「証明とは事実のピラミッドの上に結論を据えることであり、正しいとされる情報でできた大きな土台の上にひとつひとつ断定を重ねていくことだ。」

ダン・ブラウン作(越前敏弥訳)
「デセプション・ポイント」(角川書店)からの言葉
下巻 P.51

「ダヴィンチコード」で一躍、時の人となった職人芸的サスペンス作家の、邦訳最新作からの引用。
2003年に発表された「ダヴィンチコード」の一つ前の作品。2001年のもの。

隕石発見を縦糸に、アメリカ合衆国大統領選挙を横糸に
様々な人が様々な思惑で極限まで自分の力を発揮し、必死にもがく様がきめ細かく織り合わされ
一つの大きな謎が徐々に明確な姿を現していく。
言ってみれば、「ダヴィンチコード」と同じ作りのものを、題材を変えて作ったということ。
(実際には、こちらが先に書かれたもの。)
レベルとしても優劣つけがたい。

荒唐無稽と思うかもしれないが、ハリーポッターよりは信憑性があり、共感も沸く。
これらの様々な登場人物たちの孤軍奮闘ぶりに比べれば、受験勉強がいかに楽な関門か。
そんなことまで考えてしまうほど、サスペンスは計り知れない。

「物事を突き詰めるとはどういうことか」を教えてくれる小説とも言える。
途中5時間の睡眠をはさみ、私は夜中の12時から翌日午後3時までで一気に読んでしまった。
だって、途中でやめられなくなってしまうのだもの。


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