大な問題があった」と報告している。「責任者、チーフは指導できる状況にない」というんです。「数の間違いがいっぱいある」と。数の間違い大したことないと思うでしょう。うちのクラスですけど、10枚お皿が足らなかったというて出てくるわけですよ。大変ですね。こういうお皿も小さい子がお皿が足らん、先生足らん、うるさいとかいうて。そういうのんがしょっちゅう起こってきたら、信頼関係なくなりますよ、おばちゃんよう皿間違うなあとか言うたら。仕事は大変なんやね。それはわかってます。だから、おばちゃん責める気はないんだけど、それでわかったことは、「調理員は全員マニュアルを読んでいなかった」というようなことが、もうこんなん言うたきりないです、こんな冊子になってんねんやから。  ただし、もう一校の方の、さっきのチーフが1週間で辞めたというところは、「チーフは現在4人目」。4月に始まって9月まででこうです。「チーフは現在4人目、栄養士は現在6人目」。条件悪いからね、しんど過ぎたら辞めますねん。当たり前ですわ、これは。そやから、辞める人を責める気はないけど、辞められたらせっかく覚えた仕事がパアになるんですごくきついんです、学校はね。
 だから、民間で能力がないというのと違うて、違う畑のことを急にやらされてすごい大変やと。ほんで、なれてきたら新しいところへ行きますから。例えば、大阪で、うちの学校で、学校給食の調理が大分うまなってきてる調理員さんが、ひょっとしたら岡山で入札したら岡山で仕事やっとるという可能性もある。ここらがちょっと不安定な、まあ岡山にとっては喜ばしいことやわね、という問題があるということです。  ただ、給食の可能性というたらものすごうあって、我々の全国教研というのがありまして、そこで埼玉の猪瀬さんていう栄養士さんがレポート出してはるんやけども、給食のいろんなお便りとか子どもの作文を毎日子どもに出してはるんですこの人。ほんで、こんなん出てます。「僕は4年生まですべての魚が食べられませんでした。」そういう子がおんねんね。「今は大体食べられる」んです、給食に出てる魚は。理由は、「給食で何回も魚が出て、ほんで「味がいつもおいしい」「味のつけ方がいろいろ変えてあるからあきない」「あんかけやらたれなどで食べたらおいしい」「なれてしまいました」というふうにね。
 こういうことを配慮して−この子ちょっとびびりやねん。絶対びびりやねんね−偏食児童の表を作って指導してはるんや、この栄養士さんは。ここまでやるというのは全国でもあまりないと思います。すごいですよねえ。それとか、一緒に食べてると、同じものが出てきても私も嫌いやと、嫌いというのはほかにもおる。だけど同じものを嫌いと言うてた子が食べた。だから私も食べよと思うて食べたとかね。  給食の教育効果はそういうことなんやけど、これ先生が集めてる作文やったらまあ当たり前なんやけど、もっとそうならんとあかんのですが、栄養士さんがやってるんですね、これ。この作文をお便りにしてる。すばらしいなあと思います。
 一番うれしかったんは、さっき市の方ですか、農業発展の立場から地元食材の話されましたけど、ほんまにそういう時代やと思いますねん。もう農業いじめまくっとるからね。
 四国の南国市は民間委託しようと考えてたんを止めて、思い切って地元の食材ぱあっと使こうたとこですねん。雑誌にもいっぱい載ってんねんけど、給食費を下げられたと言うてますわ。大した市ですわ、ここはね。そういう取り組みがここ岡山はできるん違うかなあと、僕は思います。

○司会
 ありがとうございました。それじゃ、服部さんお願いします。

○服部
 まず、質問があったのを私の方からお答えいたします。12時半までに調理するのにどういうふうにしてるかってことだったんですが、先ほど言われたように、12時半にとりに来るとすると、煮物とか、シチューにしても、それからあえものにしても、それぞれかかる時間違うんですね。O157のあと2時間以内に調理しなさいってことになってますので、揚げ物にしても逆算して、私の学校だったら1時間かかるとか、この揚げ物だったら30分かかるとか、野菜をたくのも、煮ものをするのはこのぐらいたいて煮含めさせるから、10時ぐらいからお釜に火をつけて、コトコトたきながら様子を見て、12時半に仕上がるようにするとか、そういうことなんですね。
 大きい学校だったら材料がたくさんありますから、切ってるうちに火をつけないといけないこともあるんです。そうすれば、煮えにくいものから切って、それをたきながら次のものを切っていくとかという手順とかがあるんですね。そういうことが12時半までに調理することに合わせてやっていくということです。それで質問の答えになっているかどうかわからないんですけど、あえものだったら直前にあえて、あえてから食べる時間までをなるべく短くする。煮上がってから食べる時間をなるべく短くするっていうことを今してるということです。
 今まで岡山市でも休憩時間とかが決められてたんですね。市の中で決められてるいろんなシステムみたいなものがあって、それに従わないといけないっていう思いもあったんですけど、今はそうじゃなくて、子どもたちにどうすべきか、衛生管理の面からどうするかっていうことで、12時半にできるだけ近づけていこう、子どもたちの顔が見えてからできるだけつけるようにしよう。温かいものは温かく、冷たいものは冷たくということで調理をしてるということなんです。それでよろしいでしょうか。
 それと、牛乳のことなんですが、御飯のときの牛乳も現場にいるとそれがなれてしまって、こんなもんだと思ってしまう。多分すべてのことが現場にいるとそうだと思うんです。だから、なぜ今ごろになって言うんかなあって言われることも、現場にいておかしいなと思いながらも、多分それが慣れになってしまっているのです。そして、見つめ直すことをしてなかったということが問題だと思います。  牛乳については、完全給食の中に牛乳が入るっていうことが、学校給食法の中に一応定められています。でも、最初学校給食法が定められたときは、パン、牛乳、副食をもって完全給食とするとなってたのが、途中でソフトめんなどめんが入り、そして昭和54年ぐらいだったかな、米飯給食が始まりましたね。そのときにパンていうのが主食、牛乳、おかず、副食というふうになった。法律というのも、いろんなとこで変わっていますよね。だから、やっぱり変えていくことはできると思うんです。昔は脱脂粉乳だったのが牛乳に変わったということもありますし、それからパンだったのがめんが入り、御飯が入ったということがあるので、やはりみんなの中でおかしいなということで変えていくこともできると思います。先ほどお母さんが言われるように、給食を食べる時間に牛乳を飲むのでなく、学校に子どもたちが居る一日の時間のすべてを視野に入れて、例えば業間に牛乳を飲むとか、そういうことも一つの方法としてはあると思うんですよ。そして、御飯の日には業間に牛乳を飲んで、給食のときお茶を出す、そういうところをこれから真剣に学校の中でも業間に牛乳を出すのかどうなのか、業間に飲むと遊び時間がなくなるんじゃないかという問題もありますし、その中で先生たちや子どもたちと本当に真剣にそこを話し合って考えていくことが必要です。御飯の時に牛乳を飲むのは本当に食文化からするとおかしいと思います。
 そういう今まで当然のごとくしてたことをやはりここで見つめ直す、そういう意味では本当にいい機会になると思いますので、おかしいなと思うことをおかしいよ、正していこうということにしていきたいなと思います。
 皆さん方からも改善していく、今このことをやってほしい、もっと多機能の豊かな給食をしてほしい、こんなことができるという励ましの声もいただきましたし、私たちも今変えていこう、変えていけるんだと思っています。どちらかというと私たちはシステムの中にいますと、もう仕方ないんだというのが今まであったんですけど、今審議会の中間報告でもいろいろ改善部分での提案が出ています。それは、私たちが17項目を挙げて改善していきたいという内容とほぼ一致してる内容だと思います。そういう意味では、改善ということについて今やっていける、そして私たちの熱意があればやっていけるんだと思いますので、本当に頑張っていきたいなと思います。
 そして、先ほどPTAの方から、ポイント、目玉を絞ってやったらいいんじゃないかという声もいただきました。学童とか、それから部活とか――小学校では部活はありませんけど。中学校で部活とか、小学校では学童。すべての学校にはないですが、あるところでは多機能化をしていく一番の近道ではないかなと思います。
 それと老人の配食サービスとかというのもできると思いますので、これからどこができるか、そしてPTAの方々とも一緒に、PTAというのは保護者の方、教員、職員すべて一緒ですので、その中で給食についてどうしたらいいかっていうことをしっかり話し合って、いい方向にしていくように現場としても頑張りたいと思います。是非またいろいろご意見を学校の方にもお寄せいただいて頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

○司会
 ありがとうございました。会場の皆さんから寄せられたいろんなご意見に今4名の方にお答えいただきました。すべてのことにお答えできたどうか、もれていたこともあるかとも思いますが、非常に申しわけないんですが、ここらで討論は閉めさせていただいて、私の方からのお願いとしてできれば、こういう機会をいろいろな中学校区単位というと大変でございますけれども、いろいろなところで是非こういう機会を作っていいただければうれしいなというふうに思います。
 今日のようなこういう話ができると、本当にこの給食を改善していけるなあ、豊かになっていくなあという夢や展望が見えてくるような気もしますし、今問題となっておる単価も安くなっていくんではないかなと、そのようなことも考えられます。何よりも職員と市民の方々が参加できるというのが非常によかったんじゃないかなというふうに今感じております。私も改善のために皆さんといっしょに努力もしていきたいなというふうに申し上げておきたいと思います。
 司会進行がまずくて、少し時間が過ぎて申しわけなかったんですが、4人の報告をいただいた皆様にもう一度皆様で拍手を送りたいと思います。
 それでは、最後に閉会のあいさつを豊かな学校給食をめざす市民運動実行委員会の代表委員をなさっています山口さんからお願いいたします。

○山口
 皆さん、お疲れのところをご苦労さまでした。今日は本当にたくさんの参加者の方のご意見と報告とを聞きまして夢が広がる一方で、一歩間違えばの危険性も感じました。どちらにしても私たちが本当に子どもを中心に給食をどう思うのかなというのを、新しい世紀に向けての給食ですから、今の形にこだわらないで、いろいろ取り組みをしながら考えていけたらと思います。
 今岡山市の給食がどういう形でやられてるかというのを知らないお母さんが非常にたくさんいます。また、今こういう問題が起きて、皆さんどういうふうなんかなということもわからない方もたくさんいる。実際給食があるところでの意見が出たんですけど、資料もまた後でゆっくり読んで研究したいと思っております。
 いずれにしても、まだまだ論議は本当に緒についたばかりという段階ですので、教育委員会の方でもゆっくり時間をかけてって言われていますが、私たちにしても本当に地域に帰って、学校へ帰って、大いに論議を重ねたいと思っています。
 今日は大変長時間に渡りご苦労さまでした。ありがとうございました。

○司会
 ありがとうございました。申し遅れましたが、アンケートがありますので、是非それを書いていただいてお帰りいただきたいと思います。それでは、今日はどうもありがとうございました。

                                                      以上