市教育委員会の試行計画


学校給食運営審議会の中間報告に盛り込まれた施行案のうち、民間委託とPTA委託については9月の先送りさせましたが、それ以外の改善面での試行については、現在教育委員会当局と労働組合の間で協議が進められているとのことです。
その中で出されている提案の中から、実施が決まったものをお知らせします。

試行事項 施行予定校 市教委からの説明 組合側からの意見
丼の導入 小学校(5校)…三勲、旭竜、操南、竜之口、豊
中学校(3校)…芳田、西大寺、足守
平均的な人数の学校で可能性のあるところ(消毒保管庫や保管場所がある=調査済) を選んだ。小750ml 中920ml 重さ320g、できるだけ軽い物。入札発注で1 〜1.5月かかる。年次的に増やす計画だがとりあえず条件の整っている学校から導入する。 もっと多くの学校に入らないのか。
→(当局)今年はこれだけでしたい。
調理場のドライシステム化 小学校(1校)…福島小 来年4月に使用できる計画で準備。6月中に契約着工。  2年前に設計はできている。 早く進めてほしい。 
残さい処理設備の整備 中学校(1校)…藤田中学校 環境教育の観点から、残さい(残菜、処理の野菜の皮を含む)を堆肥化。1日40 〜50Kgの処理能力。残さいの1割が堆肥になり、学校、学区内の小学校、近くの農家に受けいれてもらう。1日40〜50Kgの処理能力。1施設500万円。 500万円でなく、もっと小規模の施設でよいのではないか。
→(当局)提案どおり実施させてほしい。
ランチルーム食堂)の整備 小学校(3校)…(希望)高島小学校 中学校(2校)…(希望)富山・足守中学校 希望の学校は行う。小学校2校分はこれから探す。予算の交換流用はできないので小学校予算の使い方を6月補正予算で考えてもよい。  小学校の望がないのなら、中学校に予算をまわしてほしい。
米飯給食の拡大 ・自校炊飯 小・中学校の希望校で週1回の増加を試行する。 小・中学校で3校程度週1回増加。地場産米の使用。米の使用促進。自校炊飯でも 委託炊飯でもよい。週1回増加の日は米飯パートなし。自校炊飯も現有の施設、人員で実施する。 釜使用の自校炊飯はおかずの品数に影響がある。炊飯器の検討をしてほしい。
→(当局)炊飯器の検討をする。
自校献立の作成 ・弁当持参日設定 ・自校炊飯 ・単独食材購入 高島小学校、興除給食センター 小・中学校で3校。行事に合わせた弾力的な給食ができる。共同献立・共同購入を を使わない。いっさい学校で調達する。弁当持参。支払い・調達は学校でする。米も自校炊飯で米飯パートは入れない。 3つがセットなのか。自校炊飯になると釜の数が足りなく、おかずの品数に影響があるので、外してほしい。
給食運営委員会 PTA参画 できるだけ早くするために要項の準備中。校長、教頭、給食主任、栄養士、調理員、 PTA代表。必要に応じて、子どもの意見を聞く。 運営委員会の中で話し合いがきちんとできるような運営体制にしてほしい。
多機能化 ・部活動へ提供 ・学童保育へ提供 ・高齢者へ提供 関係部局と協議中 ・部活動へ提供…中体連の会長は食べて部活は体によくないので無理といっている。夏休みは午前、午後と分かれているので必要なし。
・学童保育へ提供…6月に岡山市児童クラブ連合会の総会があるので話をする。
・高齢者へ提供…夏休みだけではダメ。市内統一の献立により毎日実施してほしい。 昼食か夕食か?高齢者福祉課と協議する。
 夏休みに具体化できるように当局としてもどうやったらできるか考えてほしい。
食材等使用制約の廃止(注) 食材等使用制約は基本的に廃止。ただし、学校の事情もあるので学校内でよく話し合うこと。  食材等使用制約の廃止を文章できちんと出してほしい。
民間委託 二学期から試行 二学期から試行したい。文教委員会からも言われている。
PTA参画(委託) 二学期から試行 二学期から試行したい。文教委員会からも言われている。
施設設備の集約化及 び保温・保冷コンテ ナの導入 二学期から試行したい。文教委員会からも言われている。
学校栄養職員・その他加配職員の見直し 米飯パートの加配の見直し 週1回増える米飯パートはいなくてよい。
共同調理場運営体制の見直し 省力化したい。
定年年齢の見直し 全庁的な問題で、総務局と相談する。
退職勧奨の実施 全庁的な問題で、総務局と相談する。希望者を募る。理解してもらえるようにお願いしたい。
職種変更の実施 全庁的な問題で、総務局と相談する。希望者を募る。理解してもらえるようにお願いしたい。

*このうち、自校献立の作成、自校炊飯、単独食材購入については教育委員会がすべてセットで試行したいと無理な提案をしています。
 いずれも現状の施設・設備、人員体制は変えずに行うことが前提となっているので、たとえば米飯を自校炊飯すると今までおかずを作るために使用していた回転釜の一つを米飯用に回さないといけなくなるので、そのぶん献立が貧弱になってしまいます。そのため、学校現場では、今の体制でやれるところで、自校炊飯は自校炊飯だけの試行をやらせてほしいと提案しているのですが、当局側の姿勢がかたくなだとのこと。
 参加した栄養士さんの話によると、悪くとれば、教育委員会は無理難題を試行にくっつけて、わざと受ける学校がないと言おうとしているのではないかと思えるとのこと。
 このほかにも、自校炊飯のほかに自校献立と自校調達もセットにされている上、学校給食会は使わせない、すべて食材は他から調達するようにとの制約もつけているとのことです。これでは、試行の結果自校調達を全校で行うことになった場合、学校給食会は廃止する以外になくなります。学校教育会もひとつの業者として教育委員会はそのことを了解の上で提案してるのか、疑問だとの声もあがっています。

 いずれにしても、試行内容や試行する学校を決める際に、当然保護者やPTAにも知らせ、了解を得てから行うべきことは言うまでもありません。せっかくの改善へ向けての試行は、市民みんなの支持が得られる方法やプロセスを大事にしてもらいたいものです。

一方、当局が進めたい改悪につながりかねない施策についてもぜひやらせてくれとの提案がなされているとのことです。
 ・民間委託          二学期(9月)から試行したい
 ・PTA委託          二学期(9月)から試行したい
 ・施設・設備の集約化    二学期(9月)から試行したい
  (自校方式を止めて、センター化すること)
                   

市教委の提案にはなかったので組合から提案した項目
@はしについて
  (組合から)はしの持参について。衛生面からも学校で準備したほうがよい。
  (当局から)はしは基本的には持参。各学校で新しい給食運営委員会の中で検討してもらえばよい。           (組合から)学校ではしを出してもよいということを市教委からきちんと言ってほしい。

*<学校給食食器具の調査結果> (市教委が実施した3月1日現在の状況)
は し   家庭から持参学校で準備     小学校(85)  62(72.9%) 23(37.1%)
                           中学校(32)  22(68.8%) 10(31.2%)
                           (学校で準備のはしの材質はポリアミド=ハイロン)
 丼    購入していない購入している   小学校(85)  78(91.8%)  7( 8.2%)
                          中学校(32)  22(100%)   0
                          (購入している材質は強化磁器、強化耐熱ガラス)
・4月から「はし」を使用している学校が増えているので、3月1日現在の状況より、数が少し変わっています。

Aアレルギー調査について
   (組合から)アレルギー調査を実施し、実態を把握するようにしてほしい。
   (当局)  プライバシーの問題があり、難しい。
   (組合から)学校内ではプライバシーに関わることは他にもたくさんある。子どもの体のことを知るのは
         一番大切なことである。  
  (当局)  検討する。

私たち市民から、ぜひ改善への試行を進めてほしいとの積極的な声を教育委員会に届
  けることが大切になっています。

上の表の中の食材使用等の制約の排除についての
  私たち(特に学校給食現場の職員)が求めてきたさまざまな制約の撤廃について、この間の労使の協議の中で教育委員会側がようやく撤回を表明しました。
 これで各学校での自由裁量の部分が拡大され、豊かな学校給食へ一歩前進しました。 (これまであった制約とは、サトイモは洗いサトイモを使うこととか、りんごの皮むきは しないなど、現場の意見を無視した理不尽なものだったとのこと)

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