平成11年10月3日岡山市学校給食運営審議会合同部会の会議概要
<1> 日時・場所

  日 時  平成11年10月3日(日) 14:00〜16:45
  場 所  岡山市役所 3階 第3会議室
<2> 会議の概要

1 開 会
 目瀬会長が、「本日は、給食に係わっている方々のご意見や現状をお聞きし、今後の審議の参考にさせていただくためお集まりいただいた。」とのあいさつの後、会議を公開することとし、議事に移った。

2 説明及び意見の概要

会 長:
学校給食関係者から、実態を生の声でお聞したいと考えているので、この場での発言内容は、他の場所で、取り上げないようにお願いする。
それでは、最初に栄養士の方に入ってもらってください。
時間が15分に限られているので、説明を簡潔にお願いする。

説明者:
勤務時間以外に土・日曜日に自主研修とか地域での料理教室を行っている。衛生管理も職務の26.4%を占めるなど努力し、大きな事故もなく現在に至っているが、1校1名の配置は、ありがたく思っている。
食教育も年間180回の学校給食を通して、子どもたちに食生活の大切さについて食指導をしている。今後、子どもたちが、生涯にわたり健康を培うことができる学校給食となるよう審議会で話し合われ、よい結論がでることを期待するとともに答申を謙虚に受け止め、職務の遂行に邁進したいと思っている。
説明者: 食の専門家として、学校給食の制度や学校給食を通じて、子どもたちや地域の食生活を変えていきたい。保護者、子どもたち、地域の人たちの声が献立や食材に反映される豊かな学校給食を実施し、学校独自の献立を立てたい。子どもの学校給食だけでなく、地域の人たちと料理教室を開き、おふくろの味や季節の料理を伝えたい。独り暮らし老人の配食サービスも学校給食施設を使えば、地域のニーズに応えられる。岡山市は自校調理方式で、全校に栄養職員配置、また調理員も文部省基準で配置されている優れた制度を生かしていきたい。統一献立や一括購入に問題もあるが、我々の努力不足もある。これらを具体化していくことが、給食の問題を打開し、全体的にコストを下げることにつながると思っている。

委 員:
小・中学生の心身ともに大切な時期の学校給食を担当する栄養士の業務は、栄養管理、給食管理、栄養教育の3つあるが、それぞれの観点から、希望とか改善方法を出していただきたい。

説明者:
栄養管理について、共同献立、共同購入は、食材や調理方法に偏りがない利点があるが、献立の変更がきかないという制約もある。調理員数に余裕があれば、給食内容のレベルを上げられる。衛生管理は、栄養士を1校1名、置いていることで、きちっとできている。栄養教育は、10年ほど前から指導資料の作成もしてきたが、まだまだ、不十分な面があり、研究している。食指導は、時間割に合わせて、午前中に教室で指導したいが調理のことでできない。これらが改善されたら、よりよい給食指導ができる。

委 員:
1日のスケジュール表があるが、具体的に、一昨日の金曜日、給食の作業日程を、時間を追って説明してほしい。

説明者:
8時半開始以前に、水質、水道水を5分流し、塩素、温度測定をして、8時半から職員朝礼。それが済んで、調理員とミーティングを簡単にして、9時から、調理員が数をそろえた牛乳の温度測定、使う食材の検収をした。当日の献立がきつねうどんとごまあえで、おあげの温度を測ったり、調理員がすることに対し、衛生管理指導等や伝票整理や数の間違いを点検した。金曜日は銀行が来る日で、集金のお金を持って11時から30分ほど職員室へ行った。11時半から、麺を数分けした。食材をたく温度の管理、スープの取り方や野菜の水切り具合を見た。12時から、校長に検食してもらい、保存食を取り、子どもたちに見本の給食を出す。12時15分には、子どもたちが取りにくる準備や栄養黒板や手洗いのオスバンを確認した。12時半にチャイムが鳴り、鍵開けをした。子どもたちが来て、持って帰る様子を45分から50分の間に確認した。その後、子どもたちの配膳や食べる様子を簡単に見て回る。1時過ぎに、金曜日なので、教室を回りながら一言指導を行い、帰って食事を済ませ、今度は返却指導で、残飯や返ってくる様子を見て、あと子どもたちと一緒に掃除をし、掃除の反省会も2時に終わり、職員室へ来た文書を確認後、伝票整理。月初めのため、給食だよりの作成、印刷をした。不登校とかの問題児がおり、担任と給食のことで話をした。それから、児童数も変わり、牛乳、パン屋に数の変更の電話をし、4時から、調理員と今週の反省を少しし、来週1週間の流れを話し、事務処理を5時過ぎまでした。細かいことは覚えてない。

委 員:
栄養士が調理を手伝っているが、栄養士の仕事なのか。手伝ってくれということは、よくないことか。食器を洗うこともよくないことか。

説明者: そうだ。

会 長: ありがとうございました。次は、調理員さんに入ってもらってください。

説明者:
中学校5校の3,310食を調理員18名で作っている。単独校と差がつかないように、同じ献立を作るよう努力している。休憩も取れない状態でお昼を出し、返ってきた食器を洗うまで1日働いているのに、稼働率50%という話が出たのは残念である。子どもたちの命を預かっているとの思いでよい給食をと直営で努力してきたのに、民間になって子どもたちに跳ね返ってくることが不安だ。広島県の市町村では、民間委託になって素材が落ちていった話を聞いている。我々は、160食しか作らないとは言っていない。少しでも多く作りたいと申し入れているが、教育委員会・学校の都合か、現状の数となっている。三季休業(春・夏・冬休み)も決して楽をしているわけではなく、日ごろできないスプーンや食器の一つ一つを磨いたり、食材や衛生面の研修を受けている。新たな知識、経験を入れるよう研鑚をしており、1日も休んで楽をしているわけではない。学校給食は、教育の一環で考えるべきで、決してコストで論議されてはいけない。将来ある子どもたちの命だから、審議会で子どもたちにしわ寄せがいくような結論が出ないことをお願いする。

説明者:
岡山市では各校に栄養士がいて、指導が行き渡り、調理場の整備は日本一だと思う。三季休業中は隅々まで磨き、事故防止につながっている。子どもたちが返しに来たときに、「ありがとう、明日もおいしい給食を作って。」と言う。配缶のとき「しっかり食べて。」と言って出す。そういうことが教育の一環につながると思っている。

委 員:
調理員は、市民病院、保育園、老人ホームにもいる。老人ホームや病院は長期休暇はない。病院は、病状に応じて多種多様な調理もし、夏休みにスプーンを磨く時間はない。お二人は、病院や老人ホームへ勤めたことがあるか。

説明者: ない。

説明者: ない。

委 員:
病院も老人ホームも年中無休のため、交替で休みを取ることになると思うが、同じ調理員として、どのように思われるか。

説明者:
我々も夏季休業中に、学童保育や部活の子どもたちに給食をしたり、独居老人に弁当を作るとか要求書を出しているが、市教委から了解がない。三季休業中も、前向きに一所懸命努力しようとしているが、実現していない。

説明者:
学校給食は、生徒がいる昼ご飯だけを作ることとなっている。病院は、入院されているので、朝昼夜とある。施設を利用して、できることはすればよい。老人などのことを考えれば、直営なればこそできることがたくさんある。

委 員:
給食は、中身と同時に、食器が大きな役割を果たすと思うが、食器使用の制限、丼等が使えない状況は、どう考えているのか。
説明者: 丼は、食器検討委員会を開き、予算がつけば入れることとなっている。我々は、丼の使用に同意しているが、予算がつかないだけだ。

会 長: ありがとうございました。次の校長先生をお願いします。

説明者:
単独校方式で、専門の栄養士、調理員で安全面、衛生面に配慮した給食づくりができて、ありがたい。共同献立方式は、どこの学校も同じ給食がとれるという本当によい面があるが、特長が出せない。ある程度自由があれば特色が出せるが問題もあろうかと思う。栄養士と調理員はそれぞれの立場があり、一枚になることはむずかしいが、主人公は子どもであることを考えて協力すれば、さらによくなる。

説明者:
単独校方式で温かいものは温かいまま、冷たいものは冷たい給食で、子どもたちも喜んでいる。食に関する指導も栄養士を中心になされており、この体制が続くことを期待している。

委 員:
学校給食は、教職員と子ども、教職を持っていない職員との関係もある。先生以外の給食関係者は、昔は日陰者扱いだった。知識を教えるだけが学校教育ではないと思うが、教員は学校給食の指導を負担に思っているのか。
調理員が職員会議へ出ることを学校全体では、良しとされているのか。

説明者:
市内に学校がたくさんあるので、全体的にはどうかわからないが、どうしても学校は、子どもに直に関わるものが焦点が立てやすいということは、現実にある。職員会議等に議題が出るし、思う思わないに関わらずそうなる。
意識的にしてはいないが、結果的にそう思われることは、あるかもしれない。あるとすれば、きちっとしないといけない。

説明者:
子供たちが食器を返すとき「今日の給食おいしかった。何とかが悪かった。」と言うなど、子どもたちと調理員、栄養士の間もうまく行っている。中学校では、給食指導が負担になるのは事実だ。例えば、エプロンをつけるように、4月に言っているが、1年間続くクラスと、1と月でできなくなるクラスもある。これは、教師の指導力の問題と思う。

委 員:
開かれた学校づくりとか特色のある学校づくりが叫ばる中、時間割どおりにスケジュールが進まないケースが起こっており、給食の時間も変ってくる。例えば、30分ずれるのは、連携という中で、実態面でうまくいくのか。

説明者:
それは中学の方が多い。普通は12時40分から給食だが、早いときは12時からで、40分の差がある。特に7月などは暑く、12時から給食をして欲しいと言うと大変だった。次の月の何日は12時から給食というときは、勤務時間を振替えてもらっている。

説明者:
小学校も、前もってわかる行事等は、どれどれできるか相談しながら、できる範囲でやっている。急な場合は、こなせると一概に言えない。

委 員:
1食が710円についている。そのうち、父兄負担がどれぐらいか、ご存じか。父兄は、給食が230円だと思っている人が多いが、実際は710円で製造原価だ。これは市価でいうと1,200〜1,300円かかっていることになる。そういう実態から710円をどうお考えになるか。

説明者:
再三の報道で710円ということがわかったが、小学校は1食平均が233円だと思っていた。保護者は710円かかるのは、わかってない。結局、徴収するのは材料代のみであり、我々も知らなかったのだから、当然、ご存じないと思う。
きちっとした設備できちっとしたものを作るという点は、物をつくるのと違い、ある程度やむを得ないと思うし、よそと比べて高いか安いかは、資料もないので、わからない。

説明者:
本校は1食300円ちょっとだ。休みを除き、毎月6,000円ずつ、徴収しているので、保護者は、大体1食がどのくらいかはわかっている。

委 員:
岡山市の財政が逼迫し、このまま行けば大変ということで、この審議会もできた。20年、30年後に、子どもたちに借金を残す方が教育的か、借金を少なくするのが教育的だと思われるか。
会 長: むずかしい質問だ。自由にお答えいただきたい。

説明者:
大変むずかしい。考えれば、借金はないのに越したことはない。市の財政は教育だけでなく、ほかの面も併せて考えないといけないと思う。

説明者:
教育に金をけちってはいけない。岡山市の財政となれば、子どもたちの関わらない、大人のところで判断してもらいたい。

委 員:
学校給食を取り巻く状況が、変わってきた。栄養不足を、1日1回の学校給食で補う時代の学校給食と、学校給食に伴う食文化や食習慣の問題が出てきているが、学校、家庭、地域社会という中で、学校の役割分担をどう考えるか、校長の立場でのご意見を聞きたい。1日1回の給食で、食文化、食生活、食習慣について、校長としては、どういう立場、考えで検食されているのか。

説明者:
検食は、安全面など決められたことをしている。いろんなメニューが出るので、どのように教材や食として配慮してあるのかを考えている。学校には、栄養士という専門職や調理員もいるので、子どもの健康面や施設面等で、問題点として保護者に示せることがあれば、できる範囲ですべきだが、学校のできる限界はある。

説明者:
検食は、臭いや異物に気をつけている。先日、給食のない日に、子どもたちが持ってきた弁当を担任に聞いたら、コンビニなどで買ったサンドイッチやパンという子が3分の1いた。おかあさんが作った弁当を持って来た子は、豪華で、差が激しかったと言っていた。本校では、給食だより、給食ニュース等を保護者に配るが、給食で扱う献立や食材に触れたり、生活習慣病を防止する方法など、栄養士が中心になって、保護者向けに啓発している。

会 長: それでは、次の方。ご苦労さまです。

説明者:
学校給食の支出を削る方向での論議が進んでいるが、良くする会は民間委託やリストラは、給食を良くすることには逆行することとらえて、署名行動をして74,817筆を集め、教育長に提出した。最も重視するのは、子どもたちの食をめぐる状況が深刻な事態になっており、NHKテレビでも放映されたが、子どもたちの生活が夜型になり、睡眠不足で食欲も時間もなく朝食を食べない子どもが増えている。コンビニ等の外食も増えている。もう一つ、自分の部屋で、テレビやゲームをしながら一人で食べる個食が増えて、一家団らんは昔の風景になりつつある。また、食事内容のバランスが悪くなっている。カルシウム、鉄分、たんぱく質などの栄養が必要量の半分以下と言われる。体の不調は生活リズムや食生活も関係があり、学校給食の果たす役割が大きい。特に、給食を市直営で自校方式で行ってほしい。
栄養士や調理員、学校の施設を使って、地域の食教育をもっと充実してほしい。

委 員:
1日3食のうち2食は、家庭に関することなので食生活は、学校だけの問題でなく、家庭や社会が関わって考えなければならない。その中で、学校給食に期待することもいくつかあるが、実際に問題になっているのは、経済的な面が大きい。良くする会では、実際、給食の内容的なものに問題を感じているのか。もう一つ、財政的に考えて、委託でなく折衷案みたいな具体的なものがあれば、提案してほしい。

説明者:
内容でいちばんに思うのは、食材の購入だ。一括購入だが、岡山は、農業都市で、季節の果物や野菜が採れる。一度には無理だが、できるところから取り入れ、米飯給食も増やして、給食を和食中心の食事にしたい。民間と折衷案ということはむずかしい。

委 員:
みなさん方は、委託をしたくないのでしょうから、委託にしないで、コストを考える方法を聞きたい。

説明者:
コストについては、仮に野菜を仕入れた場合、岡山産を使えば安くなるはずだ。給食は、出たお膳の、見た目だけの物の値段ではなく、給食をどう学校で生かすかだ。先生や栄養士が、食卓にのぼるまでの労働や生産現場のことを教えることも必要だ。いまの給食は、無駄を省くことは、当然見直すべきだが、コストで片づかない部分を公教育でお願いしたい。

委 員:
話を聞くと、学校給食をみんなで良くする会ではなく、食をよくする会だと思うぐらい、食に対する考えがあるようだが、焦点は学校給食のみか。本当は、食全体を考え、その中に学校給食があるのではないか。

説明者:
学校給食だけに求めているわけではなく、一家団らんでの食事も大事だ。家庭だ学校だと言っていても、現実、こういう事態が起きている。学校の指導に期待したいということで、家庭は仕方がないと言っているのではない。

委 員: 子どもにとっては、だれが作ったかは、大した問題ではない。
給食が、おいしくて安全かどうかが一番の問題である。安全性のチェックを果たさないと、学校給食は成り立たない。子どもにとって大事なのは、誰が作った給食かではなくて、どういうチェック体制の下で食べさせてもらっているかだ。特に市民運動の、こういう要求を出している方に聞きたい。

説明者: 我々は、チェック機能があるからこそ、言っている。
市の直営だから安心して任せられる。

委 員: 現状は、チェックが十分働いているとの認識で、これを作ったんですか。

説明者: そうだ。

会 長: 学校給食をみんなで良くする会と、もう一つ、学校給食を考える会が別にあるが、お互いの関係は。

説明者:
考える会は現業の方の会で、関係は直接にはない。お互いに協力できるところはすればよいが、現状ではない。

委 員:
良くする会も考える会も、民間委託反対と言われており、それは一つの考えだから構わないが、提出された資料に直営、民間委託の場合のデメリット、メリットが書いてあり、直営がよいとの結論だと思う。こういう論点で整理すると、パン、牛乳、ご飯は現在委託としているが、現状でご飯やパンに問題があるということが検証できているのか。例えば、コストが上がると書いてあるが、ご飯もパンも牛乳も、コストが上がって困っているのか。

説明者: 民間委託になると、コストが上がるということか。

委 員:
民間委託になるとこういう問題が、直営にするとこういう問題があると、良くする会の資料に書いてある。ご飯もパンも牛乳も委託していることに問題があるのか。

説明者:
パン食をご飯に変えたので、パン屋さんに炊いたご飯を持ってきてもらっている。ご飯は、学校の調理場でも炊けると聞いている。その分コストは下げられる。パンはむずかしい。

委 員:
論理的なことを言っている。できるできないは別問題だ。良くする会の民間委託に対する考え方を肯定したうえで、パンもご飯も牛乳も現在は委託であり、そういう問題が現にあるのかを聞いている。

説明者: それは、あると思う。

委 員:
それがあれば、十分検討しないといけない。委託しているからこういう問題が現に起きているというのであれば、そういう問題を真剣に考えるというのが、出てきていいのではないのかと言っているのです。

委 員:
たくさんの署名を集めているが、我々PTAは、その6割ぐらいしかいないのですが、署名の時に保護者が払うのは260円、最終的には700円ぐらいのコスト、その差額の問題や、市の教育予算240億円のうちの40億円使っているとかの、情報を流した上での署名か。

説明者: そうだ。

        ( 休  憩 )

会 長:
再開する。30分ほど遅れているが、折角の機会なのでご協力をお願いします。それでは次の方、お願いします。

説明者:
考える会は、安全な学校給食を子どもに提供するにはどうすべきかを調理員や栄養士とともに考えてきた。民間委託の話があるが、公的な学校給食の場に、私的なものが入って、学校現場が今以上に荒れ放題になるのではないかと懸念している。それから食材とか学校給食を支えている大勢の人が居ることを自校方式を通じて教育して欲しい。それが教育の一環である。
子どもが主役を念頭に、学校給食を健全なものにすることが、我々の子どもたちに対する最大の愛情であり、それがなければよい学校給食とはならない。

委 員:
私もPTAだが、子どもたちの愛情を言うのなら、極論になるが、学校給食をやめないといけない。チラシに、子どもの健康が危ない、小児成人病、骨折の多発、小児アレルギーなどが書いてあるが、学校給食に頼り過ぎている感じだ。ある意味ではPTAの仕事かもしれないが、本来、食事は家庭からだ。学校給食は、そのうちの1食でしかないが、そのへんをどう考えるか。食材の関係でも、どういう形にしたらよいと思うのか。

説明者:
学校給食に頼っていると思うかもしれないが、一般社会の食文化、食が荒廃しているが、学校給食がお手本になれば、良い。
ここに本があるが、家庭でよい食事を心がけようと思っても、よいものが売られていない、悪いものをだまされて買わされていることをこの本は訴えている。そういう意味で、学校給食が、家庭の食生活にも警鐘を与える食事内容になればよいと思う。

委 員: そのために、具体的にどうしたらよいと訴えられているのか。

説明員:
調理員や栄養士から学校給食の内容の話を聞くが、いまの状態がよいかと言えば、内容を変えて改善する余地がいっぱいあるということだ。

委 員:
それと、民間はいけない、公ならよいと言うのとどう結びつくのか。なぜ、民間はだめで公はよいのか。民間でも、よい食事を出す店は、山のようにある。

説明員:
教育の一環である学校給食を食教育として子どもに伝えるのは、民間では無理だ。民間を悪く言うのではないが、コストだけで考えると、値段だけが先走り、安全性が失われる点に疑問が生じる。民間でよいものができるなら、それを公表し、安全なものを使っていることが、子どもたちや父兄にわかる学校給食でなければ、安全第一とは言えない。

委 員:
それで行くと、チェック機能の問題となるが、民間へ出しても、チェック機能さえきちっとしていれば、その方がよいのではないか。大事なことなので、もう少しきちっと説明のつく論法がほしい。

委 員:
民間委託の話が出ているが、栄養管理は栄養士がすべきだし、現場の管理、衛生管理は、学校の意思が出ないといけない。すべて委託ではいけないと思う。1校1名の栄養士だから、栄養士業務以外の業務が手放せれば、栄養教育や衛生管理に十分力が発揮できる。請負の業者と学校側の栄養士、あるいは市との関わりの仕方で、うまくいくのではないか。

委 員:
公的な場に私的なものが入るのはいけないということと、もう一つ、教育の一環と言われた中で、学校が乱れていると表現されたが、いまの学校は、外部を入れて、総合的な学習をする方向に動いており、相反するように聞こえるが、学校という子どもを育てる場所で、地域の学校という中での給食について、基本的なことをどう考えているか。

説明者:
地域とか、外部が入るのは好ましいが、食生活において、物を届けて食べなさいというだけでは、どうか。だから、作る側が、愛情を込めて作ったことが、現場で伝わるような学校給食が、いちばんふさわしい。

会 長: それでは、次の方、お願いします。

説明者:
母親としては、給食が子どもに安全で、喜んで食べられるものであって欲しい。仕組み的なものはわからないが、子どもたちの声を聞き上げてほしい。

委 員: 母親として、子どもさんから聞くことがあると思う。
これはよいことだとか、今後こういう給食に改善してほしいというのがあれば、お聞きしたい。

説明者:
子どもから聞くのは、あれはおいしかった、これはまずかったと、メニュー的なことが多い。小学生の方が、給食を喜んで食べていた気がする。米飯給食に牛乳は、異色のような気がするので、お茶を入れてほしい。牛乳は、2時間目と3時間目の間にもらえないか。

委 員:
子どもの食事は、保護者が作るのが基本だ。見直しの機会が来ているが、民間委託になったら、PTAの母親委員会で、給食を請け負うというような気持ちはあるか。

説明者: そういう気持ちの方もいると思うが、全部責任をというのは不可能だ。

委 員:
今回も前回の審議会でも、家庭の食生活が乱れているという話が何度も出てた。家庭が一番だと思うが、PTAとして、今後どう取り組んでいくお考えか。

説明者:
母親委員会の今年度のテーマが食と生活で、給食も含めているが、特に朝食について、年間を通して考えようということで、スタートしている。

委 員:
母親から見て、学校給食が家庭の食品に影響し、触発されるようなところがあるかないか。学校でこういうものを食べるから、家庭ではこんなものを食べさせようというお考えがあるのか。
説明者: 毎月配られるメニューに目を通し、全部は難しいが、メニューが重ならないようにしている。

委 員:
個性を大切にしようと言われているが、学校給食の場合は、同じ献立である。母親として、献立や給食にご意見はないか。

説明者:
メニューは豊富だ。8月に献立協議会に出席し、半年間のメニューの説明を聞いたが、重なるメニューがない。家庭の方がメニュー的に少なく、偏ったりする。給食のメニューに関しては、別に異存はない。

委 員:
母親としては、安全なものを喜んで食べてほしいとの発言だったが、他の方々は、学校で子どもに食教育をしてほしいという意見が多かったが、それは家庭の役割とお考えか。もう1点、小学生は食事を楽しんでいるが、中学生はあまり反応がないとのことだが、その反応の違いをどう受け取っているのか。

説明者:
給食に期待していないわけではないが、朝食や夜は家庭のことである。
昼は現状で十分と思う。中学生になると、無気力的、批判的なところも出るから、好き嫌いも激しくなる。ただ、子どもが言っていて気になったのは、中学校は、味が濃いというのがあった。
あとは、子どものわがままでしかないと思う。

委 員: 給食費はいくらかかると、父兄は理解しているか。1食でも月でもよい。

説明者: 私どもでは、月4,000円と、月によって、4,500円だ。

委 員: 給食費が、それで全部賄えていると理解されているのか。

説明者: それはない。市の方から補助が出ているのは、皆さんご存じと思う。

委 員: それがいくらか、ご存じないでしょうね。

説明者: 私は聞いているが、ご存じない方が多いと思う。

委 員:
子どもたちの中にアレルギーが多い。それに対応したらよいと思うが、アレルギーの対応を学校ですべきかどうか、ご意見を聞きたい。

説明者:
アレルギーに耐えている子のおかあさんは、すごく神経質で、アトピーは、代表的だ。アトピーの方用のメニューができればよいと思うが、そこまでは、望めない。

会 長: 次の方、お座りください。

説明者:
教員OBで、共同調理、自校調理も経験した。今後、ますます給食の役割は重要だと感じるが、市の財政を健康体にするためにはきれいごとばかり言っていられない。給食の質を落とさずにコストを下げるには、人件費を抑制するよりほかにない。その方策として、一つは、学校栄養士は現行のまま、調理員は、民間委託か臨時職員とすれば大幅に削減できる。
2点目は、調理員が年休・特休を取った時、代員制度があり、その代員の給料が相当額にのぼっている。調理員の配慮から代員の就労を保証するため、給食実施日に休みを取る傾向が強く、給料プラス代員の給料となっている。また、米飯給食の時も代員を入れているが、調理員にが頑張ってもらって廃止する。3点目は、給食は年間180食程度で、そのうち20日程度は、代員がカバーしている労働条件に恵まれた職場であるので、若年退職者がいない。そのため、平均給与も今後増加すると思うので、63歳定年を60歳に引き下げてコスト削減を図る。それから4点目は、近隣の小・中学校で共同調理とすることにより、コスト削減につながるのではないか。
審議会では、当然賛否両論があり、痛みを伴う場合もあると思う。十分論議をつくして、市民にわかりやすい、説得力のある答申をしてもらい、教育委員会に実行してもらいたい。

委 員:
元校長とも思えない学校給食に対する思いを聞き、びっくりした。
労働条件の分野にまで意見が出てくると、これが頭に残り、全体での審議が、正直なことが言えないような感じにもなるが、提案として聞いた。そのような、よい制度があるからこそ、邑久町で事故が起きても、岡山市は、事故もなく、現在に至っている現状を知ってほしいし、63歳の定年だから、調理員だけが赤字財政を作っているのか。喫食180回、160回というのは、制度の下でのことで、毎日、出勤しているのはご存じだと思う。180食の回数増は、地域との関わりを持ちながらすると述べておきたい。この審議会は、コスト論ありきではなく、子どもの安全をいちばんに考えていくべきだ。

委 員:
岡山市の財政危機は、今年6月に発表され、学校給食の問題も取り上げられているが、教育にかかる費用が、例えばこの5〜10年間、減っているが、教育の環境をどう考えているのか。もう一つは、単独校とセンターで、近隣の調理は、共同調理場でした方がよいと、コストの問題で言われたが、審議会の資料では、単独校は708円、センターは724円とセンターの方が高いが、ご意見を聞きたい。

説明員:
学校長として郡部の学校へ行ったことがある。
岡山市に比べ学校数も少なく、施設修繕等の要望も口頭で済んでいた。
岡山市では、文書で要望しているのが、実態である。いろんな面で、予算不足は否めない。集団調理について確かな数字は把握していないが、栄養士が1人で、調理員も全体のトータルよりも少なくて済むという感じで言ったので、数字的な裏付けは、別にない。

委 員:
代員の考え方の話を詳しく教えてもらえないか。
代員をどうしろという話なのか。

説明員:
どうしろとは、具体的に思っていない。代員制度を見直すというのは、代員にある程度の給料を保障するために調理員が休む。教員も同じように年休や特休の権利は有しているが、子どもへの授業の影響を考えて、休暇を取るのは休業中である。調理員の場合は、代員制度がある故に、給食のある日に取るので、コストは上がるということだ。

委 員:
コスト面に問題があり、より良くするため、地域の配食サービス、学童給食や部活の生徒への給食の取り組みを栄養職員や調理員が、提案していると聞いたが、どう考えるか。

説明員:
それは、いいことですが、臨時や嘱託調理員でも可能ではないか。正規の調理員でないとできない問題ではないと考える。

委 員:
私も校長OBで、この前もある小学校で食べて、昔といっしょだと思った。あれが710円、本当はもっとかかるが、710円という給食の値段をどう思われるか。

説明員:
県立高校の場合を調べてみた。施設、食堂は県が建て、調理は民間がやっている。大規模校で1,200人の生徒がいるが、米飯とおかずが2〜3点と味噌汁の定食で420円、カレーライス、ハヤシライスが350円、ラーメン、スパゲッティが320円、いちばん安いものはうどんで280円である。調理員が4,5人いる。主に利用するのは男子で600食作り、その程度で営利、利潤を上げているのを見れば、710円は決して安いとは言いがたい。

会 長:
時間もきたので終わらせてもらう。長時間にわたり、45分超過したが、それだけ皆さんの意見を十分聞くことができた。本日の発言内容を事務局で整理してもらい、次回のそれぞれの部会で、十分突っ込んで議論いただくことにしたい。さらに、中間報告というものがあるので、それに向けて審議いただければ大変ありがたい。何か、事務局から連絡事項があるか。

委 員:
前回の第二部会でお願いしている、いろんな勤務実態を調査、民間とか第三者に客観性のあるデータを作ってもらい、比較検討する必要があるので、その調査をしてくれていると思うが、どうか。

事務局: いま、実施に向けて検討をしている。

委 員: 客観的なデータとして判断材料になるから、ぜひ、していただきたい。

事務局:
長時間、各立場からのいろんな意見をいただき、ありがとうございました。
その中で、調理員の方から、朝食をとっていない子どもたちや、部活への給食の提供、地域の高齢者への給食の提供等を教育委員会へ申し入れているとの話だが、教育委員会が、申し入れを放置していると誤解されると困るので、申し入れは3日前で、まだどうするか検討もしてないので、念のため申し添えておきます。

会 長: 次の日程は、それぞれの部会で、部会長と事務局で協議していただく。何かほかにあるか。

委 員:
教育委員会へ申し入れた、朝食の関係とおやつをつくる話と思うが、教育委員会の許可がないと、学校長の判断だけではできないのか。

事務局:
基本的に人的な問題もあり、各学校の施設設備を使うので、そのあたりを検討しないといけない。学校長だけとなると、むずかしい問題が出てくる。

委 員: わかった。

委 員:
PTAの方にも来てもらい、いろいろと聞いたが、PTAや学校関係者の給食に対するアンケートを、委員会として取ることは考えられないか。

会 長:
意見として聞いておく。いまの段階では考えていない。以上で、終わらせていただく。長時間にわたり、ありがとうございました。