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2008年中学入試・2008年問題 (算数)

(2008年に関連付けた本年の入試問題の一部を紹介します。)

(2008年2月1日更新)

函館ラサール中・前期     西武文理中 

西武文理中特選入試     駒場東邦中


函館ラサール中・前期入学試験

〔問い〕下のように、整数が規則正しく並んでいます。

 1 4 3 2 9 8 7 6 5 16 15 14 13 12 11 10 25 24 ・・・・・

 □にあてはまる数を答えなさい。

(1)2008は前から□番目にあります。

(2)前から順に数をたしていくとき(1+4+3+2+・・・)、たした結果がはじめて2008をこえるのは、前から□番目までたしたときです。


解き方

(1)解説

まずどうグループ分けするかがポイント。
大体わかりますね。次のようにグループ分けします。

第1グループ 1
第2グループ 4 3 2
第3グループ 9 8 7 6 5
第4グループ 16 15 14 13 12 11 10
第5グループ 25 24 23 22 21 20 19 18 17

これで何かが見えてきましたね。
そう、各グループの先頭の数字は平方数です。
だから、2008に近い平方数を探す。

また、右から見ていくと、重複なく1から順に並んでいることに気が付きます。
これは(2)で役立ちます。

では、まず2008に近い平方数を探しに行きましょう。

50×50=2500
すぐ思いつくのはこの辺りでしょうか。
ここから段々小さくしていきましょう。

49×49=2401

48×48=2304

この感じからすると、45×45辺りがちょうどみたいですね。

45×45=2025

ここから
第45グループが次にようになっているとつかめます。
2025 2024 2023 2022 ・・・・・

その前の第44グループはどうなっているでしょう。
44×44=1936ですから
第44グループは次のようになっています。
1936 1935 1934 ・・・・・

と言うことは、2008は第45グループの途中にあるということです。
なぜなら、第45グループの最後の数は1937だからです。

では、2025から2008までは何個の数字が並んでいるのか。
2025−2007=18ですから、18個並んでいます。
(引くのは2008ではなく、2007ですよ!)

また、第44グループまでで、何個の数字が並んでいるのか。
各グループの個数は、ちょうど奇数の順番になっています。
そして、44番目の奇数は44×2−1=87 なので
1+3+5+7+・・・・・+87=44×44と計算して
1936個あると分かります。
(N番目までの奇数の和=N×Nを忘れていませんね?)

実は、各グループの先頭の数字は、そのグループまでの最後の数字で、
しかも、各グループの数字は、重複なく、1から順番にならんでいるので
グループの先頭の数字は、そのグループの最後の数字までで何個並んでいるのかを表しているのです。
だから、44グループまでの個数は、44グループの先頭の数字、1936と同じなのです。

つまり、答えは1936+18=1954番目となります。

 

(2)解説

これは、1から順に数字が並んでいることから考え
いくつまで足せば合計が2008を超える数になるかをまず考えます。

その数をAとしましょう。すると次の式ができます。
(1+A)×A÷2=2008

(1+A)×A=4016
つまり、(1+A)×Aの結果が、4016以上になった時のAが求めるAです。

では、そのAを探しましょう。
1違いの2数の積ですから、とりあえず近めの平方数を探ってみましょう。
20×20=400
あれ、全然関係なかったですね(笑い)。
でも、試験場では、とにかく思いついたことを色々やってみるのが大事です。
そして、では、次に何をしてみたらよいかと考えていくのです。

60×60=3600
70×70=4900

何か一気に近づいた気がします。

62×61=3782
63×62=3906
64×63=4032

さあ、分かりますか?
上の3つの式から、Aはズバリ63です。

では、次に、63が第何グループに入っているかを考えましょう。
これは各グループの先頭が平方数であることを使えば簡単ですね。
49<63<64ですから
第8グループに入っていることが分かります。

こういうときも、頭だけで考えないで
実際に第8グループを書いてみましょう。

第8グループ 64 63 62 ・・・・・

あらまあ第8グループの2番目にもう登場です。助かります。

ところが、ここで油断大敵!
数字は大きい方から並んでいますから
この63までを足しても、合計は2008になりません。

実際に確かめてみましょう。
第7グループまでの数字の合計は
(1+49)×49÷2=1225です。
これに64と63を足しても
1225+64+63=1352にしかならないのです。

そう、第8グループまでの合計から、後ろの数字を引いていくという作業が必要になります。

第8グループまでの数字の合計。
(1+64)×64÷2=2080
ここから第8グループの最後の数字から順に引いていきます。
第8グループの最後はいくつでしょう?

第7グループの最初が7の平方数の49ですから、その次の50です。

つまり、もう一度、第8グループを書き出すと
第8グループ 64 63 62 ・・・・・ 53 52 51 50
と、なっているのです。
まず50を引いて2030です。
次にここから51を引いて1979

あ、2008より小さくなりました。
と言うことは、51までを足せば2008を超えるということです。

では、51は何番目の数でしょう。

第8グループの最後の数字の50が64番目ですから
その一つ前で、63番目と分かります。
答えは63です。

試験場で、どうアプローチしていけば良いかも示したかったので
長ったらしい解説となってしまいました。
でも、分かりにくい所があったら、何度も読み返して、しっかり自分のものとしてください。

 

昨年も2007に関連づけた「数の性質」の問題があちこちで出題されていましたね。

今年も多そうです。
次はもう少しありふれた「2008年問題」です。


西武文理中

〔問い〕3で割ると2余り、7で割ると3余る数のうち、2008に一番近い数はいくつですか。


解き方

これはよくある問題ですから、詳しい解説をしなくてもできる人も多いでしょう。

余りも同じでないし、割る数と余りとの差も同じではないので
最初の数は書き出しでみつけます。

(3で割ると2余る数)
2 5 8 11 14 17 20 ・・・・・

(7で割ると3余る数)
3 10 17 24 ・・・・・

つまり、最初の数は17です。

これがみつかれば、後は3と7の最小公倍数の21ずつ足していけば良い。

つまり、3で割ると2余り、7で割ると3余る数は次のような式で表せる数です。

17+21の倍数

この先は省略します。

答え 2012

「数の性質」は大事な単元です。今年も各校で様々な出題がされるでしょう。

次は、もう少し骨の折れる「2008関連問題」です。


駒場東邦中

〔問い〕2008にある整数をかけたとき、次の条件を満たすならば、そのかけた整数を「よい数」ということにします。

 (条件)かけたときの積に、2と8が1回ずつ現れ、2が常に8より左にあり、
     かつ2と8の間にある0の個数がちょうど2個である。

 例えば、2008×626=1257008は条件を満たすので、626は「よい数」です。
 一方、2008×3989=8009912は2と8の位置が逆なので、3989は「よい数」ではありません。

(1)126は「よい数」かどうか、計算して答えなさい。

(2)積が2から始まる7けたの数になるとき、3けたの「よい数」を求めなさい。

(3)積が5けたになるような「よい数」は、10以外にないことを説明しなさい。


解き方

(1)解説

これは実際に計算してしまえば良いですね。
2008×126=253008ですから
126は「よい数」です。

 

(2)解説

今度はすこし手強いです。
でも、よく考えてみましょう。

2008×3けたの数=2から始まる7けたの数。
2008×899=1805132
ですから、この「よい数」は900代の数です。

では試しに3けたで最大の数(=999)をかけてみましょう。
2008×999=2005992
これは条件に合いません。
後は、この2005992から順に2008を引いていけば良いですね。
だって、2005992−2008の答えは
2008×998の答えですから。
(かける数が1小さくなったのだから、答えはかけられる数の分だけ小さくなる)

2005992−2008=2003984
おう、もう条件に合ってしまいました。

念のため
2003984−2008=2001976
条件に合いません。
2001976−2008=1999968
ここからは、2から始まるという条件からはずれてしまいましたから
答えは998だけと分かります。

中学入試ですから、この程度の直感的な解答で充分だと思います。

 

 

(3)解説

これはもう少し条件を詰めないと苦しいかも。
そもそも、「説明しなさい」となっていますし。

この、ある「よい数」をMとしましょう。
2008×M=5けたの、条件に合う数。
Mが3けただと、積は絶対に6けた以上の数になってしまいます。
ですから、Mは1けたか2けたの数です。

2008×M=2000×M+8×Mと見てみましょう。
するとMが5以上でないと5けたにならないのがわかります。
ところがMが5から9では2000の倍数で万の位以上に2が出るものがありません。
M=10で初めて万の位に2が出て、20000となります。
それより前では8×Mは2けたの数ですから千の位の2との間に0が2つ並ぶことはありません。

また、8の倍数で間に0が入るのは
104( M=13)
208(M=26)
だけだが、そもそも208は条件に外れているし
M=13の時
2000×13=26000なので
M=13でも条件には合いません。

ではM=10より上で、2000の倍数で、万以上の位に2が1回だけ出るのはあるのか。
次は120000だが、これは明らかに6けたなので条件に合わない。

以上から、条件に合うのは、10をかけた時だけと言える。

中学入試ですから、この程度の解答で充分だと思います。

 

駒場東邦中学は、今年も数学に近い発想を要求する問題を出してきましたね。
でも、この程度なら、小学生でも対応可能と言えるのではないでしょうか。
2008に関連づけた問題の中では一番面白かったように思います。

「2008年問題」、西武文理中では、特別選抜入試にも出ていました。


 

西武文理中・特選入試

〔問い〕図のように1から順に数を並べていきます。このとき次の問いに答えなさい。

1

2
9
10
25
26
4
3
8
11
24
・・・
5
6
7
12
23
・・・
16
15
14
13
22
・・・
17
18
19
20
21
・・・

(1)一番左の列の上から9番目の数はいくつですか。

(2)2008は上から何番目で左から何番目にありますか。


解き方

(1)解説

一つ前の函館ラサールの問題に似ています。
次のグループ分けは、この問題の方がみつけやすいですね。
以下、函館ラサールに似ているので、説明は簡素化してあります。

第1グループ 1
第2グループ 4 3 2
第3グループ 5 6 7 8 9
第4グループ 16 15 14 13 12 11 10
第5グループ 17 18 19 20 21 22 23 24 25

偶数グループか、奇数グループかで分けます。
偶数グループは一番上の列から始まり、各グループの真ん中の数まで下に進んだ後
左に向かって進みます。
奇数グループは左の列から始まり、各グループの真ん中の数まで右に進んだ後
上に向かって進みます。
一番左の列の9番目ということは
奇数グループですから前のグループの最後の数(平方数)の次の数です 。
だから、8×8+1=65が正解。

 

(2)解説

44×44=1936
45×45=2025
1936<2008<2025

以上の関係から、2008は第45グループの途中にあると分かります。

第45グループは45×2−1=89より、89個の数から出来ています。
また奇数グループですから、左から始まり途中から上に向かう並び方です。

2025−2007=18
18は45より小さい数なので、2008は上から18番目にあります。
すると、左からは45番目と分かります。
どうしても分からない人は、第45グループの並び方を実際に書いてみてください。

答えは上から18番目で左から45番目。

以上、今年の入試問題を解説しました。
これからの入試対策に少しでも役立てば幸いです。

また、芝中学でも2008に関連づけた問題が出ていましたが
あまりにも類型的な問題だったので省略しました。




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(ただし、あくまでお子さんの力を伸ばすのが目的ですから、混乱させるようなことがないよう万全の配慮をします。)