Only you.....

◇Act5◇






・・・・・。」

「おまえ・・・・・泣いてるのか・・・・・。」

「あ・・・・・。」

「・・・・・どうした?」

「・・・・・・・・・・・・。」


を想ってここまで来てしまった。

偶然、 に会ってしまって、気づかぬうちに涙が零れた。

にはきっと、バレてたと思うけど、涙を見せたくなくて、一生懸命誤魔化した。

これ以上泣いちゃいけないって思うと、言葉が出なくて・・・・・。

わたしを見つめる の視線が痛かった。



チャンやないか。」

「え?・・・・・姫条くん?」

「おう、こないところでなにしとるんや?」

「別に・・・・・なんでもナイよ。」

「お、葉月おったんか。いつ帰ってきたんや?」

「・・・・・今・・・・・。」

「おう、じゃあ疲れてるんとちゃう? チャンは俺が責任を持って送るわ。」

「・・・・・ああ、頼む・・・・・。」

「ほな、 チャン行こか?」

「う・・・ん・・・・・。」



がニューヨークから帰ってきて、偶然会うことが出来た。

でも、話しをする暇もなくて、急に姫条くんが現れて送ってもらう事になった。

わたしの返事を聞くと、姫条くんは手を取って歩き出した。


さっきまで と一緒だった。

でも、今は姫条くんに手を引かれて歩くわたし。

わたし、何してるんだろう・・・・・。

こままでいいの?




久しぶりに会うことが出来た ・・・・・。

顔を見ただけで自然と涙が零れた。

凄く苦しかった・・・・・。



、機嫌が悪かったかもしれない。

わたしが姫条くんに返事をするのを確認すると、一人で歩いて行ってしまった。


わたしを見つめる の視線は凄く怖かった。

真っ直ぐわたしに向けられた の瞳。

けして逸らされることはなくて、そのまま気を失うかと思った。

全てを見透かしたようにわたしを見つめる。

凄く恥ずかしかった。


嫌われたかも・・・・・。

当然のことかもしれない・・・・・。



チャン、元気出してや。」

「姫条くん・・・・・。」

「オレ、本当は偶然会ったんとちゃう。 チャンと話しがしたくて、ずっと見てたんや。」

「え?」

「悪いとは思った。でも、 チャン泣いてたやろ?だからオレ・・・・・。」

「ううん。ありがとう。」

「オレ・・・・・ずっと チャンの事見てたんや。」

「うん・・・・・。」

「・・・・・遠まわしな言い方はダメやった。」

「え?何?」

「なんでも、あらへん。・・・・・自分、葉月と別れたんとちゃうの?」

「え?あ、うん・・・・・。」

「オレ・・・・・ずっと好きやったんや チャンの事。せやけど、葉月と付き合ってたやろ?だから諦めとった。でも、チャンスがオレにもきたちゅう事やろ?」

「・・・・・・・・・・・・。」

「返事は今すぐじゃなくていいんや。ゆっくり考えて欲しい。」

「でも・・・・・わたし、 の事が・・・・・。」

「それ以上言わんといて。」

「・・・・・・・・・・・・。」



なんとなく会話が途切れて無言のまま歩いた。

しばらくすると姫条くんが口を開いた。



「どっか、寄り道でもどうや?って言いたいとこなんやけど、今日はやめとくわ。ほんじゃあな。」


気づけば自分の家の前だった。

姫条くんは手をヒラヒラとさせ、わたしに笑いかけると、そのまま帰って行った。



わたしは混乱していた。

姫条くんが、わたしのことを・・・・・。

でも、今は のことしか考えられない。




わたしに、姫条くんのことを考える余裕は、なかった・・・・・。






to be continued.....




2003.2.23
くみ




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