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2004年中学入試・興味深い問題 (算数)
(1月入試で面白い問題がありました。) (1月27日更新)


市川中・〔5〕
下の図のように、白石と黒石がある規則にしたがって並んでいます。白石の3番目は全体の4番目で、全体の6番目は黒石の3番目です。このとき、次の問いに答えなさい。

○ ● ○ ○ ● ● ● ○ ○ ○ ● ● ● ● ● ○ ○ ○ ○ ● ● ● ● ● ● ● ○ 
つづく

(1) 全体の50番目は、何色の石の何番目ですか。

(2) 黒石の50番目は、全体の何番目ですか。


解き方(1例です。他の解法も考えられます。)

必要な知識をまず確認しておきます。
(1)等差数列の和=(初めの数+終わりの数)×個数÷2
(2)N番目までの奇数の和=N×N

では実際に解いていきましょう。

石をグループ化して、順番を付け
下の様な表にしてみると分かりやすくなります。

グループの番号
白石の個数
A
黒石の個数
B
合計の個数
11
C

さあ、どういう規則で並んでいるかはつかめましたか?
試しにA,B,Cにいくつが入るか、考えてみてください。

各行を横に見ていけばすぐに分かります。
Aは5。Bは9。Cはその合計の14です。

(1)
さて、早速(1)から解いていきましょう。
全体の50番目を考えるには、表の一番下「合計の個数」を見ていけばいいです。
初項2で、公差が3の等差数列ですね。
4番目までの合計は
2+5+8+11=26です。
5番目は14(=11+3)だから、26+14で、5番目までの全体の合計は40個。
次は6番目ですから、白が6個、黒が11個ですね。
ところで、5番目までで全体が40個ありますから、全体の50番目は
次の白が6個でまだ46個だから、その後さらに4個進んだ石になります。
黒は11個並んでいますから、黒石と分かります。
そして、6番目の黒のグループの4個目ですね。
5番目までの黒石だけの合計は1番目から5番目までの奇数の和ですから5×5で25個。
(このやり方を知らなくても、1+3+5+7+9で25個と出せますね。)
すると、その後4個進んだ黒石ですから、黒色の29番目と分かります。

(2)
続いて(2)に行きます。
黒石の個数の行を見ていきます。
7×7=49なので、7番目までの合計が49個ですから、
黒石の50番目は8番目の黒グループの1番目と分かります。
7番目までの全体の合計は7番目の「合計の個数」をまず求め、等差数列の和の公式で求めます。
2+3×(7−1)=20ですから、7番目は20。よって、合計は(2+20)×7÷2=77個。
8番目はまず白が8個並んでいます。その後の1個目ですから、
77+8+1=86で、全体の86番目と分かります。

 

一見取っつきにくい問題でしたが、数列の問題として、上のような表を作ってしまえば比較的解きやすいと思います。

現在1月21日ですが、これから2月の入試を受けるなら、是非この解説を完全に理解してください。
(久保田實)


ほほえみを君の手に。
がんばろうね!

もう1題いきましょうか。


立教新座中・〔6〕
ある中学の1年生には、A,B,Cの3クラスがあります。各クラスとも6つの班に分かれて、それぞれの教室と美術室の掃除をします。美術室の掃除は、A組から順に交代で行います。下の表は、掃除当番表の一部です。次の問に答えなさい。

  場所 A組 B組 C組
第1日目

教室
美術室

1班
2班
1班 1班
第2日目 教室
美術室
3班 2班
3班
2班
第3日目 教室
美術室
4班 4班 3班
4班
第4日目 教室
美術室
5班
6班
5班 5班
         



(1)A組の第3班に、2回目の教室の掃除がまわってくるのは第何日目ですか。

(2)第15日目までに、美術室の掃除をしないのは3クラスで合計何班ありますか。

(3)A組の第4班に、20回目の美術室の掃除がまわってくるのは第何日目ですか。


これは一見すごく面倒くさそうですが、続きを書いてみると意外と簡単な問題なんです。
そもそも(3)で20回目なんて尋ねてますから、きっと何かの規則性があるに違いないと考えられますよね。
とにかく間違えずに続きを書いてみましょう。
この作業さえ正確にできれば(1)〜(3)ともスイスイと解けてしまいます。

これだけではいくらなんでも素っ気なさ過ぎますね。
もう少しヒントを出しておきましょう。
第9日目まで書き出せば充分です。(ヒント出し過ぎ?)

ついでに答えも書いておきます。
(1)第7日目   (2)9班   (3)第178日目

どうしても正解が出ない場合はメールで質問してください。


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◎また、様々な別解のストックもあります。お子さんに合う解法が示せると思います。

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