G3ツアースロー(2005年新製品)についての私見


2005年新製品として、G3から面白いパーツが発売されましたね。ツアースローというパーツなのですが、
なかなか目の付け所の良いパーツだと思っているのですが、同時に疑問点も湧きました。
そこで、ちょっと、いろいろと私なりに考察してみました。

ケーブルビンディングの場合、ケーブルのテンションでブーツを固定します。
なので、キッチリとブーツを固定する事が出来、好感触な滑走感覚が得られます。
その反面、踵をケーブルで固定するから、踵に自由感がありません。
どうしても歩く時、登る時に負担が増してしまいます。
これは、ケーブルビンディングの構造上、止むを得ないでしょう。
ツアースローはその欠点を補うべく開発されたパーツです。
こういったパーツが増えるのはユーザーとしてはありがたい限りです。
メーカーがこの様な努力をしてくれるのは良い事です、ほんと。

こちらは別売りのパーツ。
2個1組ではなく、1個\3045-(本体価格\2900-)
つまり、2個買うと\6090-。
余談ながら、海外では1個20.99ドル、2個1組で29.99ドル。
1ドルを105円と仮定して計算すると、
20.99ドル×105円=2204円(1個の値段)
29.99ドル×105円=3149円(2個1組の値段)
内外価格差が激しいですね…。これは輸入代理店の問題でしょう。
こちらか、こちらの海外通販サイトで購入出来ます。

昨シーズンまでのモデルにツアースローを付けたい場合は別売りパーツを購入してから、取りつけます。
今シーズンモデルには最初からツアースローが付属しています。
なのに、なぜ、ツアースローの別売りパーツはこんな価格なのでしょうか?
去年モデルと今シーズンモデルではビンディング自体、価格は据置なのに。
はめる時には、この様に天地逆になるまで、
パーツをまわさないといけません。
ここまでやるのはちょっと面倒です。
ゲレンデや、平坦な場所ならばともかく、山の中、自然の中では、
そんなに条件の良い場所ばかりではありません。
いや、むしろ、厳しい条件の方が多いでしょう。
私としては、ビンディングがセットし難いと感じます。
セットし難いビンディングとはいうのはちょっとな…。

それでなくとも、テレマークスキーのビンディングはセットしづらいんだから‥
まあ、だからと言って、取り付けにそんなに時間が掛かる訳でもありませんが。
これが歩行モードのセット状態。
こんな形だとちょっとした衝撃などで、外れ易くないでしょうか…?
ツアー中には自分の板を引っ掛けたり、木の枝で引っ掛けたり、等、
いろいろな障害(そんな大袈裟な言い方も何ですが…)があります。
その様な状況に対応出来るのかちょっと不安です。
こちらは通常の滑走モードにセットした状態。
他のケーブルビンディングとセットする位置が一段違うのが分りますか?
ここで、いくつか疑問なのですが、ブーツメーカーはここまで計算しているのでしょうか?
この部分にこの様なパーツがセットされても大丈夫な様に
計算されて製作されているのでしょうか?
1年経ったら、ブーツが傷だらけで‥、なんて事にはならないのでしょうか?
少なくとも、革靴ではダメです。
もっとも、G3自体プラスチックブーツ専用ビンディングですがね。


それと、各ブーツメーカーの組み合わせに関して、問題は無いのだろうか?
しっかりとフィールドテストはされているのだろうか?
スカルパ製ブーツ、ガルモント製ブーツは大丈夫だが、
他メーカーはダメなんて事は無いのだろうか?
特に今シーズンモデルのクリスピ製ブーツはこの部分の形が丸まっている。
その辺りはテストされているのだろうか?
それとも、その辺りの事はユーザー側で対処するだけなのだろうか?
メーカー、輸入代理店からのテスト情報は開示されないのだろうか?
こちらは他のケーブルビンディングのブーツへのセット位置。
通常ではこちら側の位置へセットする。ブーツメーカーはこの位置にビンディングが
セットされると計算しているのではないのだろうか?確証はないが、どうも不安である。
G3も、ロッテフェラーのコブラシリーズも
ヒールレバーをこの様に引っ掛けて
ケーブルがブラブラしない様になりましたっ! \♪(*^o^*)♪/
これって、凄く嬉しい事ですー。

余談ながら、ロッテフェラーのコブラシリーズのクライミングサポートは
扱いやすく、ストックのリングで、簡単に立てたり、倒したり出来ます。
これはツアー中にはとっても有意義な事です。


自分自身が実際に山の中で、ツアー中に使った訳ではないので、ハッキリとした事は断言できませんし、
人それぞれ感じ方、考え方が違いますから、何とも言えませんが、こんなパーツが使い物になるのだろうか?
と疑問です。が、着眼点は最高級に優れていると思います、実際、ケーブルビンディングはその特性上、
どうしても、歩行に支障をきたします。その構造上、どうしても歩くのには負担が掛かります。
ツアースローはそれらを解決する為のパーツです。まだまだ未完成の部分もたくさんあるでしょう。
いずれ、これからの時代はこういったパーツが主流になっていくでしょう。それは間違い無いと思います。
実際にパーツをブーツにセットする際、かかる力の大きさは今までと明らかに違います。楽です。
「あ、これは歩き易いんじゃない」と感じます。これは実に素晴らしいっ!

私の知人でツアーに使った人がいたので、その使用感を聞いてみました。
「歩き易く、とても便利だ」と言っていました。ただ、それ程長距離を歩いた訳では無いので、
正確な事は1シーズンフルに使ってみないと分らないだろうとも言っていました。
ですが、可能性の高い、将来性の期待出来る品物とも言っていました。

今シーズン以降、このパーツは流行るだろうし、使われて行くでしょう。
なにせ、G3を使う人に関して言えば、これしかパーツが無いんだから…。
しかし、別売りの場合、 1個\3045-(本体価格\2900-)つまり、2個買うと\6090-という価格設定はいかがなものかと思います。
今年モデルには最初からツアースローが付属していて、去年モデル(ツアースロー無し)と価格据置ですよ…。
この辺りは輸入代理店の企業努力というものが全く見られません、としか言うより無いですね…。
テレマークスキーで有名なサイトの掲示板の書き込みでは「ふざけた話×怒り×2倍」とか、
「それでも買ってしまうテレマーカーの弱みを熟知していますね」等といった意見が見受けられました。
企業はこうしたユーザーの声を反映した活動をしてもらいたいです。