制作者:KrK (Knuth for Kludge)
ヨドバシカメラマルチメディア横浜に行ってきた。そこで「マルチメディア」って言葉は「萌え」って言葉と使われ方が似ているな、と急に思った。簡単に言うと「発言している当人も明確な定義はできないが、便利だから多用されている」というところが。
マルチメディアという言葉も、元々真新しい概念ではなかった気がする。おおまかにインタラクティブとかニューメディアとか、漠然とした領域はあった。マルチメディアもその中の一つの言葉だった。当時はやや冗談めかして使われていた覚えがある。ただし魅力のある冗談として。
しかし元々曖昧だったものが、分野外の人まで広まった結果、かなり大雑把な遣われ方をしてしまった。一時は提供媒体がCD-ROMであるだけでマルチメディアだった。その当時には「マルチメディアってなんだ」っていう論をよく見かけた。
しかし、その大雑把な使われ方が逆に功を奏してか、完全に定着した。今では枯れた言葉になり、フリーソフトで「マルチメディア」という分類を見ても違和感を感じない。便利だ。
萌えも元々は「萌える」という動詞だった。その時から「熱中する」の言い換えである「燃える」の駄洒落的な使われ方であり、明確な定義はなかった。それでも感性的に「そういうのは「萌える」とは言わないだろ」的な反論があった。それがやはり一般に流布されることにより「なんとなくあの辺」全体を指す言葉になった。便利だ。
「重要なのは事実に付けるラベルの名前であり、事実そのものではない。」Cohen
最終更新:2024/12/12