博士と助手の長瀬君は、とある川の上流に来ていました。
夏の日差しがとても厳しいです。
「はっかせー、もう恐竜の化石の発掘なんか辞めて研究所に帰りましょうよ」
「駄目じゃ、化石を見つけ出すまでは決して帰らんぞ」
「ぼくたち発掘じゃなくて研究所で発明やってるほうがあっているような気がするんですけど。でもなんで急に化石の発掘なんかやることになったんですか」
「わしが少年の頃の夢を思い出したのじゃ。博物館で見たティラノサウルスの骨格の標本が鮮やかに記憶から蘇ってきたのじゃ」
「は、はっかせー、それだけのためにここにきたんですかぁ」
「わしが子供の頃の博士のイメージといえばなんでもできる万能の天才というものじゃったからのう、発明も出来れば発掘もできると相場が決まっていたのじゃ」
「それにしても、スコップで手当たり次第掘りまくるというのも芸がないと思うんですけれど、いつものように発明品でパアッとできないもんなんですか」
「おお、そうじゃ。こんな時のために用意がしてあったのじゃった。ぱんぱかぱーん 化石発掘装置『ここほれわんわん君』じゃ」
「『博士はいつも発明品をどこから取り出すんですか』ってメールが届いてましたけど、そんなだから、人からドラえもんみたいだって言われるんですよ。体型もそうだけど」
「失礼なやつじゃな。まあいい。動かすぞ、それ、ポチッとな」
「わ、すごいですよ、どんどん地面を掘り進んでいってます」
「ほら追いかけるぞ」
装置の掘り抜いたトンネルをもぐって二人は一所懸命追いかけていきました。
そうしてようやく、化石を見つけ停止していた装置に追い付いたのです。
「ここはどこじゃ」
「大きなお寺ですねぇ」
「それにしては人っ子一人おらんようじゃな」
「わかりました、寺の僧留守(ティラノサウルス)でございます」