第2回・北丹沢12時間山岳耐久レース



スタート前の風景

 

日 程:2000年7月16日(日) 天 候:晴れ

コース:青根−神ノ川ヒュッテ−大室山−犬越路−檜洞丸−
蛭ケ岳−八丁坂ノ頭−青根

距 離:35.5km  標高差:1,273m

タイム:8時間05分15秒(標準歩行約14時間) 短縮率0.63

順 位:出場者634名、時間内完走者535名中総合186位

 

 前回、エントリーしながら家の都合で参加できなかった北丹沢12時間走にチャレンジする。

 今回は新たに大室山も経由するコースとなり、距離も少し延びたようだ。前夜、車で現地入りし、車内で仮眠。朝のうちは小雨がパラついていたが、スタートの頃にはやんでいた。

 

 朝7:00。合図と共に一斉にスタート。荷物は各自の判断に任されており、長丁場であるため、ほとんどの人がデイパックの中に水筒や食料を詰め込んでいるが、中にはほとんど手ぶらに近い人も。ガス欠になったり、天気が急変したら、一体どうするつもりなのだろう。

 最初の約8kmは比較的傾斜の緩い舗装路。回りのペースは先が長いのを見越してか、ややゆっくり目。舗装路の終点、神ノ川ヒュッテのすぐ手前でさすがに息が切れジョギングから歩きに切り替えたが、ここまでで約50分。まあまあのペースだ。ヒュッテの給水所で少し休み、ここからいよいよ本格的な山道となる。

 

 鬱蒼と茂る樹林帯の中の道をランナーたちが数珠つなぎに延々と登っていく様はちょっと異様である。ジグザグの道は幅が狭く、この辺りで前を行く人たちを追い越そうとするのはちょっと無理。とにかく前の人との間隔が開かないよう必死に付いていくしかない。やがて樹林帯を抜け、大きく視界が開けると、背後には今日これから越えていかなければならない檜洞丸から蛭ケ岳へ続く稜線を望むことができる。

「ゲッ!あんな所まで行くのかよっ。」「・・・遠いなぁ。」

思わず気がメゲそうになるが、気を取り直してまたまた登る。

 

 9:18大室山頂上着。多くのランナーたちがここでホッと一息ついていた。山頂は木々に覆われ展望は利かない。スタッフに写真をすばやく撮ってもらいスポーツドリンクとゼリーを補給し5分ほどの休憩後、再びスタート。ここから犬越路までは急な下りとなる。いつしか空はすっかり晴れ、稜線からは夏の富士山が目の前一杯に広がり、実に素晴らしい景色である。

 走り抜けるようにして犬越路を突破。ここから檜洞丸への長い登りが始まるが、実際、今回のレースでは一番キツく感じたところだ。細かいアップダウン、そして鎖場を越え、ふと見上げてみれば、目の前の檜洞丸は圧倒的な高さで聳えている。息は乱れ、蒸すような暑さで全身から汗がダラダラと流れる。

 

何度も「にせピーク」にだまされつつ、息も絶え絶えに11:14檜洞丸山頂着。そのままブナの大木を背にして倒れ込み、ぬるくなったスポーツドリンクをチューチュー吸いながらぐったりしていた。

(ヤバイなぁ。このまま続けたら死ぬんじゃないか?)とその時は本気で思った。回りにも大の字になってひっくり返っているランナーが何人か見受けられた。それでも15分ほどじってしていると、少しは頭がスッキリしてきたようだ。そろそろ行かなければ。

 山頂のすぐ下、青ケ岳山荘は冷たい飲み物を買い求める参加者が蟻のように群がっていた。そこからしばらく下り、いよいよ最高峰・蛭ケ岳への最後の登りとなる。ここまで来ると長い行列は途切れ、同レベルのグループが形成されるようになる。前後を行くランナーたちも何となく顔見知りとなり、お互い声をかけたりするようになった。

 

 檜洞丸で一時走り続ける気力を失いかけたが、この辺りから再びいつもの登山ペースを取り戻す。

「1、2、3、・・・」と一歩ごとに頭の中で数を数え「8」まで来たら、再びそれの繰り返し。

こうして登っているといつの間にか一定のリズムが生まれ、ペースは早くはないが着実に進んでいるのがわかる。ただ、朝から腹の調子が今イチで、便意はそれほどもないが、ガスが溜まってどうしようもない。蛭ケ岳の頂上には給水所ときれいなトイレが待っているので、それだけを目標に黙々と登り続ける。

 

13:20蛭ケ岳頂上着。スタッフに迎えられ、まずは給水所でコップの水を1杯、2杯とガブ飲み。ホッと一息ついた所で蛭ケ岳山荘のトイレに落ち着く。その後10分ほど外のベンチで休む。持ってきた菓子パンはまるで食べる気がせず、水とゼリー、レーズンなどを口に詰め込む。

「ここからは基本的に下りのみ。急げば8時間を切ることができる。」というスタッフの声に励まされ、最後のカラ元気を絞り出す。この先のコースはつい3ケ月前に歩いている。やはりコースを熟知しているとペース配分などの点で精神的に楽である。まずまずのスピードで走り、最後のチェックポイント八丁坂ノ頭へ。

 

「ゴールまであと40分!」

スタッフに教えられ時計を見ると、スタートからすでに7時間22分経過していた。8時間を切るにはギリギリの時間だ。檜洞丸の登りではバテバテだったのに、ここからは絶好調の猿(?)のように山道をガンガン下る。足を引きずるようにして進む者、木陰でブッ倒れている者を尻目にとにかくどんどん追い抜いていく。

 現金なものでゴールが近づくと今までにないパワーが出てきて、最後の舗装路に出てからはかなりのスピードで何人も抜くことができた。

 やがて今朝スタートした懐かしいゴールが。残念ながら目標の8時間を5分ほどオーバーしてしまった。

 

余計な荷物を極力減らし、途中で写真を撮ったりしなければとも思うが、まぁこんなものだろう。

 ゴール地点では、炎天下で干からびたランナーたちが全身に冷たい水を浴び歓声を上げていた。


大室山への登りに喘ぐランナーたち。後方は蛭ケ岳


大室山頂上(標高1,587m)にて女性スタッフと。
なんて、ジャレてる場合じゃない!


中間地点の檜洞丸頂上(標高1,601m)
顔は笑っているが、暑さで死にそう


臼ケ岳付近から見る蛭ケ岳はまだまだ遠く、高い。


蛭ケ岳頂上。ここまで来れば後は下りのみ。

所要タイム:

スタート(青根中学校)7:00−神ノ川ヒュッテ7:50
−大室山9:18〜23−檜洞丸11:16〜30−
蛭ケ岳13:20〜30−八丁坂ノ頭14:22−
ゴール(青根中)15:05

このレースの難題はとにかく夏の暑さときついアップダウン。距離、制限時間とも10月の日本山岳耐久レース(長谷川カップ)の約半分だが、内容的には必ずしも半分とは言い難いキツさがある。中身はかなり異なるが、ダメージとしては富士登山競走と同じぐらいか?


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