最終更新日:2004年11月02日  公開日:2000年2月1日

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2004年 書呆子日記
11月1日

 

鈴木邦男 『公安警察の手口』(ちくま新書)

 異色の監視社会論というべきか。新右翼(というか、今はリベラルだと思うけど)一水会の鈴木邦男氏による公安警察論が出た。 

 
3月6日

左巻建男『話題の化学物質100の知識』(東京書籍)

 この種の、口当たりがいいというか「分かりやすい」というか、入門書のような本は特にこの日記に書くこともないので省いているが、この本は一カ所、こてこての誤りがあるので。

 66ページ、化学兵器について触れた項目のなかで「第二次世界大戦では幸いに、お互いの報復を恐れたためか、実戦で使用されることはありませんでした」とあるが、対アメリカ・イギリス・ソ連戦ではともかく、日本は対中国戦において毒ガスを、それも日常的に実戦使用していたことがすでに明らかになっている(参考:紀学仁『日本軍の化学戦』大月書店)。

 それから疑問に思ったのは106ページの西田立樹氏による家庭用農薬の解説で、化学物質過敏症との深い関係が指摘されているピレスロイド系殺虫剤への評価が甘いように感じられた。少なくとも表題のように「虫は殺すが人には優しい」とは決して言えないと思う。末尾のディート(虫よけスプレーに使われる)の毒性については勉強になった。

 
3月6日

エスリー・アン・ヴェア『環境教育の母』(東京書籍)

 アメリカで初めて化学を職業とした女性であり、環境教育・消費者運動・公衆衛生学・家政学の先駆者である女性の伝記。MITへの初の女性学生である他、なにもかもが「女性初」という茨の道を走り抜けた科学者である。

 19世紀から20世紀初頭に活躍した科学者だが、産業社会において人間の健康を誠実に考えようとする科学者が、必ず直面しなければならない圧力を彼女も受けているが、そのことはあまり触れられていない。その点については『自然と人間』3月号の書評でも書いた『煙が水のように流れるとき』が非常に詳しい。

 
3月6日

瀧井宏臣『こどもたちのライフハザード』(岩波書店)

 子育て中の人、あるいはこれから子どもを持とうとするすべての人に読んでほしい本。自分の子どもが重度のアトピーになったことをきっかけに、著者は子どもたちの身体とココロに何が起きているのか、徹底的な取材で迫っている。

 運動能力の劇的低下、急速な夜型化、食状況の変化などにより子どもたちが「成人病」を発症する、「語義矛盾のような事態」が蔓延し(P.54)ている状況、自律神経系・免疫系ともに異常となっている状況などをつぶさに追いながら、子育てを社会化し、親だけでなく多層的に子どもを育てていく取り組みを軸にした解決策を提示している。

 めったに本を読まない友人(女性)が、この本ばかりはじっくりと読んでいた。

 ただし、本書ではアトピー性皮膚炎が増えている背景として、出生直後の清潔な環境によって最近に感染しなくなったことがアレルギー体質が増加している原因だという説が紹介されている(P.106)が、これは疑問に思う。

 
3月5日

山内稚恵『ある日、化学物質過敏症』(三省堂)

 油絵を描いている際に使った塗料がきっかけで化学物質過敏症を発症した京都市の一女性の手記。いったい何の病気なのか分からないまま時間が過ぎてしまったため、症状が重症化してしまい、次々に新しい化学物質に反応、最終的にはほとんどすべての化学物質や電磁波に反応するようになってしまった。過敏症でない者にとっては存在しないも同然であるppb単位(10億分の1)の汚染で、殴られたかのような頭痛、極度の倦怠感などに悩まされてしまう。とりわけ近隣の家の新改築や塗り替えなどがあるときには外に出ることはもちろん、雨戸に詰め物をして防御しても反応する。近所の茶園で農薬が撒かれる日には呼吸困難、動悸、背中・首の痛み、激しい筋肉痛、吐き気などがおきる。著者の「私の命は来年茶園の農薬散布が再開されるまで」という文章が痛々しい。

 抗菌グッズ、ドライクリーニング、合成洗剤、アルコール、さらには都市ガスやプラスチック全般にまで反応を引き起こすようになると、まったく外出は不可能、病院へ行くこともできず、行き着いても病院には化学物質が充満しているため治療を受けることもできない。

 決して特殊な体質にのみ起こる病気ではなく、許容範囲の曝露量を超えたヒトすべてに起こりうる。現在、こころの病気だといって見過ごされている疾患は、かなりの割合で化学物質が原因ではないかと思えてくる。

 これは真剣に考えないといけないと思いますよ。子どもたちの異様に高いアレルギー(アトピー)や花粉症などの免疫系の異常もそうですが、マクロレベルでの環境破壊とともに、こうした細胞レベルのミクロレベルでの身体破壊をくいとめないと、数世代先には絶滅してしまうのではないかと本気で心配になる。

 

 

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▼書呆子日記 特別編

「読書録」の凡例・考え方

スペンサー=ジョンソン 『チーズはどこへ消えた?』 2000.11 扶桑社

 この本の書評を書くにあたって表題を幾つか考えた。
 「やってはならないことをやった本」
 「読者を馬鹿にするにも程がある」
 「我々を幼児扱いするのか」
 「人をコケにした本が売れる時代」
 「読んではいけない」
 その他にも、世の中で最も悪趣味な本という題も考えたが(確かにその通りだと思うが)、世の中にはさらに悲惨な本もあるので、 >>全文

  朝日新聞山形支局 『ある憲兵の記録』 朝日文庫 1991.2 \480

本書は、「満州」国において「特高の神様」とまで言われた憲兵・土屋芳雄氏の半生を、氏からの聞き取りをもとにまとめた本である。「入隊前は畑からはい出す虫を除きながらクワをふるうほどの殺生嫌い」だったという朴訥な農民だった土屋氏が、12年の憲兵時代に拷問などで直接間接に328人の人間を殺すようになる。その変遷を冷静な筆致で追っている。 >>全文

  阿部 猛 『太平洋戦争と歴史学』 吉川弘文館 1999.10 \1700
  粟屋 憲太郎 『現代史発掘』 大月書店 1996.12 \2700

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