包装されていない贈り物
東華と憂木シリーズの最終話。
ここはコンピュータ文化の遅れたところ
福井だ、福井。
「この人あんたんこと気にいったんやって。〜」
福井弁。「この人はあなたのことを気に入ったそうだよ。あなたももう結婚しなければいけないような歳になったんだからね」
「それこの人と結婚せってこと?」
福井弁。「それは、この人と結婚しろっていうことなの?」
「正月過ぎたらぁお父さんと結納やるさけの」
福井弁。「正月が過ぎたら、お父様と一緒に結納の儀式を行ないますからね」 つまりすでに東華の結婚が決められたものとしてあるのだという宣告であり、反論を許さないということを言っている。
「知らん人でも一緒に居たら段々ようなるって」
福井弁。「知らない人でも一緒に暮らすようになったならば、段々その人のことを好きになるものなのよ」 そんなわけあるかい。
絶対に結婚を許してはくださらない
先の話で憂木は自分の見合い話をぶち壊している。そしてそのまま駆け落ちしたわけだ。
LC475
マッキントッシュの型名。本体とテレビが別になった最初の機種。
昨年描いた絵
東華と憂木の絵。絵の中だけでも一緒にいたかったから描いた。それが遺書代わりだったのだ。
赤ちゃん
包装されていない贈り物は全部で四つ。憂木のLC475と婚姻届、東華の絵と赤ちゃん。そしてこの話自体が贈り物であって、ある人だけのために書いたものだった。彼女にリストカット癖があるなんて後から知ったことだった。自分で読み返して涙が出てくるのはここだけの内緒。