スペリングコンテスト

単語テストをするとなると「アメリカ人に生まれていればいちいち単語を覚えなくても良かったにー」とぼやいていた中学生の生徒がおりましたが、英単語のスペリングを一生懸命覚えるのは、英語圏に住んでいる子供達も同じ事です。
教室では先生が発音した単語の綴りをアルファベットで一文字一文字暗唱して覚えます。学校主催のスペリングコンテストも行われ、生徒達はこの日の為に特訓します。スペリングコンテストで一番規模の大きいものが ”National Spelling Bee”です。(bee にはミツバチの意味の他にある活動のための集まりという意味があります。)9歳から15歳までの約1千万人が参加し、各学校、地域、州の予選を勝ち抜いてきた250人だけがワシントンDCでの決勝大会に出場できます。この様子はテレビでも中継されます。コンテストの進め方としては、出場者はひとりずつ壇上に上がると、審査員が単語を発音します。出場者は単語の意味や用例を質問することができます。制限時間内に正解できれば次のラウンドに進み、間違えるとそこで失格となります。
それではどんな単語が出題されるのでしょう。昨年の優勝者が正解した最後の問題を調べてみましたところ、問題は"serrefine"。こんな単語知りません。早速辞書で調べると、医学用語で止血小鉗子だそうです。ちなみに"yosenabe" という問題もありましたが、どの単語もネイティブスピーカーにとっても見慣れないものばかりだそうです。
いくら一生懸命暗記や勉強をするとはいえ、小学生くらいの子供が普段使わないような単語をこんなにたくさん覚える事が出来るのか不思議なようですが、ここで忘れていけないのがフォニックスの存在です。アメリカの小学校ではフォニックス学習は必須ですが、フォニックスで文字と発音の規則性を覚えておけば、意味を知らない単語でもスペリングできるというわけです。それにしても、全国大会レベルとなると、記憶力や言葉の才能に加えてかなりの努力が必要とされるようです。
スヌーピーのコッミク"Peanuts"では、飼い主のチャーリーブラウンが学校のスペリングコンテストで"beagle"の綴りを間違えてコンテストを見に来ていたスヌーピーをがっがりさせるというものがありました。リチャード・ギア主演の映画"綴り字のシーズン(Bee Srason)"という映画ではこのコンテストの様子が描かれています。この映画は、言葉や綴りの知識は豊富でも本当の意味でのコミュニケーションがうまく取れない家族の絆がほころびて行く様子を娘のスペリングコンテストを通して描いてるものです。興味のある方はご覧になってみてください。