アメリカでの日本語クラス


私たちが英語をはじめいくつかの外国語を学習するように、多くの外国人も日本語を学習しています。
もう何年も昔の話になってしまいますが、カリフォルニア州立大学バークレー校の日本語学科の学生さん達とlanguage exchange(互いの母国語を教え合う)ということをした経験があります。その時に彼らの日本語の授業を見学させてもらった時の様子をご紹介したいと思います。
大学4年生のクラスでしたが、その日は芥川龍之介の「蜘蛛の糸」についての授業でした。日本人の先生が担当で授業は日本語で行われます。印象としては日本の中学校の国語の授業のような感じでした。まず、漢字の豆テストがあります。漢字のテストは皆苦労していたようで、漢字の文字は"write"というより"draw"、つまり文字を書くというよりは、なんだか図形か記号を描いているようだと言っていました。本題に入ると小説の内容について先生が説明したり、生徒に質問したりしながら授業は進んでいきます。次にある場面での「主人公の気持ちについて考えてみよう」ということで、いくつかのグループに分かれて話し合い、その結果を発表しあうというものでした。
ゼミのクラスとなると、吉本ばななの「キッチン」や安部公房の「砂の女」などが題材として取り上げられていましたが、安部公房作品ともなると質問されてもうまく説明できない難解な表現も多数あり、日本人として焦ってしまった記憶があります。時々みんなで集まって、日本の小説についてあれこれ言いながら勉強するのはとても楽しい時間でした。
私が今も英語と関わる仕事をしているように、エクスチェンジパートナーのみんなも現在も何かしら日本語に関わっているかしら、と懐かしく思い出します。