一部の区間を除き、それなりの経験者の同行が無い限り大峰奥駆を歩くのは不可能と思ってましたので「いつかは歩いてみたいな」という希望だけを持っておりました。
今回、地元山岳会の友人から「2名で大峰奥駆を2日歩くので同行しないか」とのお誘いをいただき。渡りに舟と「是非お願いします」と返事しました。しかしコースが、和佐又〜大普賢岳〜弥山〜八経ヶ岳〜釈迦ヶ岳〜前鬼と、私の体力ではかなり無理があるようなコース。
本番までの2週間、近場の山に登り試行錯誤しますが結局体力と経験の不足は道具で補うしかないと、いきつけのスポーツショップに行き店長のアドバイスのままに、ゴアテックスの防水上下・トレッキングポール2本・軽量登山靴・吸水拡散性のアンダーウエア・エネルギー補給ジェルを購入し当日を迎えました。
前夜に前鬼のゲート駐車場に車で向かうが落石でかなり荒れている。ゲート手前 3km ぐらいの場所で通行止めの標識。しかたないので多少戻り駐車可能場所に1台をデポし和佐又に向かい到着後仮眠をとる。
ヒュッテに登山届を提出して 6:00 に出発。和佐又山経由で笙ノ窟到着までは順調。その後の急登では頻繁に現れる鉄階段にへっぴり腰になり、息を切らせながらのなんとか小普賢岳に到着。山小屋泊だが安全のためにと持参した合計4.5Lの水が肩に重い。
小普賢岳からの急角度に下りる石階段に目を眩ませ、大普賢までの最後の急登と鉄階段にその後の体力に不安を感じつつ 8:30 大普賢岳到着。完全にガスの中で眺望は皆無。先客は条件さえ良ければ、紀伊半島の山塊・アルプス・果ては富士山まで望める絶景なのですがとの話を聞きつつ先を急ぐ。
その後も国見岳・七曜岳を過ぎるまでは、鉄階段や鎖場で下る箇所が多く高所恐怖症の私はどうしてもへっぴり腰になり難儀する。七曜岳の稜線では一時ガスが晴れ、稲村ヶ岳や山上ヶ岳が望めたが、稜線で立ち上がると腰が引けて、うまく写真に撮れなかった。
七曜岳を下りた11時前位から 1500m 前後の高度を上下するゆるやかな稜線上に、ブナを中心とした落葉性広葉樹の林と小笹の絨毯が続き、私の最も好きなハイキングコースが続く。
12:30 前後に行者避難小屋で昼食を取り、14:40 に通過した行者還トンネル西口出合までハイキングコースは続きました。
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行者還岳の下り |
何なんだ? |
ブナ林 |
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小笹の絨毯 |
紅葉のはしり |
その後、弁天ノ森を通過し、聖宝ノ宿趾で最後の休憩を取り本日最後の難関、弥山まで一気に 350m 程度の標高を上ります。コースの半分までは同行者についていけましたが、その後は息が上がってしまい、小休止をとらないと進めなくなってしまい、結局同行者に遅れること10分?の 16:30 弥山山小屋に到着しました。
17:00 に山小屋で記帳するとすぐに夕食の時間。暖かい飲み物は1日以上飲んでいなかったので、味噌汁を飲み干したあとはお茶をガブ飲み。18:00 には布団に入るということになったが当然眠れるわけが無い。
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キャンプ場より林の向こうに弥山山小屋 |
八経ヶ岳と明星ヶ岳 |
八経ヶ岳山頂 |
寝たような寝てないような翌日の4時過ぎ、隣室の中高年の団体登山客が八経ヶ岳の御来光登山の用意でバタバタし始めたので、同行者は起きないが一人だけ起床し持参のオニギリと水で朝食を取り、出発の荷造りを始める。
5:50 山小屋出発。6:13 八経ヶ岳山頂。残念ながらガスの中。先を急ぐ。明星ヶ岳を巻きながら、雲海上に釈迦ヶ岳を望む。晴れたりガスに包まれたりを繰り返し 8:03 舟ノ垰通過。
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はるか南方に釈迦ヶ岳の姿 |
ミニ・ブロッケン現象 |
舟ノ垰を進む |
コース取りは同行者にお任せでしたが、マーキングの見落としで仏生嶽の巻き道を間違い半時間ロスする。間違った地点に戻り明瞭なマーキングを行う。
この日のコースの植生は多様で、仏生の苔群生地に暫く見とれ、仏生・孔雀のモミ・ツガ林に興味を引かれる。その他小笹の絨毯や落葉樹林が多数見られるのは昨日と同じ。ただし自然条件がさらに厳しいようで、林立したまま白く枯れた木や倒木が目に付く。
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揚子小屋直前 |
仏生巻き道の苔群生地 |
仏生の巻き道より釈迦ヶ岳を望む |
10:39 孔雀の水で水を補給。その後暫くは晴れ間が続き、西方に伯母子岳・護摩壇山を探したりする。南方には釈迦ヶ岳がその姿をさらに鮮明にする。
10:56 孔雀覗にて東南方向に落込む千mの絶壁を見下ろし足か竦む。直下の五百羅漢に一見の価値あり。クライミングも行う同行の二人は絶壁から身を乗り出すが、当方は腰を引きつつ近づき写真を撮ってすぐ逃げる。
11:22 また絶壁上の椽の鼻に到着。同行の二人はゆっくり休憩を取るが当方は落ち着かなくて休憩にならない。
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北西の七面山方向 |
孔雀覗から五百羅漢を望む |
椽の鼻より片口谷を見下ろす |
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椽の鼻で寛ぐ同行者 |
北方の雲の中に弥山・八経ヶ岳 |
後方に椽の鼻の石柱列を見る |
12:20 多少鎖場もあったが釈迦ヶ岳に到着。登山客で満員御礼状態。なんとかスペースを見つけ昼食を取る。東南方向の岩塊上で修験者が行を行ってるようでかすかに白い人影と法螺の音が聞こえる。
12:40 山頂を出発。ここから前鬼のゲート手前の駐車場所までは標高で 1300m を下ることになるので、常時使用している膝サポータとは別にズボンの上から装着できる膝サポータを取り付けキツク締め上げました。
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釈迦ヶ岳への道を阻む岩稜 |
釈迦ヶ岳山頂 |
小笹の絨毯に映える紅葉 |
小笹の絨毯と紅葉のはしりに目を奪われながら、13:13 深仙の宿に到着。すでにかなりの疲労が膝にありこの先に不安が過ぎる。目の前の大日岳の山頂の鎖場を下る登山者をカメラのズームで捕らえ足が竦む。
13:40 太古ノ辻到着。小休止していると、先ほど釈迦ヶ岳から見えたと思しき3名の修験者が上って来られ釈迦ヶ岳方面に向かわれました。
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深仙の宿より大日岳を望む |
大日岳山頂の鎖場を下る登山者 |
太古ノ辻にて修験者 |
急激な下りの衝撃をなんとか、トレッキングポールで押えようと奮闘しつつ、気の緩みから数回の転倒はしましたが、15:10 前鬼宿坊に到着。これで安心と膝サポータを外しましたがこれが大間違い。宿坊からゲート駐車場までの道は、今年の数回の台風で土砂が積載したり、谷では道が流されたままで通行がかなり危険な状態でした。
ゲート手前の釣橋の通行止め標識のロープをくぐりゲート到着が 15:49。さらに林道を下って車到着が 16:14 でした。
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二つ岩 |
不動七重滝(おまけ) |
個人的感想など:
個人的にはこのコースの単独行など私は行いません。危険度が高すぎますし多少のコース取りの間違いが時間のロスになり、到着前に日没でヘッドライトだけで下山するという事態になりかねません。また天候によってはどんな障害が発生するか予想できないからです。
また私は今回のコースは、奈良県関係団体が作成した大峰奥駆コースマップとコースの1/25,000地図を持っていきましたがそれだけでは不十分でした。
今回のコースでは、地図では単純に稜線上の直線コースでも左右に急激に巻いている箇所が数箇所ありました。そうしたコースを事前に知るためにはヤマケイ(山と渓谷社)などが発行している、詳細な地図と文書解説がついた登山コース解説本が必須です。
今回は予算の関係で、ズボン・シャツ・ベスト等は綿製品でしたが、やはりこれも吸水拡散性の高い専用のものにすべきでした。綿製品は汗をかくと半分濡れた状
態になり不快で、休憩すると体温を奪いもう少し気温が低いと行動に支障をきたしたと思います。天気も雨模様だったらかなりの体力消耗になって前鬼に到着できていたかどうか疑問です。
なお大峰奥駆1は2003年に地元山岳会で行われ、奥千本から和佐又まで12時間で歩いたそうです。参加してないので当方のホームページに記録はありません。来年の大峰奥駆3にも是非参加させていただきたいと思ってます。
この場を借りまして、同行させていただきました地元山岳会と、同行のアスリート氏と禁断のクライマー氏、更にスポーツショップの店長様に深く謝意を表します。
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