市議会文教委員会で慎重意見が相次ぐ(2000.8.7)


 8月7日に開かれた市議会文教委員会で、学校給食の民間委託・PTA委託等の試行問題の経過と、9月から試行を行い決定をして各学校に通知したことが教育委員会から報告されました。
 これに対して委員さんたちからは、富山中など当該のPTAとの合意ができていないことをあげ、市教委の進め方を批判する意見が次々に出されました。

 特に富山中学校区にかかわりが深い浦上議員は、かつて市議会でPTA委託はすばらしいと持ち上げ、推進派と見られていました。しかし、今回は一転、PTAの動きを踏まえて合意は得られていないこと、性急な試行へ強い疑問を表明しました。これは地元のPTA役員さんたちの働きかけの中で、合意形成ができていないことを痛感したことから、態度を変えたものと思われます。

 浦上議員は、保護者の合意と協力があればPTA委託はすばらしいと思ったが、その合意が得られていないこと、PTAの様子を見ていて委託や当局の言う参画には反対の意思が民主的に決定されていることから、このままの試行は問題があるとしています。

 この文教委員会での論議は翌日のマスコミ各紙でも大きく報道されました。
 藤田中学校の場合、地元の市議会議員が賛成派で、PTAが早くから賛成を決めて動いたことと比較してみると、富山中学校の場合は、当初賛成派だった議員さんもPTAの動きによって慎重派に転じざるを得なかったということは、非常に教訓的なことです。

 市教委の計画では、これから始めるとしている試行を受けて、来年度は委託校を大幅に増やすことになっています。その際に、多くの地元議員は賛成派であることが多いと思われますが、それでも保護者が声をあげて、PTAも反対の立場を明確にすれば、議員の姿勢も変わりうるということ。そして、そうなれば、市教委もそこまで地元の反対が強い学校は委託校からはずすことになるだろうことも容易に想像できます。

 つまり、今起こっている試行指定校の混乱から教訓を学んで、今から委託反対の声を大きくする努力をしていけば、その学校は委託からはずれて改善へ進んでいく可能性が高くなるということでしょう。逆に言えば、なにもせずにいる学校が委託校として狙われると言えるかも知れません。