制作者:KrK (Knuth for Kludge)
SNS自体は世界中で流行っているようだが、単純な日記や「報告」がこれほどあふれているのは日本だけだそうだ。これは漫画にも言える。漫画自体は多くの国に存在するが、これほど多岐にわたったものが出ているのは日本だけである。自分はそこに日本のわび・さびを見る。
ハリウッド作品やアメコミなどと違い、日本では「何も起きない物語」に関心を得られる。だからこそ何も起きず、何も教訓のないナンセンス漫画や新聞4駒、萌え漫画が許容されるのではないであろうか。米国の「一コマ漫画」にはほとんど風刺が入っている。
ここで思い起こされるのが、日本と同じく漫画好きが多いと言われるフランスである。フランスは平等主義の代表とされている。日本は法規上は自由主義を謳っているが、多くの国民の心にあるのは平等主義である。自由化をわざわざ叫ばなくていけないことや、格差社会への怯えからもそれが判る。
平等主義はいわば個人の勝利を絶対善とみなさない思想である。そこから「なんでもないこと」に価値を求める風習ができたのではないだろうか?そしてその起源は八百万の遍在する神であろう。ニュートンが物理世界を神の力で説明しようと汎神論を唱えた結果、皮肉にも神の不必要性を証明してしまった如くである。
このように、現代の日本漫画の土台を作ったのはアニミズムであると推論できる。
「無からは何も生じない。」Parmenidēs『自然について』
最終更新:2024/09/14