2015年12月の裏庭
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▲旧人類の草庵TOP
師走の初日は朝から好天に恵まれていて、予てからの宿題を済ますには絶好の日和となった。9時過ぎの電車に乗って、千代田線北小金駅には9時半に着いた。もう、参拝を済ませて戻ってくる「師走人」もいる。自分の長い影を踏みながら山門まで歩く。長谷山本土寺には6月の暑い日にも参拝して、アジサイに向かってシヤッターを切った。あれから半年経った12月に、この本土寺で今年の紅葉を撮るという宿題を片付けることにした。やっとの紅葉との対面である。それほど今年は紅葉を撮りに出かけるチャンスが無かったことになる。
今年はどこでもキレイな紅葉が見られないらしく、地区の観光協会は紅葉祭りの会期を設定するのに苦戦しているらしい。本土寺もこの例に漏れず、訪れた人々が残念な言葉を残しているという。だからあまり期待せずにやって来た。
山門を潜って石段を降りながら辺りを見回しても、余り紅葉した樹が見つからない。500円の参拝料金を払って、ゲートを入る。五重の塔付近にやや赤い色が見えるので、近寄ってシヤッターを切る。葉焼けして褐色になった汚らしい葉が目立つ。それらを避けながら、何枚か撮り続けた。
鐘楼、五重の塔、本堂、秋山夫人の墓*、客殿、弁天堂、瑞鳳門などを順に巡って受付前のゲートへ戻ってきて1時間余りの撮影を終えた。

*秋山夫人の墓とは、下山の局とも称された於都摩(おつま)の墓のことである。水戸光圀が1684年に建立したらしい。徳川家康は武田の血統を残すために、武田の血が流れる名門穴山梅雪の養女於都摩を16歳で側室とした。しかし、24歳の若さで小金で病死し、本土寺の参道脇に葬られたという。その墓を鷹狩りに来た光圀が見つけて本土寺に改墓したとか。
帰路、参道の漬け物屋で草団子を1本食べてから船橋屋本土寺店に立ち寄る。くず餅とあんみつを買うが、じつはこの買い物がこの寺を訪れる目的であったりする。