おもちゃライブラリー

日本ではあまりその存在を耳にしたことがないのですが
低料金でおもちゃを貸し出すおもちゃ館がフランスでは普及している
そうです。このおもちゃ館のことをリュドテークと呼ぶそうですが
1967年に開設されて以来、現在は1100館以上のリュドテークがある
ということです。田舎にはライブラリーの代わりにおもちゃを積んで村から村へとバスが巡回するそうです。
リュドテークには図書館の司書のように資格を持った司書がいます。
「おもちゃ司書はリュドテークが子供達の良きコミュニケーションの場になるように
気配りをし、知育の育成を助長する良質な玩具を選んだり、ゲームや玩具の説明、遊び方
を教えてあげます。ひとりぼっちになっている子はいないか、遊技性よりも競技性を
重視しすぎていないかなども心掛けています。」とおもちゃ司書は語ります。
また、「従来の玩具には自己中心的な幼児期の思考から、社会を形づくろうという人間の
特性を芽生えさせる役割がある。」と語っています。
フランス国民のテレビやハイテクブームに対する危機意識は高く、大半のリュドテークは
公共施設ではなく、NPO(民間非営利団体)による自発的なものなのです。
(参考:神戸新聞 2004年2月21日より)

子供達がゲームで遊ぶ様子を見ていると、確かにそこには社会の縮図があるように思います。
リーダーシップをとる子、自分が不利になると不機嫌になったりゲームを放棄しようとする子、
やり方にとまどっている友達に助け船を出す子、友達のミスをなじる子、大きなリアクションで
場を盛り上げてくれる子、これは大人社会にもそっくり当てはまる様子です。
ゲームを通してルールを守ることや、他人と協調すること、助け合うことなど学べることが
たくさんあります。他人と何の会話も交わすことなく楽しめるコンピューターゲームでは得られない
ものがあるはずです。近頃は目を惹くハイテクおもちゃもいろいろあります。それはそれで優れたものもたくさんあり、
私自身そのような物にもとても興味があります。しかし、子どもの頃に友達とけんかをしたり笑ったりしながら遊んだ経験や
思い出はとても貴重なものになります。ゲームボードを囲んで友達や家族とコミュニケーションを交わしながら遊べる素朴で
良質なゲームをのんびり楽しんでみませんか。