手 水 鉢 類

 水は、火と同様に生活に欠かせない大切なもので、昔から神聖なものの代表として神仏に捧げ、みずからの体を清めてきました。そのため神社・寺院の門前には口をすすぎ手を清めるための「水船」が置かれていました。また、旅に出て苦しい山越えをするとき谷間からひかれている筧の水は、何にも勝るごちそうでもありました。
 室町時代に入り、茶の湯が起こり茶と水は切り離せない関係になり、さらに桃山時代になると茶道が利休などによって確立されると席入りに先立ち手を清めることも作法の一つとして取り上げられ、茶庭の一部にそのための施設が設けられるようになりました。これが「つくばい」で、これにいろいろな形をした手水鉢が用いられました。
 その後、つくばいの景観が庭園の添景によく調和することから、茶事に全く関係のない庭園にもしばしば取り入れられ、中には手水鉢が庭の主景になるものまで現れてきました。こんにち、このような意味のつくばいはほとんどの庭園に設けられているほど流行しております。手水鉢はつくばいだけでなく、縁先手水鉢として書院茶室の茶事に用いられ、はては便所の手洗いまでその利用を広げており、茶事からはなれて建築との接点に重要な役目をもっています。 

手水鉢の分類

自然石手水鉢 天然の石に自然の力により穴が掘れたものや人工的に新たに水穴を掘ったもの
加工石手水鉢
創作形手水鉢
球体・四角柱等の加工石材に水穴を掘ったものや新しい感覚で制作されたもの
見立物手水鉢 燈籠や層塔等の石造品の一部に水穴を掘ったもの

手水鉢の商品を御紹介

自然石手水鉢 創作形手水鉢 見立物手水鉢