平成11年11月4日岡山市学校給食運営審議会第一部会の会議概要
<1> 日時・場所

  日 時:平成11年11月4日(木) 15:00〜17:04
  場 所:岡山市役所 議会棟3階 保健福祉委員会室
<2> 会議の概要

1 開 会  
 青山部会長が、「本日は、前回までに資料提出を求めたものについて事務局から説明を受け、続いて、質問、意見をお聞きする。」とあいさつの後、会議を公開することとし、議事に移った。

2 説明及び意見の概要 部会長: 市会議員は、議員活動で参加することを了承願いたい。まず、事務局に今日配った資料、前もって配った資料の点検とその説明をお願いする。

事務局: 資料に基づき、事務局が説明。(説明省略)

部会長: 事務局の説明に対して、何か質問があるか。

委 員: 検食の実施状況、その場で当日のものを抜き打ちしてやるのか、何らかのサンプリングをして行う食品検査実施状況なのか。

事務局: 当日納入されたものの中から、サンプリングしている。

部会長: 毎日やっているのか。

事務局:
食品検査は年に3回、適当な品物を選んでやる。どういう品物をやるかは事前に決めて、その品物を当日搬入された中から抜き取ってやる。

部会長: 時期と対象になる食品は、決まっているわけではないのだな。

事務局:
そうだ。年3回、大体、5月、11月、2月を目処に検査している。少しズレているが、目処は5月、11月、2月頃ということで、年3回を予定しているが、いくらか野菜の採れる時期や献立により、月がズレてくる状況になっている。品目の選び方だが、生で食べる野菜をなるべく選んでやっている。それから、生産や流通の過程で汚染されやすい野菜とか加工品、揚げとか豆腐とかを薬剤師会の方に指導いただきながら選んでいる。

部会長: 誰が選ぶのか。

事務局: 市の学校薬剤師会へ相談しながら、教育委員会で食材を選んでいる。

委 員: 学校給食のアンケートだが、小学校が 189人で、中学校が 208人とあるが、各中学校に何名ずつという形でアンケートをとったのか。

事務局:
市内を6つの地域に分けて、小学校が6校、中学校が6校で、小学校の場合は5年生の1クラス、中学校は2年生の1クラスで実施した。給食について子どもの意見を聞くということで、この場に来てもらって話を聞くのも、なかなかできないのでアンケートをとらせてもらった。

委 員: センターとか自校によっても違うと思うが、割合はある程度ばらまいている。

事務局: センターの受配校も、小学校、中学校を含めている。

委 員:
主食の回数だが、小学校の場合、パン1回が、「変えたほうがよい」の中で多いということは、5日のうち、あと4回は米飯がよいということか。

事務局: そうでなく、パン1回、米飯2回、麺2回という形になる。

部会長: いちばん高い率をとると、そうなる。

委 員: 分かった。

委 員:
安全、衛生面について尋ねる。平成10年度の検査結果で、陽性に出た洗いさといもが気になるが、説明された別紙の所見に書いてあるとおり、洗いさといもでなくて、皮のついたままのものを利用するように材料を変えることは考えられないか。前に、みかんのワックスについて尋ねたが、資料にりんごのことが書いてあるとおり、「調理に際しては表皮の洗浄を十分に心がけること」とあるが、家庭では、りんごの皮はむくのが普通と考えるが、給食は依然として皮のついたままか。また、大腸菌に関して、非常に安全性が問題になるが、センターの場合、車で運ぶのに温度管理が心配だが、特に夏場は非常に暑くなるが、保冷車などは考えているのか。現在の実施状況を教えてほしい

委 員:
その下のレーズン、くるみ、ピーナッツの中で、ピーナッツはOKだったが、レーズン、くるみは、多分、輸入物だと思うが、どうか。

事務局:
洗いさといもは、この所見にもあるように、手を経るごとに汚染の可能性が高くなる。保管の問題もある。そういうことから言えば、作業面のこともあるが、皮つきが好ましいと考える。りんごは、農薬があるかどうかもあるが、現状は、軍手などをして手洗いをして、皮のついたまま出している。温度管理の件について、上道センターでは、温度が管理できるコンテナを今年度から導入し、学校へ配送している。赤田のセンターは常温で、できたものを食缶に入れ、コンテナで学校へ運ぶが、今後は、上道センターのような、保温、保冷ができるもので考えないといけないが、施設設備の関係がある。興除センターは配送はしていない。

事務局:
レーズン、ピーナッツは輸入品だ。検査した日には、調理の段階でどちらも加熱処理をして使用した。センターについて補足説明する。興除については、できたところへ生徒が取りにくる。上道は温度が管理できるコンテナである。赤田のセンターは、現在は二重食缶を使っている。なるべく保温、保冷に注意しているが、第1便と第2便が出ており、第1便が10時20分にできて10時50分の配送、それぞれの学校が、12時30分から40分に食べる。2時間以内に喫食は十分注意しているが、若干の温度の差はある。

委 員:
アンケートで、子どもたちが、より楽しい給食をしたいで、「食器を変えた方がよい」ということがあるが、コストがかかるので、非常に尋ねにくいが、麺が非常に子どもの人気メニューである。ステンレスで当分は食べることになるのか。他都市は強化磁器とも言われたが、丼の普及も当分は難しいのか。

委 員:
学校現場へ居たとき、食器検討委員会のことが新聞で取り上げられ、どんなに変わるのか期待を持っていたが、変わらずじまいだった。子どもたちが、どういう風に希望しているか、具体的な意見は把握しているか。

事務局:
丼がないということで子どもたちは、うどんの場合、袋の上から二つに切って、副食器(お皿)の中へ入れて食べるのが現状だ。それで、食器検討委員会を設けて検討している。とりあえず、丼が急ぐということで、丼に集中して検討委員会で検討し、昨年、丼を強化磁器でいこうという中間報告をいただき、予算要求したが、財政が厳しい状況の中で、実現には至っていない。丼だけでなく、ほかの食器も、引き続いて考えていきたい。

委 員:
倉敷市は試行したと新聞に出ていたが、岡山市はそういうことがあって、試行という段階まで至ってないということですね。

事務局: 試行したいのだが、そこまでに至ってない。

部会長: これについては、もう一つの部会でしてもらえばよい。教育、安全の立場で他にありますか。

委 員:
ここへ来るまでテレビの国会中継を観ていたが、その中の質問で、お米のことが問題になっていた。自給率が、日本では41%にまでなっているが、米が余って、古いと ころから家畜に回っている。給食でも問題になると思ったが、米飯給食の回数を増やすことは考えていないか。それで、強化磁器で、ご飯を食べたら、さぞ、子どもたちは喜ぶと思った。そんな案はどうか。

事務局:
米飯の回数増を言われるが岡山市では、パン2回、米飯2回、麺1回でバランスは取れていると思っている。子どもたちのアンケートなども見ながら、今後、委員の中で、どうすべきかを検討してもらいたい。

委 員:
現場の先生や栄養士から、パン食だと油ものが中心になり、カロリーがオーバーしてしまい、カロリーを落とすのに苦労するという話をよく聞く。ご飯食になると、いろんなものを混ぜて、カロリー調整がうまくできると聞くが、いろんな制約の中で、ご飯食がうまくいかない。また、ご飯は、今後、助成がなくなると現場が心配している。この間、実際に、学校給食を食べに行って、ご飯とパンとどっちが好きかをいくつかのクラスで聞いたとき、思った以上にご飯がいいという声があがったことを考えると、パンがまずいのか、それとも、ご飯が本当に好きなのかという気持ちで見た。これからのご飯給食はどうなるのか。それから、強化磁器、食器の問題だが、食事のマナーを考えたときに、ステンレスだと、熱くて持てないから、お碗を持って食べる動作ができない。置いたまま、片手を遊ばして食べて、そこらへんじゅうこぼれると聞いている。そういう意味で、もう一つの部会で、予算はしっかり詰めて出してほしいが、教育的見地からいけば、できるだけ、そういう方向にしていかないといけない気がしている。

部会長:
いろいろ意見をもらえばよい。健康教育の観点と、安全管理、衛生管理面からの学校給食の在り方ということだが、この前の合同部会の意見もそうだが、学校給食に求めるというときに、学校と家庭と地域の役割分担というのがあると思う。その役割分担が、明確にされていない。学校給食に何を求めるかをハッキリしないと、処理できない。

委 員:
安全、安心という面で米とパンとどちらが子どもたちは安全かというと、米だ。説明では、県南の新米を使っているというが、明確に知らなかった。野菜も低農薬あるいは有機農業のものを入れれば、子どもたちは、健康が保たれると感じる。子どもたちが切れるというのがあるが、岡山県は、切れるのは非常に遅い方だとテレビで放送していたが、パン屋さんが米を炊いてくるのでなく、学校で炊けるように努力していくべきだ。そのためにも、糸敷きのついた食器で食べられるよう検討委員会で出された結論に沿うように市教委も努力してほしい。

委 員:
学校で給食に8年間お世話になったが、温かいかどうかも問題があるが、学校だけ温かいものを、家では冷や飯では、部会長が言われたように矛盾している。学校だけが安全で、八百屋やスーパーから買う食品について、全部、食品検査をしながら、調 理をしている家庭が果してあるか。学校だけにそれをしろ、6分の1回の、年間を通じて6分の5回は、そういうことを無視して、6分の1回だけにそれを要求して、一体意味があるのかどうか。この部会はそういうことに焦点が行きがちだが、一般的に物事を考えて、その中でのこの部会の議論をしないと、おかしなことになる。それはそれとして、麺の給食は、どういう食べ方をするかを知っている委員は、いないのではないか。まさに、教育の足を引っ張っている状態だ。もし、家庭でそうするならば、一体どういう家庭かと喧々ごうごうたる非難が出てくるようなことを、すばらしい学校教育だということでやっている。即ち、麺類は、ビニール袋へ入れて配る。汁をお碗につぐ。ビニール袋を破り、全部入れると汁があふれるから、お箸で半分に分けようとするが固まって分けられないので,ビニール袋を握りつぶして半分を食器に入れる。もし、家庭でこういうことをしたら、どうなるか。それを学校教育でやっているわけだ。さらに、この前、鹿田小学校で給食をいただいたが、お皿へフライがあった。魚のフライをスプーンで食べる。赤ちゃんなら別だが、普通はナイフと フォーク、和食ならお箸だが、それをスプーンで食べる。これもおかしい、食事のマナーを失している。こういう食事のマナーに合わないことが、色々ある。うどんなら、せめて、うどん屋で出てくる形でやらないといけない。そうすると、時間がかかってしようがないから、うどんは最小限度に抑え、米飯でやる方がよいということになる。学校教育全体から考えて、麺はない方がよいということになる。

委 員:
アンケートについて2点お尋ねする。一つは、「時々残す」と「いつも残す」を合わせて約6割が残している。特に中学校が多いが、「量が多い」が、2〜3割あって、量的なこともあると思うが、「時間がない」が、小・中学校共通して20%弱ある。給食時間には、配膳と片付けと食べる時間を含め、時間配分を教えてほしい。もう1点は、より楽しく給食をするために、教室以外でが40%ぐらい、小学校、中学校とも多い。月に一度、ランチルームで食べることが影響していると思うが、教室以外で食べることの促進は、今後どうなるか。また、複数メニュー選択制、選択のないところに自由はないわけで、アメリカの給食は選択ができる。日本の選択制は、今後ともあり得ないのか。

委 員:
「新しい学習指導で学校が変わる」と説明があったが、給食指導を見ると担任にとっても負担である。学校給食は、教育課程に位置付けられるものの時間が昼休みが充 てられただけという感じだ。栄養士が、学級で指導することもあるが、もっと時間を十分とった給食指導ができないか。4時間目が終わるのは、小学校では12時半で、15分間で用意し、12時45分から食べ始め、大体15分で終わって、1時から後始末となっている。1時半、早いときは1時25分から5時間目や掃除が始まる。時間は、そういう配分だが、例えば、15分で食べる、早い子は10分以内でも食べれるが、食べれない子は、非常に時間がかかる。そうしたら、全部後ろにかかってくる。慌てて後始末して、片付けもそこそこに、掃除に取りかかる、次の用意をする。そのあたりを、ゆったり食事する時間がほしいと、19年間、担任として給食指導をしたが、12時半から1時半までは、本当に殺人的だ。指導要領には、学校が変わるということで、全然、給食時間の割り振りは考えてないようだが、意見として、時間がほしい。

部会長:
今度の指導要領で、それぞれ各校で多彩なアイディアを作ることが求められているが、例えば、食器の問題一つ取り上げても、安全、衛生となれば、いろんな考え方がある。強化磁器で強化しても、かけらが入らないかという安全の問題が出てくるし、温かいものは温かくならよいが、悪いのは病院給食で、食欲のない人が入っているのに、温かいものは冷たく、冷たいものは温かく出すと言われている。食べ方の教育についても学校に求めるのであれば、家庭はもう要らないのか。例えば、食器を手に持たないというが、逆に外国人は食器を持って食べたら、これほど礼儀知らずなことはない。彼らは、こぼしこぼしでも、絶対食器を持たないのである。こういう食べ方もあることを教えるためにやるのか。どういう教育を学校給食に期待し、安全面では、ステンレスの絶対大丈夫の方がいいのか、強化磁器を使った方がいいか。子どもの要求に応えるのなら、学校給食で応えるのか、家庭で応えるべきなのか。もう少し整理しないと、金のことは、第二部会で審議してもらえばいいが、ここでは、どこまでを学校給食で分担し、どういう安全衛生上のチェックが必要なのかを十分検討してもらわないと、金だけの問題になってしまう。

委 員:
PTAの母親委員会では、今年はテーマとして家庭での食事を取り上げている。本来、食事や生活のマナーは、家庭でやるものという観点から、市内の母親委員会で検討してもらっている。学校給食で教育的観点から話し合ってもらってる。本来、マナー、躾けは、家庭の役割だと思う。プラスアルファとして学校給食が教育的見地や衛生面で子どもたちのためになればいい。

部会長:
時間の問題でも、例えば、食事の前に手を洗おう、食事の後に歯を磨こうと言っても蛇口の数からしてできない。学校の設置基準では60人に1個の蛇口である。1時間の昼休みに、前半の人は、歯を磨いてから食べなさい、残りの半分は、食べてから歯を磨きなさいというように、何か牙磨くみたいだという話をジョークでする。今度の学習要領の解説で、学校給食に重点を置くなら、岡山市の小・中学校の給食時間を2時間にするなら分かる。そういう意味で、どういう教育を学校給食に求めるのか。例えば、こんなひどい食べ方を家ではするなという教育をするのか、いろんな考え方があるので、部会としての提案をいただきたい。金の問題、強化磁器に換えるかどうかの問題は、第二部会で十分討議してもらえばよい。強化磁器を、安全衛生上使うべきか、学校教育上使うべきか、報告書を書くわけだから、そういう点で意見をいただきたい。校長の検食と栄養士の検食、調理員も検食簿を書くというが、検食簿で、どんな指摘があったときにどうするのか。学校薬剤師という意味で薬剤師会が検査を実施しているのだと思うが、保健所の立ち入り検査がどれだけあるか。そういうチェックが必要だ。

委 員:
衛生面について言うと、年に3回、薬剤師会に品物を選んでもらって、検査するということだが、一番危ない魚類が出ていないのが、現場としては不安だ。例えば、大腸菌が多いのが魚の汁で、汚染地区と非汚染地区とを、今はきちんと分けている。また、業者が、月1回、防虫防鼠の検査に来るが、これは実際を見ないで聞くだけだ。私のところは、ちゃんと見て消毒をしてくれということで、金曜日の水を使わない時に実施してもらっている。薬剤師は、学期に1回、手指の検査にくる。食器や牛乳も、抜き打ち的にやって、その後で何もなかったとか、大腸菌が出たので、手や爪を洗ってくれということがある。子どもたちについては、養護教諭といっしょにやっていると思うが、例えば、給食室の周りを、トイレを歩いた上履きで走り回ることも安全の面から不安を覚える。というのが、消毒した食器類を、重いから下において、一休みして持って帰るということが結構あり、そのあたりのチェックを。給食時間が負担だったと言われたことに同感もするが、躾けは、家庭が第一だ。給食時間を心豊かな子どもたちにしていく、ゆとりの時間にしてほしい。

事務局:
岡山市では、おおむね、小学校で、50分くらいとなっている。準備が15分から20分、喫食時間が20分、片づけが10分から15分の時間割だ。中学校では大体、30分から35分が給食時間で、準備が10分、喫食時間が15分、片づけが10分ぐらいの時間配分だ。

委 員:
私がいた学校は、学級担任が一生懸命してくれた。給食を取りに行く時は学級の子どもの前につき、返す時も、一緒に返しに行ってくれて感心した。全部が全部ではないが、そういう取り組みは浸透している。もう1件、給食室の安全について、調理が始まると、給食場の窓ガラスが、水蒸気で中が見えないぐらいになる。調理室は温度も湿度も高くなる。また、床が濡れたらどうのこうのという意見があったが、濡れたところで調理することが多い。衛生管理面で不安もあったが、他都市の学校給食の実施状況にあるように、改善は進めていると思う。現状や、今後の改善の方向、方針をお尋ねする。

部会長:
この部会から意見書をあげるが、その前に、何か改善計画があるなら、出してもらった方が、計画があるものまで意見を言う必要はないから。

事務局:
教室以外で食べることが、現在は小学校だけだが、余裕教室を利用してランチルームを作っている。新しくできた操明小学校には、120人、3クラスの子どもの食事が できる食堂を備えている。今後も、できればやりたい。中学校も増やしたい。また、床の湿気が多く、温度が高い点だが、現在は、床が濡れているウェット方式がほとんどであるが、平成8年のO-157の発生から、給食室を新しくする場合に、床へ水を流 さないドライ方式でないと国の補助が出なくなった。今後、給食室を新しくする場合は、ドライ方式でやる。現在あるところも、大改造となれば、ドライ方式でしないといけない。また、耐用年数の来たところからしないといけないが、財政上、非常に厳しいので、苦慮している。

部会長:
厚生省の基準はあるが、O-157は塩素に弱いから、O-157には塩素を含んだ水道水を流す方がいい。

委 員:
給食時間だが、中学校では、準備に10分、食べるのが15分、後片付けが10分で、学校により、生徒によって異なる。結局、15分で飲み込むように食べないといけない。しかも、着るものを全部、それぞれ取りにいって、配膳する。中学校は教科担任制で、例えば、4時間目が理科、5時間目が体育だと、子どもは、もう食事どころではない。理科で後片付けをして、教室へ帰る、当番が取りに行く、たたっとついで胃袋に流し込んで、体育の服装に着替えて、始まる前に整列しなければならない。準備と後片付けで、非常に残酷物語になっている。あれが弁当形式なら、前も後も時間がいらないので、相当時間が助かると、いつも思っていた。中学校で給食の回数が少ないのは、先生がせかして指導し、戦場のような状況だから、担任は、できるだけ給食がない方がいいという一つの意思表示だと思う。学校給食は、いろいろ意味合いがあるが、指導要領が変わっても、2時間給食に取るなら別だが、今度はもっと学校の時間割が複雑になる。給食の時間は、それに合わせて時間割を作らなければいけない。ますます自由性がなくなる。そういうことも、もう一度、教育全体から考え直さなければいけない。尋ねたいのは、自校で献立を作り、自校で食材を購入するというのが、意見を聞いた中にあったが、岡山市は共同購入をしているが、そのあたりはどうなのか事務局へ尋ねる。

事務局:
岡山市では、共同献立、共同購入を実施しているが、給食を最初に始めたころは、各学校で献立を立て、独自で必要な食材を購入していた。給食の内容や質で、学校間の格差が生じてきて、それでは駄目ということで、校長先生方が話をして、岡山市の学校給食会をつくり、今もずっと引き継いでいるが、献立の面、安全衛生面、価格の面にも、大きなメリットがある。今後とも、基本的には、共同購入、共同献立という方式でやりたいと考える。

部会長:
顔の見える農業となれば、共同購入で規模を増やす、大きくすることは、逆の形になるわけだ。共同購入しようとすれば、大量生産のところに持っていかなければならない。単独でやれば、顔の見える農業も考えられるが、その手間は大丈夫かという問題が出てくる。

委 員:
単独でやると、給食の単価が、ある学校は千円、ある学校は 700円と変わってくる。購入量が少ないから、値段が跳ね上がる。その地域だけでは購入できない食材もたくさんある。米の自給率が、カロリーベースで40%そこそこで、輸入に頼らないと給食もできないのだから、輸入品がどうのこうの言うだけでなくて、日本の食糧事情 を考えると、むずかしい問題がある。理想的には、地域で顔が見えるのもいいが、なかなかそうはいかない。

委 員: 足守が、地元のものを使ってやっているが、給食費はどうなのか。

部会長: 共同購入に入ってないところは、逆に高いのか、安いのか。

委 員: 地元のお母さん方から、少々高い安いではなく、信用できるものが食べたいというのがある。子供たちにすれば、これは誰々のおじいちゃん、おばあちゃんが作った分、おかあちゃんが作った分ということが分かって、食べ物に対する有り難さ、感謝の気持ちが育つというので、一時的に物が足りないとき、よそに応援してもらうケースはあるが、地元の方々は、よいと言っている。実際、高くなるか安くなるかは、市場に勤めてる方に聞くと、決して高くはならないとも言われる。その辺が、どうか。

部会長:
ここでは、高い安いは言いたくない。それよりも、例えば、各学校独自の献立方式を取ると、それが高くつこうが安くつこうが、各学校のバラエティー、特異性を認め るのが本来の教育指針で、各学校の特色でいこうというのか、岡山市立の学校は、どこに行っても同じ物を食べろというのがいいのか。

委 員: 私は、前者の方がいいと思う。

部会長: そこらの選択を、市民の側に言うかどうか、という問題だ。

委 員:
岡山市の学校は、優れたシステムを持っているから、中心部がどうなるかは後に置いて、全体で地場のものを、顔の見える様式で、栄養士が一人ずつ居るから、そこで共同で立ててやるのが、子どもたちにとってよい。

委 員:
前回、校長先生の話の中で、一括購入、共同献立のよさもあるが、独自の特性が出しにくいと言われた。各校で、きちんとできるなら、そういう方向でいく方が、より個性的な教育的にもなる。その方向で、がんばってほしい。

部会長:
各学校の特性を認めろという形で行くかどうか、という問題だ。行事のときに、家庭の弁当を持って来いと言ったら、弁当屋の弁当を買って来たとなると、意味がない。金持ちの子どもは、割烹屋が持って来たとなると、ますますおかしくなる。安全チェックをどうするか。システムの問題として、足守地区のように共同購入に入ってないところは、大事に残そうというのか、共同購入の中に入ってもらおうというのか、離れるところは離していこう、という形で意見書を書くのかどうかの問題になる。ただ、あまり地元、地元というのは、逆に、学校だけでなく、農家と町の消費 者の家庭との結びつきがあってこそ、顔の見えるということで、学校で児童生徒と農家の顔は見えるが、お母さんの顔が見えないというのも、おかしな形になる。例えば、月1回は、弁当の日を持とうと言うのなら、非常に分かりやすい。もう一つは、安全衛生の面で、校長、栄養士、調理員の検食をどこでチェックしてくれるのかが、逆に気になる。それから、食事マナーとか楽しい食事も担任の先生の仕事なのか、栄養士なのか、調理員なのか。担任の先生が、何で取りにいけないのかと思うし、その辺のシステムという点で、意見をいただきたい。校長が、ただ検食でうまかったでは困るので、安全衛生面もチェックできるのかどうかだ。食品のピックアップも、岡山市には、保健所の食品衛生監視員という、県の薬剤師会よりは食品チェックのプロがいるのだから、少なくとも、年に1回は来いという意見を出すのかどうかだと思う。もう一つ、食品検査は、中毒症状を起こすような、ものすごい値だったら事件で、大体、基準以下だ。基準は、ものすごく押さえて、安全度を見込んいでる。何故かというと、検査結果が出たときは既に食べている。皆さんが日常飲む牛乳も、検査はするが、結果が出た時は皆飲んでしまっている。これは、安全の基準でなくて、もしそんなものが出たら、その業者に対して指導するための基準だと考えてもらいたい。そういう意味で、システムとして校長や栄養士が、安全に対してどんな責任を持つのかということだ。

委 員:
保健所が食品チェックのプロということだが、年に1回来るが、食品のチェックでなく、衛生面の、溝蓋の下が汚いとか、網戸から埃が入って来ているとか、やかましいことだけで食品のチェックは受けてない。検食は、校長先生に30分前にお願いするが、返ってくる書類には、芋の角が落ちていたとか、見た目のことが多く、大抵は、おいしかったという。栄養士はどう書いているのか見ないが、でき上がったもの、できるまでのチェックは調理員がする。例えば、調味料が少なかったから、こうしようとか、えびが非常に悪かったから、業者へ指導してほしいと書いて、月でまとめて出す。何か起こったときは、給食会へ直に電話を入れて、業者を指導してもらい、悪い物なら取り替えてもらうという、チェックをする程度で、毎日、食品が安全かどうかは、見た目と臭いと触った感じでチェックするが、保健所は衛生面のチェックだけで、すごく気を使う。

部会長: それは大事なことだ。プロが来たら困るというのでは困る。
委 員: きれいにしていても、よく見られる。

部会長:
食監は、昭和22年にできた法律で、紙切れ一枚で食品を全部捨てられる、こんな力を持つ役人はいない。それを、もう少し回数増やして来いというのか、衛生面だけでなく、食品チェックもしろと申し入れるのかだと思う。また、校長や栄養士の検食簿でも、りんごは皮のままだが、皮をむけないかというのは、安全面で検食簿に声が出たときに、皮をむくことが取り上げられるかどうかを、チェックしたい。

委 員:
取り上げられる。種類によって、表皮にすごくぬめりが出ているときは、どうしてぬめりがあるのかと聞くと、市教委から業者へ言うのか、生産地から、どういう物質が表皮に出ているのだから、むかなくても安全だという結果は知らせてくる。

部会長:
校長先生の検食簿で、何回チェックしたか、栄養士や調理員や担任の先生はどうかが、逆に知りたい。それを聞かないと、一生懸命言ってもしょうがない気がする。

事務局:
検食簿に5項目ほどある。文部省から、検食の方法として、当日の給食は、あらかじめ責任者を定めて検食を行う、検食の際に留意することでは、食べ物の中に、人体に有害な材料の混入がないか、調理過程で、加熱、冷却処理が適切に行われているか、食べ物に異臭や異常がないか、1食分の食べ物の量が適当か、味付けや香り、色彩、形態などが適切になされているか、児童生徒の嗜好との関連はどう処理されているか、検食した時間、検食者の意見など、検食の結果を、検食簿または給食日誌の検食欄に記入するという指導が来ている。また、保健所は、施設設備の検査、衛生管理面の検査で、年1回入って来る。

部会長:
食品分析はできる、行政検査を保健所でやっているから、やろうと思えばできる。大腸菌は何も病原性はない。O-157みたいに病原性のある大腸菌もあるが、大腸菌が検出されるのは、どこかで汚れた手が触ったか汚れたものが入ったという問題なのだ。これは、取り扱い上の問題、保存上の問題があるということだ。そうなると、食品衛生監視員という食品取り扱いのプロにチェックさせればいいということだ。あと、健康教育としての学校給食、安全衛生の面で、いかがか。

委 員:
厳しい感じで質問がいろいろあるが、この資料を見て、一つよいことに気がついたので報告する。作成のねらい、小学校の指導の欄外だが、コスタリカライスを実施して、コスタリカの勉強をしたとあるが、これは、家庭では絶対歯が立たない領域だから、指導要領にもあるように、子どもたちに、給食で国際化も身につけてほしいので、続けてほしい。

部会長:
それが栄養士の仕事なのか、社会科の先生の責任なのかと思う。日本ぐらい、食材を世界各国から集めているところはない。お母さんしっかりしてよと言いたくなる。切り身で魚の名前がわからないのも困ったものだ。

委 員:
残量調査で、残量が多いのが気になる。また、子どものアンケートの質問で給食は全部食べているかで、ほとんど食べているが4割程度で、時々残すのも入れると6割程度が残している。いくら安全で栄養価のあるものを、精魂込めて作っても、これだけ残すのは、大きい問題がある。残す理由は、そこにも代表的なのがあるが、いくら言っても残す。残さない物を作らなくてはならない。朝食がどうかというアンケート調査もあったが、朝食抜き、昼も残したでは、意味がない。残さない物を作るためには、生徒の意見を十分聞く必要がある。大人だけが理論的に考えて、こうだああだと詰めて、これがいいから食べろと言っても、子どもが肘鉄を食らわすのでは意味がない。理屈抜きの部分があるが、子どもに食べてもらわなければ、意味がない。子どもたちが食べる給食が、どんなものかを考えるのが健康教育の一番大事なことだ。食べ物がない時に始まり、今度余った時どうかというように時代が変わっている。食べ物のない時代、給食が始まった頃は、こんなに残してなかった。いまは、これだけ給食を残しているのだから、その辺からも検討する必要がある。残さないものを作るというあたり、何か、事務局で意見があるか。

部会長:
子どもたちは、量が多いとも言っているが、校長先生の検食簿では、適当と書いてあり、1回も多いという指摘はない。これだけ残飯が出るなら、どう使うかという環境教育をしてもいい。

委 員:
子どもによって、配膳、量に差をつけないから、ある子どもには少ない、ある子どもには多いとなる。弁当の日に、ランチルームで一緒に、1年生と食べたことがあるが、小さな弁当箱に、小さなおにぎりひとつで、あとは果物が入っていた。そんな子に、80〜90グラムもあるパンを食べろといっても無理だ。以前は、何が何でも残さず食べる指導を強調したが、今は楽しく食べることで、残しても仕方がないかという考えに変わったが、残すのは、作ってくれる人に対して、本当に失礼なことだ。みんな一律に配ったら、残す子はいる。学級によって、少なめに配って、お代わりする子はしなさいという方法をとる学級は、残りが少ない。ただ、同じ給食費を払って量が違えば問題だろうが、指導の仕方によって、残る学級もあれば、残らない学級もある。指導の問題がかなりある。

部会長:
アメリカの大学へ行き、アメリカの生活をしたが、スクールランチだビュッフェ方式だという。一つは民族主義もあり、絶対に豚を食わないという宗教の人が一緒にいるから、みんな一律に食えといっても無理な話だし、食べる量が違うから、自分で食べれる量を取るという仕方になるが、日本では、学校給食費を払ってる以上は皆同じというところから始まるから、難しくなる。
事務局: 献立作成に当たり、子どもたちの嗜好を考慮しながら作ってはいるが、嗜好だけを考えて、例えば、カレーを作ればよく食べるのだが、健康面を考えて、食べにくいかもしれないが、健康のために食べてほしい献立も作成している。野菜中心の献立になると、食べにくい状況がある。野菜の大切さを指導しながら、子どもたちに食べさせたい思いがある。選択メニューの話も出ていたが、好きな野菜、嫌いな野菜があるから、選択給食のような形を進めていけば、残量の問題も少しは解決するという気はする。

部会長: 残量のチェックは、誰がするのか。

事務局: 栄養士が、食器を返しに来たときにチェックしている。

部会長:
子どもの偏食は、にんじんを醤油で炊くから、あの匂いと味でゲロっとやり、一度やると嫌いになる。生のにんじんなら食べる。いちばん悪いのは、お母さんの偏食で買わないこと。栄養士が献立の会議に出た時に、調理の仕方によっては、にんじんが残飯にならないというような、そういう声が生かされるシステムがあるかどうかが問題だ。

事務局:
各学校から、献立委員会へ献立評価表をあげてもらう。子どもたちと直接、栄養士や調理員が会話をした中で、こういうものがおいしかった、こういうものが食べにくかったという意見をあげてもらい、その結果、調理法によって食べれる食品ができたりする部分もある。

部会長:
その辺のチェックができれば、700円かかっても、価値があると言ってくれるかもしれないが、学校給食のおかげで、にんじん嫌いの子が、カレーのにんじんだけは食べたとなるかどうかの問題だ。

委 員:
健康教育といっても幅が広いが、給食で最小限、どこを確保するかは、コンセンサスを得る必要がある。例えば、食材の季節感は、求めればキリがないが、これは総合的学習でいいと、リサイクルの環境問題も総合的学習でやればいいし、生産者と消費者の関係もそれで取り上げればいい。基本的には、家庭で、お母さんが買わないものは、食べたことがないというのがあるから、一応、家庭を越えた栄養のバランスの問題を考えた食品とか、一応の食のマナーとか、何か、ここまでを確保しようという、ミニマムを考えていく方式を取ってはどうか。

部会長:
拒食症の問題も、我々が医学教育を受けた頃は、思春期拒食症で、思春期になって起こると言っていたが、いまは、小学生の拒食症がいくらでもある。大抵の小児科の病院には、小学生の拒食症が入院している。小学生だから、食べないと言ったら死ん でも食べない。もう一つ、最近は、食べて吐き出す拒食症が出てくる。そういうものが、学校給食の中でチェックできたということがあれば、学校給食の位置付けになる。各学校に必ず栄養士が1人いるという問題も、その学区の食生活に役立っているのかどうか。もう一つは、保健所の栄養士はどうしてくれるのか。国が、地方交付税で国の金を出している栄養士がいるわけで、それと共同作業ができないかという問題が出てくる。また、安全衛生面で、結局、校長先生、管理栄養士、調理員、担任の先生が、どこまでチェックして、効果を上げているかが見えなければいけない。安全の問題でも、りんごの光り具合が尋常でない、残留農薬だというのなら、どこかでチェックされなければいけない。また、地元の米を食べたときは残飯が少なかったということが、どこかでチェックされるのか。女房が、1個50円の卵を買ってきた。いつもは1円で、千円以上お買い上げの方、ワンパック10円というやつ。久しぶりに、卵はこんな味だったのかと思った。50円は高いと言ったが、いいものはいい。いつも50円の卵は食えないが。そういうチェックができるシステムを効率的運営から始まり、安全性の立場で、総合的にシステムについて、諮問に応えられればと思う。時間がなくなったが、今日、いただいた意見を事務局で整理してもらい、第二部会の日程もあるが、最終、意見書をまとめるに当たって、もう一度、どういう意見書を書くかは見てもらった上で合同部会に出して詰める。目瀬会長も入れて、第二部会とすり合わせ、その辺は、両部会長と目瀬会長へ任してもらうとして、どういう方向性になるかは、もう一度諮って、合同部会へ報告する形にしたい。

委 員:
その前に、合同部会を一度開いてもらいたい。というのが、向こうが効率化、こっちはコストアップで、付き合わせたら、とんでもないものになってもう一度初めから仕切り直しではいけないので、次は合同部会を開いて、お互いの意見を聞く中で、この部会の意見を、部分的に方向付けていくとした方がよい。

事務局:
第二部会の進行状況も関係するが、今日の会議の内容を、それぞれもう一度ずつ部会を持ってもらい、合同部会に向けてのまとめをしてもらおうと考えている。

部会長:
合同部会に出す意見の取りまとめをもう1回やって、合同部会で出し合う。その間のすり合わせは、両部会長と目瀬会長でやってもいい。まったく反対のものが出てきてもいけないし、まったく同じなら向こうに言わせればいい。こっちはやさしい言葉だけ採り、子どもを守る立場だけ書かせてもらえばいい。すり合わせの方を心配する。

事務局:
第一部会の状況も理解してもらえるよう、早めに会議内容をまとめ、送らせていただく。相互の会議録を送付し、状況をつかんでもらって、もう一度、それぞれの部会を開いていただき、合同部会に臨むというスケジュールを考えている。

委 員: 分かった。

部会長: もう1回、この部会の意見書をまとめる形の会議を開き、その次に合同部会ですり合わせすると。

事務局:
もう1点申し遅れたが、本日、所用で欠席の沖田副部会長から伝言を頼まれているので、朗読する。審議会として、次の3点を検討してほしい。給食調理業務全般の状況を把握し、指導できる栄養士の位置付けを明確にできないか。ランチルームの整備を進め、勉強場所と食事場所を区別し、担任とともに、栄養士や給食調理員がチームを組んで食教育を充実すること。栄養士が、給食実施日以外の日(土、日、祝祭日や、三期休業期間中)に、地域に出向いて様々な食を通しての健康教育活動を実施すること。以上の3点を検討してほしいということで、よろしくお願いする。

部会長:
今日、ある程度、その点についても出た。栄養士が調理員を総括するというより、それぞれ違った立場での安全チェックが必要ではないか。では一応、今日の審議は終了させていただく。幅広い意見を出してもらったので、それを集約して、第一部会の素案を出す。そして、検討いただき、合同ですり合わせをしたい。忙しいところ、ありがとうございました。

事務局: 次回の日程は、第一、第二の部会長と相談して連絡する。

委 員: 次は、およそ12月と思えばいいか。中間報告を12月に出さないといけない、進行としては、そうだろう。

事務局: 12月末に中間報告をお願いするということで、今月中にもう一度、各部会を開いてもらい、その後、12月の中間報告までに2回ぐらい、全体会をと考えている。