委託試行指定校での動き
(これらの情報はあくまで良くする会が入手した情報をつなぎ合わせて整理したもので、各PTAが内容を確認したものではありません。)


鹿田小学校での動き

鹿田小PTAではPTA主催の説明会を経て、試行延期を求める要望書を7月7日、市教委に提出。要望書に対する15日付けの市教委のPTA参画方式で9月からやりたいとの回答を検討して、夏休みに入った7月21日と22日に保護者の意識調査のために全員アンケートを実施。412の回答で、賛成は82。反対は327。これを受けて25日に、質問書と9月以降の現行通りの給食実施を求める要望書を提出。

先のアンケートは賛成反対以外に全面賛成、条件付賛成、全面反対というアンケート項目があり、条件次第で賛成をあわせると206、全面反対は137だった。25日の午前中に市教委にPTA役員が呼ばれた際、条件付なら賛成が多いから大丈夫という話になったとのこと。この動きに保護者の中には裏切られたとして、PTA幹部に対する不信感がいっぱいで、会員をやめたいとの声も出ている。

PTA執行部は保護者に対して説明ができないということで、8月1日には臨時総会と銘打って説明会を開催。市教育委員会から教育長以下3人が来て、PTA参画についての説明。司会が質問はありませんかと言うと、市教委の3人は質問を受けることになっていないと席を立って帰った。その後総会は騒然とし、市の行政命令だから聞かざるを得ないのかとの諦めの雰囲気で終わる。

その結果を受けて、PTAとして総会報告を兼ねた研修スケジュール提示や運営委員会の意見反映等を求める文書を8月3日付けで提出。これに対して教育委員会は8月7日付けで回答書をPTAに送付。

 

富山中学校での動き
富山中学校では、試行校指定を受けて学校教育問題特別委員会をPTA内に設置して検討を進め、7月7日、市長あてにPTAとしての結論が出るまで試行の延期を求める要望書を提出。あわせて2P協がかつて市教委に提出していた「PTAによる業務ができない場合は、外部民間委託をお願いします。」という項目を撤回を要望。この間の説明会で教育委員会は、PTA委託ができない場合は二学期から弁当を持ってきてもらうと発言。

7月13日には富山公民館で、市職労主催の「今考えよう学校教育 富山中学校区地域集会」が開かれ、出席した長尾教育次長は二学期からの弁当持参案を撤回し、今の調理員を残してそこにPTAが推薦する人を加えて試行をしてみることを案として示した。この会の中で、PTA役員からPTA役員会で昨年度からPTA委託が議題にすらなったことがないことが報告され、教育次長も困惑した。

市教委から7月17日付けで要望書への回答書が出される。正式に弁当持参を撤回し、PTA参画方式を提示。これに対してPTAは7月21日付けで、PTA参画という新たな提案があったのだからPTA委託試行校としての協議は必要なくなったのかとの質問書を教育委員会に持参。教育長は文書での回答はしない。お母さんたちは子どものことをやっていれば良いなどと発言。教育委員会が信頼できないなら、学校へ子どもをやれないだろうと開き直った。

7月27日に市教委が一方的に9月からの試行実施を決定と通知を送りつけたため、8月1日のPTA全役員会で「突然の決定はおかしい」「PTA参画と委託の違いは何なのか」などと批判の声が相次ぎ、PTA役員は一方的に試行実施を決定した市教委の手法は、保護者、子どもはもとより、市民の不信と混乱をあおるもので、9月試行には「協力できない」という文書を教育長に提出した。

馬屋下小学校での動き

馬屋下小学校では、PTA役員会での議論をもとに一般会員の賛否を問い、PTAの相違として7月19日に9月試行の延期を求める要望書を教育長に手渡していましたが、これを無視して、7月27日に教育委員会の決定として学校とPTAに委託試行の9月実施を通知した。

PTA幹部は急きょ協力することを決め、保護者にそのことを知らせる緊急連絡を配布した。この対応に、良心的な保護者はPTA幹部の裏切り、市教育委員会の姿勢は許せないと怒っている。

藤田中学校での動き

藤田中学校では、6月23日にPTA主催の説明会があり、その場で教育委員会からの民間委託の説明があり、すぐにアンケートがとられ、その結果を受けてこのことについての決定は三役会に一任された。その後に役員会を開いて賛成が決められた。

7月3日に役員会を開いたが、地元選出の田口市議会議員が委託賛成と表明し、49人中48人が賛成となった。その後、全員に呼びかけてPTAの全体会を開いたが保護者の参加は15名だけで、それは反対の人ばかりだった。意見は聞くが役員会で決定したので、それでいくとの表明があった。

PTAとして7月19日付けで委託受け入れの通知を市教委に提出。あわせて提出された要望書には、「試行経年後も、営利優先とならないよう監視体制の確立をお願いしたい。」として、1年限りでなく継続を前提とした要望となっている。市教委は7月25日付けで要望の趣旨を反映するよう努めるとした礼状をPTAに送付した。

慎重派や反対派の人の中には独自に集会を開いた人もあるが、意見を言わせないような圧力がかけられている。また、委託試行の見返りに教員の加配を求めるといううわさも流れている。

 

*全体に共通する問題

この委託問題で、各学校のPTA役員は連日会議を持ち対応に追われ、心身ともに疲れている。そして、PTA内部では、様々な意見が出される中で信頼関係はなくなり、大混乱の状況。しかし、ある説明会で、「学校やPTAに混乱が起きている。どう考えているか」との質問があり、多くの参加者から具体的な混乱の状況の発言があったにもかかわらず、教育委員会はこの事態を「混乱とは考えていない。ようやく保護者が学校教育の問題を真剣に考えはじめてくれたということと理解している」と開き直っている。

結果として、保護者やPTAからの教育委員会への信頼は崩壊していると言ってよい事態になっていて、市教委の表明にかかわらず、現場は大変に混乱をきたしているといわざるを得ない。

 この事態は市議会文教委員会での議員の発言や臨時市議会での市長の慎重な対応を求める発言につながっている。

小学校PTA連合会の動き

小P連は給食特別委員会を設置。その第一回会合の様子では、各PTA会長も責任がかかっていることを感じている様子。ブロックごとに話し合い、その結果を報告しあった。委託指定校の様子は報告されていたが、新聞報道でしか知らない、PTA組織から情報を流していない、どう会員に情報を流したら良いかという声も出された。
 全体的な雰囲気は民間委託には反対の空気。堺の民間委託の話や事故の際の責任問題の話に関して、前日作って冷凍したものを使っていることなど、民間委託には否定的な発言も出された。
ブロックによっては、論議の結果、いざとなったら2P協から脱退しようという意思統一をしたというところも出ているという。



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