「中間報告に向けた考え方の概要」(第一部会)

1 中間報告に向けた主な意見
@ 関係者の役割と責任の明確化
健康教育,食教育に対する学校,家庭,PTA及ぴ栄養士,給食調理員,担任,教科の先生の役割分担と責任,加えて学校給食で対応出来ることと出来ないことをを明確にしていくべきである。

A 食器や食材の見直し等
食器や食材にっいては児童生徒の食文化形成にふさわしいものを使用すぺきである。例えば,洗い里芋より皮つきのものを,冷凍みかんより旬の梨や柿を,リンゴも家庭で食べるように皮をとって提供するようにすぺきである。
また,温かい物は温かく,冷たい物は冷たく食べれるようにする目的や安全管理・衛生管理の面からも給食センターでは,保温・保冷車等の導入を促進すぺきである。

B ドライ方式による給食場及びランチルーム(食堂等)の整備促進
安全管理‥衛生管理の観点から今後整備する給食場については,ドライシステム化していくことが決まっているが,今後その整備を促進していくとともに,新たに整備する場合は,強化磁器による食器の導入にも対応出来るスペースを確保していくぺきである。また,教室とは異なった雰囲気で食事ができる環境(ランチルーム等)も合わせて整備する必要がある。

C 選択献立方式等の導入
新学習指導要領に合わせて楽しくゆとりのある学校給食を目指すとともに,選択献立方式の導入や学校行事に合わせて自由献立日を変更したり,弁当持参日の設定,給食時間の見直しなど,学校給食の運宮に柔軟性やある程度の弾カ性を認めていくぺきである。また,集団給食としての学校給食に個別の事情を尊重し対応していくという考え方を持ち込むことの適否についても検討していくぺきである。

D 残菜処理の在り方
給食現場から発生する残菜については,家庭ゴミと同様に収集処理しているが,学校教育の中に環境教育として取り入れるぺきである。また,可能な限り学校内で処理するシステムを整備し,有機肥料としての活用などを検討すぺきである。

E 保健所等によるチェック機能の発揮
保健所には食品衛生監視員が配置きれ,食品について指導と検査を実施している。保健所が民間に対すると同様に学校給食の安全管理・衛生管理に関わることにより,今以上に学校給食の安全管理・衛生管理水準が確保できる筈である。こうした市行政内のチームワーク体制を整備する必要がある。
また,学校給食現場における安全管理・衛生管理責任者として学校栄養職員の位置付けと保健所を加えた管理体制を明確にし,チェック機能と指導性を発揮すぺきである。

2 中間報告に向けてのまとめ
飽食の時代と言われる今日,給食制度開始当時とは社会的背景が大きく変化した中で,学校給食の役割は終わったという意見もあるが,教育活動の―一環として,次代を担う児童生徒に生涯を通した健康づくりや食文化についての基礎知識を身に付けるとともに,集団生活のマナーやルールを体験しながら習得していくという教育的意義は依然として大きなものがあると考えられる。
しかしながら,岡山市の学校給食運営の実情にっいては,食器や食材の問題を初めとしたいくつかの課題があり,また,集団給食としての学校給食に個別の事情を尊重し対応していくという考え方を持ち込むべきかどうかなど,今後の学校給食運営の在り方について検討を加える必要がある。
こうしたことから,第―部会では,早急に取り組むぺき方策の主なものとして次の項目について意見を取りまとめたので報告する。可能なものについては来年度から実施若しくは試行され,児童生徒にとって安全で美味しく楽しい給食になることを期待する。
・ 食器の見直しを図ること
・  食材の在り方を見直すこと
・ 給食センターにおいては保温・保冷車等の導入を促進すること
・ ドライ方式による給食場の整備を促進すること
・ ランチルーム(食堂等)の整備を促進すること
・ 学校行事に合わせた献立,弁当持参などを導入し,弾カ性のある学校給食にすること
・ 残菜の処理方法を見直すこと
・ 学校栄養職員のチェック機能と指導性の発揮及び保健所機能との連携強化を図ること


「中間報告に向けた考え方の概要(第二部会)

1 中間報告に向けた主な意見

@ 制度疲労の問題
岡山市の学校給食は,制度開始以来,いくつかの改善や見直しが行われてきたものの,給食制度開始当時とは,社会情勢が大きく変化する中で,社会的要請との間に格差を生じ,運営方法そのものに制度疲労を生じている。

A コスト削減に向けた方策
給食コストの削減方策については,コストの53.5%(平成10年度)を占めている人件費削減方策に取り組まざるを得ない。
具体的には,勤務労働実態に見合った賃金体系への見直し,パート職員への切り替え,可能な業務は民間委託,第三セクターの活用,定年年齢の見直し,国基準以上配置している学校栄養職員を初め,加配職員の見直し,などいくつかの方策を組み合わせながら実効ある対策を見出していくぺきである。

B 保護者の役割,責任,PTAの参画
児重生徒の食に対する家庭機能の現状を踏まえたうえで,学校給食に対する保護者の役割,責任についても原点に立ち返った議論が必要である。
そうした議論を踏まえ,PTA組織が学校給食運営に主体的に参画できないかを検討する必要がある。

C 共同調理場方式と単独校方式
岡山市においては,3か所の共同調理場を運営しているところであるが,1食当たりコストを見ると共同調理場方式の方が高くなっている実熊がある。論理的には,共同調理場方式は業務集約によりコスト低減できる筈であり,見直しの検討が必要である。

D 業務拡大による単価の低減
現体制のままで部活を行う生徒や地域の高齢者,学童保育対象者等へ給食範囲を拡大するなど多機能化によって,給食数を増やせば理詰的には1食当たりコストを低減することができる筈である。

E コスト評価システムの導入
同種同業の仕事であれば,経費的には公も民も同じであるのが普通であり,理論的には税負担していない公の方が安い筈である。コスト格差をチェックする評価システムを導入すべきである。コスト面を含めて市民の批判に耐え得る学校給食でなければならない。

F 食材購入システムの見直し
学校給食の食材は,(財)岡山市学校給食会を通した共同購入方式が主として行われている。この方式では(財)岡山市学校給食会が購入価格に対して―律3%を手数料として徴収できることになっており,食材を安く買うためのインセンティプが働かないシステムとなっている。
そこで,同じ食材なら安く買えば安く買う程,(財)岡山市学校給食会の収益が上がる食材購入システムを考案する必要がある。

2 中間報告に向けてのまとめ
岡山市の学校給会運営に要する経費は,年々増加しており,教育費全体に占める割合や1食当たりコストの現状は,今後の教育行政にも深刻な影響が懸念されるとともに,市財政全体にも―層大きな負担を強いることが予測される。
こうしたことから,第二部会では,現在の安全管理・衛生管理水準や給食の質を確保していくという前提ではあるが,早急に取り組むべき方策の主なものとして次の項目について意見を取りまとめたので報告する。
可能なものについては来年度から実施若しくは試行され,コスト削減の実効が上がることを期待する。
賃金体系及び定年年齢を見直すこと
学技栄養職員の配置を国基準並に見直すこと
パート職員など加配喰員の配置を見直すこと
パート職員への切り替えを検討すること
可能な業務は民間委託すること
第三セクターの活用を検討すること
PTA組織による学校給食運営の可能性を検討すること
共同調理場方式について検討すること
現体制下で可能な学校給食の多機能化について可能性を検討すること
コスト評価システムを検討すること
食材購入システムを見直すこと
削減出来た経費については教育施設の充実に還元すること